今回は、何故今、誰が問題を持ち上げたのかです。
まず、報道の流れから見てゆきます。
yahooニュースの、「必修科目の履修漏れ問題」カテゴリに掲載されている記事を基にします。
このカテゴリに拠ると、最初に報道されたのは24日12時になっており、富山県立高岡南高校において必修の世界史の授業がされていなかったとあります。
その後、25日2時付けの報道で、高岡南高校が県教委に虚偽の報告をしていたと報道され、同日12時17分付けの記事でさらに岩手県内8高校にのぼると報道されています。
また、同日17時1分付けの報道では、福島県内で10校、19時1分の報道では30校延べ7000人、そして25日の終わりまでには毎日新聞によると10県65校1万2000人と、たった一日で激増しています。
その後も26日17時にはサンケイ新聞によると17道県83校、27日10時16分付けの毎日新聞報道では35都道県244校、3万人と、日本らしからぬ情報判明速度で増えています。
また、あの文部科学省が、今週中に救済策を公表すると明言しました。ソース
こうして報道を辿ってみると、日本としては気持ち悪いくらいの早さで「事実」が判明し、また日本としてはありえない速さで、官僚が動いています。
昨年秋〜冬にかけて日本中を揺るがした、耐震偽装問題と比べると、同じ国とは思えないスピードです。
ここから考えると、私自身はあまり陰謀論とかは好きじゃないんですが、やはり何らかの意図によって誰かが情報を大量にリークしているのは無いかとも考えられます。
では誰が?
生徒自身が?保護者が?
この忙しい時期にわざわざ面倒な問題をぶちあげるでしょうか。
では学校?
んなわけない。ルール違反を告白する人が、わざわざ自分に不利益な状況でするわけない。
ではどこかの記者が嗅ぎ付けてスクープとした?
これだけ色々な報道各社が、殆ど一斉に報じているんだからその可能も低いでしょう。
となると本当に誰がリークしたのか。教育現場に詳しく、報道各社に一斉に情報を流せる存在。
私は、これは完全に憶測でありますが、あるいは政府方の人間が流しているのではないでしょうか。
では、何のために。
これもまた憶測ですが、教育現場への市場原理導入や「教育基本法」改悪への布石ではないかと思っております。
といいますのも、本日朝の「日曜討論」では、必修科目未履修問題と、いじめ自殺問題について、伊吹文科大臣、教育アナリストで教育現場に市場原理を導入するよう提言している戸田忠雄氏、国際基督教大学教授の藤田英典氏、杉並区立和田中学校の民間人校長である藤原和博氏が出演して討論していました。
最初は必修科目未履修問題をどうするかとか、そういうこと言っていたのですが、「ある種のムラ社会である教育現場を変えるには外部評価が必要」という話を発端に、どんどんと話がそれていって、挙句には「教育現場にも市場原理が必要といわれても致し方ない情勢になりつつある」とか、「教育バウチャー」を実施したとき、どういう運営にするかとか、そんな話になっていったんですよ。
この放送のことを思い出す限り、私のこの憶測も必ずしも完全に間違っているものではないと思います。
私の憶測に賛成の方も反対の方もいらっしゃるでしょうが、すくなくとも、大抵、日本のメディアにおいて一つの事象に関する情報が洪水のように流されるときは、何か別の意図があったり、別の出来事を隠そうとしていることが多いです。こういう情勢だからこそ、誰が、何故今、何の目的で情報を流しているのかを考えなくてはならないというところだけはご理解いただけるものと思います。