当ブログは移転しました。詳細はこちらに掲載してありますので、ご参照ください。

2008年01月31日

大阪府知事選・梅田候補落選についての分析にもなっていない「分析記事」

 先日行われた大阪府知事選挙では、共産党推薦の梅田氏は残念ながら落選しました。私は府民ではないので、府知事選への投票権は無かったのですが、梅田・橋下・熊谷の主要3候補者の中で投票できるとしたら、梅田氏に投票していたと思います。

 多くの共産党支持者は、橋下人気と、メディアによる2大政党制を煽るキャンペーンが梅田氏への票を奪った、梅田氏は戦術負けしたと考えているようですが、投票日翌日の朝日新聞紙面に掲載された出口調査によると、どうもそうではないようです。
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(クリックで拡大。赤傍線部は当方編集による。)
 上に掲載した記事の赤傍線部によると、府知事選において「政策面で候補者を選んだ」人たちの中でも、梅田氏は他の主要2候補者に比べて支持率が10ポイントも低いようです。
 「政策で見ている人」は、当然、橋下人気とは無縁でしょうし、メディアの2大政党制キャンペーンとも距離を置いているはずです。しかし、それでも他の主要2候補者に比べて10ポイントも支持率に差があるというのは、これはもう梅田氏の掲げる政策、もっと言えば共産党の政策に対する支持が低いということになります。梅田氏は戦術だけではなく、戦略的にも敗北を喫したというわけです。

 今回(もしかしたら今後も続けるかもしれない)は、梅田氏落選の原因を政策面から見てみたいと思います。

 まず、今回の府知事選の争点を見ておきましょう。
投票日前日夜に掲載された朝日新聞記事を援用。
http://www.asahi.com/politics/update/0126/OSK200801260056.html
 33年ぶりに国政の与野党第1党の対決となった大阪府知事選が27日に投開票される。17日間の選挙戦では、府財政の再建や産業振興など大阪再生が最大の争点になり、最終日の26日も最後まで候補者の舌戦が繰り広げられた。開票は一部を除いて27日午後9時から始まり、深夜には新知事が決まる見通しだ。

 選挙戦は事実上、弁護士の梅田章二氏(57)=共産推薦、新社会支持=、タレントで弁護士の橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=、元大阪大大学院教授の熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新推薦=の争いとなった。

 府は5兆円の府債残高を抱え、昨年末には巨額の「赤字隠し」も発覚。財政再建団体に転落寸前の危機的な財政状況の中、有力3氏の主張もこの点に集中した。

 梅田氏は「無駄・不正ゼロの府政を目指す」と訴え、大型開発の見直しや大企業への課税などで財源をつくり、「福祉都市」の再建を掲げた。

 橋下氏は出資法人の見直しと府立施設の売却などで150億円の財源を浮かせ、出産・子育て支援などの重点施策にあてていくと公約した。

 熊谷氏は全事業の必要性の点検や補助金見直しなどで年間2104億円の歳出削減をはかり、府民所得を1人平均50万円上げると訴えた。

 知事選にはこのほか保護司の杉浦清一氏(59)、元中学教諭の高橋正明氏(65)が立候補している。投票は27日午前7時〜午後8時、府内1784カ所の投票所で行われる。告示前日の選挙人名簿登録者数は709万970人。
 財政再建が争点であったことを、まず確認しておきます。

 これに対して梅田氏の政策というと、以下。
http://www.jcp-osaka.jp/2007/12/post_373.html
 府民のくらしが、いままさに、ピンチです。財政危機のもとでも財源を確保し、くらしや教育など府民の願いにこたえる7つの緊急施策を実施します。すべて実施しても200億円。大阪府の年間予算3兆円(一般会計)のわずか0・7%で可能です。財源は、大型開発の見直し、同和行政の終結、大企業への応分の課税でまかないます。

@市町村がおこなう独自の国民健康保険料減免を応援する制度をつくり、高すぎる国保料を軽減します。…必要額50億円
 「明るい会」のアンケートで、要望の第一は「国民健康保険、介護保険の負担軽減」でした。いまの府の市町村への補助制度は、滞納者の財産差し押さえを督促する冷たい制度です。市町村がおこなう保険料減免に、1/2の助成をおこなう制度に改善します。

A介護保険料・利用料の減免制度をもうけます…必要額20億円
 国に国庫負担の引き上げと保険料・利用料の減免制度を求めるとともに、府としても、すでに独自に減免措置をおこなっている市町村を支援しながら、全市町村に広げていきます。

B子どもの医療費を小学校入学まで助成します…必要額25億円
 大阪府の乳幼児医療費助成制度は、全国でもきわめて遅れた状況にあります。あまりの負担に治療を差し控えることもあり、子どもの生命や健康が危険にさらされています。当面、府として子どもの医療費を小学校入学前まで通院も助成し、国にも補助制度をつくるよう要求します。実現すれば、多くの市町村で、中学校卒業まで無料化の展望が開けます。

C35人学級を拡充します…必要額45億円
 基礎学力と、豊かな情操を育むゆきとどいた教育のために、小学校3年生までと中学校1年の35人学級を早急に実施します。

D府立高校授業料を年間3万円値下げします…必要額30億円
 大阪府立高校の授業料は国基準よりも約2万5千円上回り、全国一高額。そのうえ、エアコン代も徴収されています。せめて国基準並みに引き下げ、エアコン代負担もなくします

E大阪府若年雇用奨励金制度をつくります…20億円
 深刻な青年雇用の改善のために、中小企業があらたに大阪の青年を正規雇用で雇い入れた場合の府独自の補助金を新設します。大企業には正規雇用の拡大を府として強力に求めます。

F生活保護世帯への夏冬一時金を回復します。…10億円
 2人世帯の場合、夏冬合わせてわずか11600円です。
財源についての具体策は、以下。
http://www.jcp-osaka.jp/2007/12/post_375.html
争点や財源について問われた梅田さんは、「格差・貧困の解消、府民の暮らし・営業を守ること。大企業の法人事業税の超過課税を5%から10%に引き上げることで百億円うまれる。全国唯一、大阪だけ残っている同和行政をやめ、同和関係団体への補助金・委託金も全廃する」と説明しました。
 要するに、福祉重視。そのための財源は大企業への増税と同和関連予算撤廃(+大型事業見直し)で浮いた資金で賄うということです。

しかしながら、選挙翌々日の29日に朝日新聞記事では、以下のような声が掲載されています。
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000000801290003
 危機的な府財政の立て直しを求める人も多い。大阪市都島区の会社員の女性(44)は「自分たちが払い続けてきた税金が適正に使われていないのではないか。まずはそこをクリアにしてほしい」。東大阪市の主婦(62)は「福祉はばらまきではだめ。財政破綻(はたん)しないよう職員の人件費にも切り込んで」と注文をつける。
 今回の府知事選の主要3候補者(梅田・橋下・熊谷)は、全員、何らかの福祉的施策を手持ちの「武器」としていました。このうち、民主党などが推薦していた熊谷氏の公約については、「バラ撒きもいいとこ」とか「府民所得50万円アップってお前馬鹿か」というような批判が多く見られました。私も流石に「府民所得50万円アップ」は非現実的だと思います。もっとも、熊谷氏掲示の数値データを計算すると50万円ではなく5万円にしかならないという一部指摘もあります(追計算していないので私自身は確認していない)が、いずれにせよ、50万だろうが5万だろうが、これが「バラ撒き」と見られるのは仕方ないと思います。熊谷氏は負けるべくして負けたと思います。
 この研究記事の対象である梅田氏は、今回の選挙にて、前掲の「7つの緊急施策」を提言しました。いずれも、実現すれば良いに越したことはありませんが、あれもこれも詰め込みすぎている感があります。前掲の熊谷氏すら「バラ撒き」と批判されたのですから、況や梅田氏の「7つの緊急施策」なんて、非現実的な「福祉バラ撒き」以外の何者でもないと見られたのではないでしょうか。
 また、駅前やスーパーなど、人の集まる場所では、悪質商法への警戒を訴える警察署や国民生活センターなどによる「世の中、うまい話・出来すぎた話なんてあるわけありません。悪質商法に注意!」というようなポスターや立て看板を見かけると思います(少なくとも私の活動範囲内にはあります)。今回の梅田氏のあれもこれも詰め込みすぎた公約というのは、言っちゃ悪いですけど「うまい話・出来すぎた話」であり、ちょっと胡散臭さすら感じます。
 以上2点を含めて考慮すると、私としては、せめて「7つの緊急施策」のうち優先順位の高い2つくらいに絞っておけば、「福祉バラ撒き」にしてはメニューが少ないし、また「出来すぎた話」というのも言い過ぎの感があるので、こういう印象を受けずに済んだものと思います。
 まあ、もっとも梅田氏の福祉公約はまだ絞ったほうですよ。昨年の都知事選における吉田万三氏の福祉公約なんて、もうなんでもありという感すら感じるほど、欲張っていましたからね。

 ところで、そもそも「福祉バラ撒き」って何が悪いんでしょう。色々と理由はあるでしょうが、「カネがかかる割には効果が一時的で抜本的解決にならない」というのが考えられます。特に、「カネがかかる」、つまり財源の問題というのが福祉問題を考える際に大きなテーマになります。

 その点、昨今の経済の不透明化が梅田氏の掲げた「福祉施策への財源」の説得力を奪ったのではないか、という可能性も考えられます。
 昨年末から始まった株価の低下を始めとする景気の減速は、投票日直前には連日の株価の急落をもたらしました。普通の感覚ならば、景気は減速していると見るのが自然でしょう。アメリカ政府は緊急利下げなど景気刺激策を打ち出しました。一方の日本ではガソリン税がどーだこーだと政治屋・政局屋(決して「政治家」ではない)が騒ぐだけで金融政策に乗り出す気配が見られません。
 そんな中で「企業増税で福祉増進」なんていえば、「おいおい大丈夫かよ」と思うのは当然であり、なんか胡散臭さを感じるのも当然でしょう。
 もちろん、実際は企業はここ数年の(庶民にとっては実感のない)好景気で資金を溜めています。一方で家計収入は増えていない。景気拡大は実感できない。家計を通して経済を見る人にしてみれば、「うちが苦しいんだから会社だって余り儲けていないだろう」と考えるのも当然ですし、さらに昨今の株価急落報道と各種原材料高騰によるコスト上昇の報道、それにともなう景気減退見通しを繰り返す「経済評論家」の言説を聞いていれば、やはり「企業増税って、おいおい大丈夫かよ」と思うのは当然であり、なんか胡散臭さを感じるのも当然でしょう。

 それ以前に、そもそも、大企業が経済的な面で磐石であり企業増税しても企業活動に何ら影響をもたらさないことが全大阪府民の共通の認識であったとしても、果たして府民は企業増税を訴える梅田氏・共産党を支持するでしょうか?私としては、大幅な企業増税を大阪府が単独で実行した日には、課税逃れのために大阪から別の自治体への本社移転が一層進み、結果として大阪経済がますます衰退するという可能性が十分にあると考えます。その点を考えると、やはり、財源を企業増税で賄うという方式を掲げる限り、いくら好景気下での選挙であっても、爆発的な支持拡大には繋がらないと思います。
 問題の根底には国際グローバル化問題と同じものがあると思われます。

 そのほかには、これは余り関係ないと言えば関係ないでしょうが、福祉つながりで。
 そもそも今の大阪府政の累積赤字の大元といえば、1970年代に福祉を看板にした共産系の黒田府政の積極財政だと言われています。もちろん、その後の歴代府政、自民党系府政がその傷口を広げてきたことは忘れてはならないですが、黒田府政の記憶のある人にとっては、黒田府政と同じく福祉を看板にした梅田氏に拒否反応を起こすことも考えられます。

 福祉とは別のポイントとしては、共産系首長は例外なく議会との軋轢を生み、政治が停滞するので、それを避けるという投票行動もあるでしょうな。もっとも、これは梅田氏どうこうの問題ではないし、府議選で共産党を多数派にすればいいんですけどね。
 まあ、自民+公明の72議席に対して、共産党府議は10人なので、ハードルは相当高いですけど。ちなみに、民主党府議は24人、社民党府議は1人ですって。「野党共闘」してもこりゃかなわんよ。

 こう考えると、今の方式の福祉施策を掲げる限り、いつまで経っても共産党系候補者は勝てないんじゃないかとも思うんですよね。
 共産党が福祉の看板を下ろしたら、あとは護憲と歴史修正主義者との思想闘争、創価監視員の役目くらいしか残らないので、党にはこの辺で何らかの対策を考えほしいと思っているんですが、「4年前に比べて1万票増えた」とか、"多数派革命"を目指している割には小さいことで喜んでいるんだから、送ったところで考えないだろうなぁ。
posted by s19171107 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本共産党敗戦の弁研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

司法:有罪前提の弁護活動

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&id=395470
(mixi内記事)
「弁護側にも反省点」=有罪前提、1カ月接見せず−富山冤罪事件で報告書・日弁連

 富山県の冤罪(えんざい)事件で、日弁連は30日、再審で無罪となった柳原浩さん(40)が実刑とされた裁判を担当した男性弁護士について「柳原さんとの意思疎通が不十分なまま有罪前提で活動した。真摯(しんし)な反省が求められる」とする調査報告書をまとめ、公表した。報告書によると、男性弁護士は柳原さんが強姦未遂容疑で逮捕された2日後に当番弁護士として1回、起訴から判決までに国選弁護人として3回接見した。1回の接見は5〜37分間だった。

 日弁連は報告書で▽最初の接見で、柳原さんが容疑を否認したのに取り調べ状況を具体的に質問せず、弁護人を依頼するかどうかも聞かなかった▽国選弁護人の選任から1カ月間接見せず、否認から自白に転じた理由も確認しなかった▽有罪を前提に被害者との示談交渉を進めた−などの問題点を挙げた。
チュチェ96(2007)年9月6日づけ光市事件:3つの批判を検討するにおいて引用した、光市事件弁護団の一員である安田弁護士の発言に以下のようなのがありましたが、最初から有罪前提で弁護活動をやると、今回の事件のようなことになるんですな。
 裁判を死刑廃止運動に利用しているという批判もあった。「死刑廃止を法廷で考えているとしたら弁護士失格だ。法廷は事実を争う場であって、政策や思想の場ではない。だいたい判決は死刑だろう、と考えて弁護なんてできやしない」
 やはり安田氏はすげーなー

関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html
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戴いたコメントへ返信しました

以下の記事に対して戴いたコメントへの返信を完了させました。


橋下当選について(「死ぬのはやつらだ」さん「天性の庇護者」さん「放蕩息子」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/81117677.html

事件特集報道に「被害者の笑顔」を掲載する意味とは?(「天性の庇護者」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/80261056.html

「外国人参政権に反対する保守層」が橋下当選を喜ぶのが良く分からん(「takashi」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/81486598.html
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2008年01月30日

司法:欧米の裁判「一審無罪のときは検察側が控訴できない」の?

以下、転載の転載ながら保存する。
http://polarisjcpmetal.blog78.fc2.com/blog-entry-441.html
1月26日付け、しんぶん「赤旗」のQ&Aコーナーから紹介します。

刑事裁判で被告が一審「無罪」となった時には、検察側は控訴できないという制度が
世界では一般的であり、検察が有罪を求めて「控訴」する日本の制度は例外との事。

*****************************

欧米の裁判「一審無罪のときは検察側が控訴できない」の?
               2008年1月26日(土)「しんぶん赤旗」


 〈問い〉 先日の葛飾ビラ裁判の不当判決についての大谷昭宏さんの談話の中に“欧米では一審無罪の場合は検察は控訴できない制度が大きな流れになっている”とありました。この点をもう少しくわしく知りたいのですが。(東京・一読者)

 〈答え〉 たしかに、欧米では無罪判決に対して検察官が上訴(控訴や上告のこと)できない制度が大きな流れとなっています。

 アメリカは、憲法修正第5条で「何人も同一の犯罪に対し再び生命又は身体の危険に陥れられることはない」と定めています。連邦最高裁は、これについて、無罪判決を受けた人を上訴することは、再び試練や不安を強い、有罪になる可能性のある状態に置くことになるとして、検察官の上訴を認めていません。
イギリスでも同様です。

 英米のこのような考え方の背景には、陪審裁判の影響があります。陪審裁判は犯罪行為があったか否かという事実認定は陪審員が、法律問題の判断は裁判官がおこないます。事実審理は1回限りで、陪審員が評決した事実認定は、きわめて不合理な場合を除いて上訴することはできず、被告人無罪の評決があった場合、検察官は上訴できないというしくみになっています。

 また、フランス、ドイツ、スペイン、スイス、デンマーク、ノルウェーなどは、裁判官と国民から選ばれる参審員がいっしょに刑事裁判を担当する参審制がおこなわれています。これらの国では、参審裁判の事実審理は1回限りとし、検察官は無罪判決の事実問題については上訴ができず、有罪判決の上訴は法律問題と量刑に限られているのが通常です。

 陪審制や参審制を取り入れている欧米などで、無罪判決に対して検察官が上訴できない制度を導入しているのは、事実審理の段階で証拠調べをきちんとおこなったうえで、犯罪行為があったかなかったかを判断したことを尊重しているからです。

 日本の場合も、
憲法第39条に「何人も…既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない」
「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない」
との規定があります。これはアメリカ憲法修正第5条とほぼ同じ規定です。
 しかし、最高裁判決(1950年9月27日)が、これは一つの事件を「訴訟手続の開始から終末に至るまでの一つの継続的状態とみる」として、判決が最終的に確定した後は再び刑事上の責任を問われないという解釈をしているため、下級審の無罪判決の上訴や、上級審が無罪判決を破棄し、有罪とすることが認められているのです。

 日本でも参審制の一種である裁判員制度が導入されるわけですから、このさい、この点の適否を検討する余地があるでしょう。(光)

 〔2008・1・26(土)〕

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http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html
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「外国人参政権に反対する保守層」が橋下当選を喜ぶのが良く分からん

 27日投開票の大阪府知事選挙において、橋下当選を喜ぶ声はあちこちから聞こえますが、中には定時外国人の地方参政権に反対する保守層からも、喜びの声や評価する声が聞こえてきています。以下のように。

ttp://kakka-butsuyoku.seesaa.net/article/81129250.html
この選挙結果における最も大きな意味は「部落解放同盟」「ヒダリマキ労組」「民主党」「在日朝鮮人組織」という所謂“売国勢力”が一体となった組織戦を展開したにも関わらず無惨に敗れ去ったという事にあります。
 しかし、ご存知の通り、橋下は「歴史的経緯のある特別な定住外国人」への地方参政権付与については、「当然認める」という立場をとっています。
http://www.tv.janjan.jp/movie/shiminkisha/0801098649/s0801098649_a_02.php
(上記音声ファイルの大体、52分目あたりから定住外国人の地方参政権についての話題になっており、その中で橋下は、53分目あたりから「歴史的経緯のある特別な定住外国人には当然参政権は認めるべきだが、それ以外は時期尚早」という主旨の発言をしています。大阪における、というか日本における「歴史的経緯のある特別な定住外国人」なんてのは、どう考えても在日コリアンです。百歩譲って漢民族です。)

 前掲のブログにおいては、最後に下記のように締めくくっていますが、それを言うなら橋下こそ一日も早く引きずり落とさなければならないと思うんですが。
ただ、今回の選挙結果で気掛かりなことと言えば、これが福田・古賀・二階・ハニ垣ら現自民党執行部を延命させる事になりはしないかという事だけです。奴等だけは何が何でも、一日も早く引きずり落とさなければなりませんからね。人権擁護法案だの外国人参政権だの支那への無用な援助だの、亡国に直結する余計な事ばかりやる連中ですからねぇ。
 まさか、「敵の味方」の「敵」は「味方」、つまり「"保守"の"敵"」である「"労組・解同"の仲間である"熊谷候補"」の「"敵"である"橋下"」は「"自分"の"味方"」だから、きっと「"定住外国人への地方参政権付与"には"反対"だろう」という単純な方程式で橋下を支持していたんでしょうか?そうだとしたら「ご愁傷様」としか言いようが無いですね。そして、在日勢力は参政権無いのに、マヌケな大阪府民のお陰で美味しいとこを戴いたわけですなwwwwウヨ涙目wwwwwwwww
posted by s19171107 at 21:17| Comment(8) | TrackBack(1) | ウヨがウヨウヨ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月29日

読売世論調査「日本人」について

 読売新聞が1月25日の朝刊1面・12面・13面で、「日本人の国家意識」とかいう、曖昧なアンケートの結果を掲載しました。
 読売のサイトでも読めるのですが、全部は載せていないようなので、当日、都内のコンビニで購入した実物の紙面をスキャンしました。

左から、1面・12面・13面(いずれもクリックで拡大)
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 さて、私はこのアンケート記事を読んで、二つの疑問を感じ、一つのネタを仕入れました。

 「疑問」について。
 第一の疑問は、何故、読売はこんな曖昧な調査をし、「国民であること誇り93%」なんて見出しをつけたのか、ということです。設問と選択肢が余りに漠然としすぎていて、全体的に読売記者の公開オナニーにしか見えないんですが。
 まあ、もっとも「クニ」という日本語自体が極めて幅広い言葉ですから、仕方ないと言えば仕方ないんですけどね。


 第二の疑問は「国民であることに誇りを感じる」という感覚です。
 誤解が無いように先に言っておきますが、私は故郷である日本は好きですし、「日本文化」というものを高く評価しています。しかし、やはり、自分が日本国民であることに「誇り」は感じません。

 といいますのも、私にとっての「誇り」というのは、何か大きな壁にぶちあたったとき、その壁を自力更生の精神で乗り越えて初めて自分の行動に対して感じるものであって、日本国民という「状態」に対して感じるものではないのではないか、と思っているからです。

 もろちん、「状態」といっても、どんな「状態」に対しても感じないわけじゃありません。たとえば私が実現不可能といわれた合成実験を成功させ、ノーベル化学賞を受賞したとします。そのとき、恐らく私は「ノーベル化学賞受賞者である自分」という「状態」に対して「誇り」を感じるでしょう。しかし、「ノーベル化学賞受賞者である自分という状態に対する誇り」というのは、このアンケートにおける「日本国民であるという状態に対する誇り」とは全く異次元の「状態に対する誇り」です。なぜなら、前者は自分の不断の努力の結晶であるのに対し、後者は生まれながらにして自動的に手に入れたものであり、努力して手に入れたものではないからです。

 こういう思考回路を、古い自分の作文を読む限り既に小学校6年生の頃には確立させていた私(198x年生まれ)としては、「日本国民であるという状態に対する誇り」というのが全く理解できません。


 「一つのネタ」について。
ウヨさん曰く、「戦後の日本人は日教組の自虐教育によって、日本人であることに誇りをもてなくなった」そうです。しかし、このアンケート結果を見る限り、実に9割以上の人が日本人であることに対して誇りを感じています。
 ウヨさんは一体どういう統計的データを基に、ああいう言説を展開してきたんでしょうね。
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業務規則原理主義は社会に普遍

朝日新聞(東京)1月28日づけ朝刊
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(クリックで拡大 赤傍線は当方による)
 さて、昨今流行の公務員バッシングの風潮においては、公的機関の窓口などにおいて何か気に入らないことがあると、公務員の業務規則どおりの通常業務に対しても、「これだから公務員は」とか「公務員はマニュアル主義者」のようなクレームを新聞の投書欄に送りつける輩や、「民間ならこんなことはない」という持論を展開し、民営化促進論に賛同する輩が出てきます。
 私としては、公務員だって同じ人間なんだから、まるで公務員をどこか別の星から来た人のように言う昨今の公務員バッシングには違和感を強く感じており、多かれ少なかれ、公務員バッシングのネタにされるようなことは、民間企業だってやっているだろうと思っていました。
 案の定です。赤傍線部のコメントを発表した「業務委託を受けている都内の警備会社」は「公務員」もビックリの業務規則原理主義者です。
 業務規則原理主義は公務員に限ったことではない。ここはキッチリとカタをつけておかねばなりません。
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2008年01月28日

橋下当選について

昨晩書いた記事は速報をコピペしただけだったので、改めて「橋下府政」について所感を含めて。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080127-00000946-san-pol
 橋下さんの当選で、大阪府に故横山ノック知事に続くタレント知事が誕生することになった。ただ、60歳を過ぎて知事になったノック氏と違い、全国最年少の30代後半。ノック氏は府職員の人望が厚く、自らは「素人」として実務は任せ、広告塔の役割に徹した。若い橋下さんがどう職員を指揮していくか不透明だが、「職員に汗をかいてもらう」「役人をけちらす」などと発言しており、府職員は戦々恐々としている。

 ノック知事時代を知る幹部の一人は「ノックさんが初当選したときも、同様に戦々恐々としていた」と思いだすという。が、初当選は平成7年。当時、知事選は予算編成が終わった春の統一地方選で行われていた。ところが、セクハラ問題でノック知事が辞任したため、12年の選挙から予算編成直前のこの時期に行われるようになった。今後、編成過程で、公約に掲げた府の出資法人見直しなどの財政再建策を巡り、幹部との激論も予想される。

 府議会との関係も不透明だ。完全無所属で当選したノック知事時代、府議会は就任当初から全面対決していた。

 一方、橋下さんは、自民府連から推薦、公明府本部から支持をとりつけての当選だ。議会で過半数を占める自公を味方にする形となる。しかし、テレビで過激発言を繰り返してきた橋下さんには、支援した自民、公明の一部府議に反発する声がある。

 昨年1月、お笑いタレント出身の東国原英夫知事が誕生した宮崎県では、知事がノック知事と同じく完全無所属で当選したため、当初議会との対立が予想された。

 しかし、就任から1年が経過して知事が頻繁にテレビ出演し、県産品をPRする姿が定着。議会関係者によると、最大会派の自民は「県の知名度を上げ、積極PRしている点は高く評価している」という。一方で「マニフェストに掲げた計画を実現できるか注意深く見ている」ともいい、是々非々で臨んでいる。
 さて、「無所属」をウリにしていた橋下ですが、日本の地方自治は、選挙など「当選前」こそ大統領制と同じですが、議会運営など「当選後」は国会と同じ議会制民主主義です。完全無所属の横山ノックでさえ、なんだかんだで議会勢力との折り合いに苦心していました。まして「無所属」とは言いながらも、実際は下記のように、自公のバックアップがあった橋下が、果たして革命的な府政・府議会運営ができるでしょうか?私には自公体制の枠組みの中でしか活動できないのではないかと思います。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200801270038.html
 「一から大阪を立て直したい」。27日午後9時前、橋下さんは支援者にもみくちゃにされながら、大阪市中央区の事務所に設けられたステージに立った。府立北野高校ラグビー部時代の仲間や自民、公明両党の国会議員らに囲まれて万歳。あいさつの途中、目に涙を浮かべ、言葉に詰まると「がんばれー」と支援者から大きな声が飛んだ。
 また、「役人をけちらす」とか威勢の良いことを言っていますが、実際の政治というのは役人と折り合いをつけなければどうにもなりません。もっとも、府職員の前では180度逆のこと言っていますから、本人も分かっているのかもしれませんが、選挙運動中から既に二枚舌ってwwwwwwwwww

 更に言えば、ピンチになった際に思考回路がブッ壊れる一部始終を、我々は光市事件の場外乱闘で目撃しています。

 こう考えると、ここ最近では東国原氏に続くタレント知事ということになるんでしょうが、なんとなく東国原氏の足元にも及ばないんじゃないかとも思ってしまいます。

 ちなみに、今日の朝日新聞朝刊に橋下の選挙公約が一部掲載されてました。今更、公約に噛み付いても仕方ないのですが、「公立中学校への給食導入」「公立小学校の運動場の芝生化」ですって。
 ふむ、大阪ってのは公立小中学校の運営管轄を府がやっているんですか? 私の記憶だと大阪も他と同じく、市立だったと思うんですけどね。高校は府立ですけど。
 府政管轄外の公約を掲げるって、なんとなく、嫌な予感がしますねー


 しかし、それにしても対抗馬が都知事選以上に小粒だったなぁ。あんな政党隠し・二枚舌候補に大差で負けるなんてねー
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2008年01月27日

橋下当確(´・ω・`)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080127-00000057-mai-pol
 大阪府知事選は27日投開票され、無所属新人のタレントで弁護士、橋下徹氏(38)=自民府連推薦、公明府本部支持=が、元大阪大大学院教授、熊谷貞俊氏(63)=民主、社民、国民新党推薦▽弁護士、梅田章二氏(57)=共産推薦=ら4人を引き離し、初当選を確実にした。国政の与野党3極の対決となった知事選で、与党が推した橋下氏の勝利は、年内に予想される衆院選にも影響しそうだ。 

 3選を目指した太田房江知事が「政治とカネ」問題で出馬を断念。1979年以来続いた共産対非共産の構図が崩れ、33年ぶりに国政の与野党3極が対決する構図になった。特に民主は「衆院選の前哨戦」とし、小沢一郎代表や鳩山由紀夫幹事長らが度々応援に入り、昨年11月の大阪市長選に続く民主推薦候補の連勝を狙った。

 大阪府知事としては、横山ノック氏に次ぐタレント出身者となる。「エネルギーと爆発力で大阪を変える」と繰り返す巧みな演説で支持を広げた。

 橋下氏は昨年12月の立候補の表明にあたり、「2万%ない」と事前に否定しながら一転して出馬した経緯が反発を生んだ。さらに、核武装への賛意などテレビ番組での過去の発言も問題視された。
 この勢いで、そのまま独立してもらいましょうかww
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2008年01月26日

戴いたコメントへ返信しました

以下の記事に対して戴いたコメントへの返信を完了させました。


大阪府知事選に橋下が出馬の意向(「mash」さん、「天性の庇護者」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/72469047.html

捕鯨の必要性とは何か?(「放蕩息子」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/80113770.html

事件特集報道に「被害者の笑顔」を掲載する意味とは?(「ニュースコープ」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/80261056.html
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排出権本位制

今日の朝日新聞朝刊の投書欄に、環境問題と経済金融活動の折り合いのつけ方についてのアイディアが掲載されていたのでメモ。

0970126-1.jpg
(クリックで拡大)
 まあ、面白いことには面白いんだけど、しかしこの場合、二酸化炭素排出権ならまだしも、森林資源は有限。有限資源を貨幣の価値の担保にするってのは、結局は金本位制と同じ末路(=通貨供給量を増やすための管理通貨制度への移行)を辿るんじゃないかとも思うんだよね。特に福祉国家を続ける限り、財政活動は毎年少しずつ膨らむがゆえに、通貨供給量だって増えざるを得ない。かと言って、福祉国家以前に戻れば、それこそ環境保全どころじゃないし。

また、排出権についてだって、そんなに簡単に排出量を抑えて権利を転売できるんだったら苦労しないしね。

まあ、まだ詰める部分があると筆者本人も言っていることだから、今後の研究に期待、というか一応私も経済系だから考えてみようと思う。特に、「資本主義体制の問題点を考える」という大雑把な分類から見れば、「環境経済学」と「労働経済学&社会主義経済学」は遠い親戚みたいなもんになるしね。
posted by s19171107 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月25日

日豪捕鯨論争におけるウヨさんたちの意外な動向

日豪捕鯨論争は、まさに相対する価値観と価値観の間の不毛な論争に陥っています。さらに、一部日本人は、「オーストラリア白人主義との戦いだ」として、人種間対立まで持ち込んでいます。

このくだらない論争については、何度か記事を書いてきました(関連記事一覧)し、ブログ界隈の一角でも、盛んに取り上げられています。そのなかで、私としては、ウヨブログの動向が意外でした。

実はオーストラリアってのは、中国系移民が多いんですよ。今のラッド労働党政権が成立したときも、「中国系移民が当選に貢献した」とか、たしか産経あたりが"分析"(産経の分析なんてあてにならんけど)していたと思いますね。

だから私としては、ウヨさんたちは「まてあわてるな、これは、日豪を対立させて日本を孤立させようとする中国の罠だ」とか、妄想を開陳するのかと思ったら、素直に「オーストラリア白人主義との戦いだ」とか言っちゃっているんですよね。

まあ、そこまで妄想力が逞しくなかった、というのなら良いのですが、とにかく意外です。


捕鯨関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/hogei.html
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2008年01月23日

事件特集報道に「被害者の笑顔」を掲載する意味とは?

本日の毎日新聞(東京)のオピニオン欄・「記者の目」において、毎日新聞西部報道部の石川淳一氏署名で、福岡3児死亡事故の地裁判決に関して、「応報の感情論は法治国家における司法の本質を見誤る。今回の判決で問題にすべきは『危険運転致死傷罪』そのものにある。」という冷静な論説記事が掲載されました。

img006.jpg
(クリックで拡大。赤傍線はs19171107による。)
赤傍線を引いた部分を中心に、記事そのものには異論無く、私が当ブログで再三にわたって指摘してきたこと、懸念してきたことを、より論理的に表現してくださっています。どっかのテレビメディアとは大違いだね、古舘さん。

一方、ひとつだけ、しかし決して無視できないポイントがあります。
それは、記事中央左に掲載されている、死亡3児とその母の「笑顔の写真」を掲載していることです。

この記事に限ったことではありませんが、どうも最近の理不尽な死亡事件・事故のメディア報道では、どこから手に入れたのか、被害者の幸福そうな「笑顔」が盛んに掲載・放映されます。おそらく、「幸せな生活を一瞬のうちに奪った飲酒運転死亡事故」を際立たせるための感情に訴える編集技法だと思うのですが、「感情論に流れずに」と記事本文でいいながら、感情に訴える写真を掲載するというのは、一体どういうつもりなのでしょう。

更に言えば、たとえば今回の死亡事故の被害者が、幼い3児ではなく、指名手配中の凶悪犯だったとか、「カブトムシ狩り帰り」ではなく「オヤジ狩り帰り」のDQNだった場合、「笑顔」を掲載・放映するのでしょうか?

この記事にもありますが、日本の刑事裁判は「罪刑法定主義」であり、被害者が誰であろうと、加害者が誰であろうと法定刑罰が科されます。裁判報道も、この鉄則に従って報道すべきだと思いますが、メディア的には、指名手配中の凶悪犯や、「カブトムシ狩り帰り」ではなく「オヤジ狩り帰り」のDQNなんかの「笑顔の写真」なんて掲載・放映できないでしょうし、そもそも裁判と立法は感情ではなく理論に従って粛々と行われるわけで、ガチガチの実利優先主義者としては、殊更悲劇を演出する必要は無い、必要ないことはやらなくても良いと思う次第です。

「いま一度、立法から議論を」も結構ですが、「いま一度、報道編集も議論」してほしいところです。


関連記事一覧
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責任の取り方とは何か?

福岡3児死亡事故に関して、今林の兄ちゃんも控訴しました。

http://mainichi.jp/select/jiken/drunk/news/20080123ddm041040061000c.html
 福岡市東区の「海の中道大橋」で06年8月に起きた3児死亡事故で、元市職員の今林大(ふとし)被告(23)側は22日、業務上過失致死傷罪とひき逃げを併合した上限の懲役7年6月(求刑・懲役25年)を言い渡した8日の福岡地裁判決を「重すぎて不当」として福岡高裁に控訴した。

 検察側も控訴しており、検察側が求める危険運転致死傷罪適用の是非や量刑を中心に2審の審理が行われるとみられる。

 被告側は「深酔い状態ではなかった」として危険運転致死傷罪ではなく、業務上過失致死傷罪の適用を主張。自首による減軽を求め「反省しており、社会的制裁も受けた」などと執行猶予付き判決を求めていた。2審でも同様の主張をするとみられる。

 今林被告の弁護人、春山九州男弁護士は「(被害車両は)追突後、約40メートル走って落下するまでブレーキやハンドル操作をしていない。事故の態様を分析し、適正な責任の配分を求めたい」とのコメントを出した。

 被害者の大上哲央(あきお)さん(34)、かおりさん(31)夫妻は「全く信じられない気持ちです。懲役7年6月が重すぎると考えているのであれば、3人の死に対して責任を全く感じていないのではないかと思われる。控訴は不愉快に思います」とコメントした。
責任を全く感じていないのではないか
「責任」あるいは「反省」という言葉は、刑事裁判の判決形成においても重要なポイントであります。正直、裁判の半分くらいは「責任」と「反省」の有無について争っているように思います。
 一方で、「責任」「反省」という言葉は、実に守備範囲が広く、あいまいな言葉です。以前、光市事件も「反省」という言葉が場外乱闘のキーワードになりました。それに関して私は、チュチェ96(2007)年9月24日の日記において、外部ブログ記事の記事を基に、自分の経験も含めて「反省って何だろうね」と書きました。この記事を読んだときも、「『責任を感じているのか』って、じゃあ『責任をとる』って何だ?」と思いました。

 今回の控訴では、被告側は事実誤認を主張しています。被害者の脳内における「責任のとり方」というのは、事実誤認への反論も許さないということでしょうか。

 日本の「自称庶民」のブログを見ていると、こういう風に、落ち度のある人物に反論の機会を与えないことが「良い責任の取らせ方」と思い込んでいる人が多いようです。しかし、当人にしてみれば反論の機会も与えられないということは不満が残るわけで、不満をくすぶらせたままに形だけ「責任」を取らせるということは、全く意味の無いことです。ただ被害者側の処罰感情を満たすだけの行動でしかなく、これは蛮族のやることです。

 もっとも、これは庶民に限りません。日本社会全体に巣食う問題です。
たとえば政治では、戦時中の「日帝による蛮行」について、政府は戦後、一貫して謝罪してきました。ウヨさんの言うところの「土下座外交」ですね。その一方で、閣僚や与党幹部の中からは、しはしば、「日帝による蛮行」を否定する言説が出て来、そのたびに国内外で、その「言々不一致」が問題になっています。

 これも、日本人的な「責任の取り方」に起因する問題だと思います。つまり、こういう発言をする人は「日帝による蛮行」を信じていない・あるいは認めていない。一方で、日本人的な「責任の取り方」に乗っ取って、形式的な謝罪をせざるをえない。だから、ふとしたことで「言々不一致」してしまう。正直、「日帝による蛮行」を否定するなら、その内容はさておき、筋だけは一貫してほしいものです。事後処理は大変だろうけど。


 ところで話は変わりますが、「衝突後、被害車両による回避行動が見られない」という論点に関しては、私も注目しています。以前にも書きましたが、弁護側がこういう状況証拠的なものを根拠に弁護活動するとき、通例、それなりの根拠があってやります。この裁判においては、弁護側は自首による減軽を求め「反省しており、社会的制裁も受けた」などと執行猶予付き判決を求めていたと主張していますが、もし、その一方で根拠なくこういう主張をすると、「口先だけの反省じゃねーか」と裁判官に思われ、劣勢に追い込まれるからです。

 2審の行方も慎重に見守りたいと思っています。


関連記事一覧
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posted by s19171107 at 20:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年01月22日

捕鯨の必要性とは何か?

1月14日の日記に於いても書きましたが、私は、あんなに鯨肉在庫があまっている上に、在庫を掃く為の販路すら見出せていない現状において、なおも捕鯨に精を出す意義が良く分かりません。ネットで検索してみても、どうもしっくり来る解説がなくて、正直、外国からガタガタ言われて意地になっている面もあるのかもしれない、と思っています。

本日の朝日新聞(東京)の投書欄においても、ロンドン在住で、日本の調査捕鯨の意味が良く分からないものの、「日本人」ということで、現地の英国人から「なんで日本人は捕鯨するの?」と聞かれて返答に窮している方からの投書がありました。

0970122-1.jpg
(クリックで拡大)
私も同じ思いです。
うちの家族にも、「どうして捕鯨しているのか分かる?」と聞いても、「わかんない」とか「『鯨のオーロラ煮』を思い出すから鯨肉の話はやめろ」とか言われてしまっています。

この投書に対して、2ちゃんの朝日の基地外投稿第169面において、幾つか「返答案」が掲示されていました。
181 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 15:36:08 ID:pMUBdoid0
NHKインサイダー取引に関する投稿で、報道人に自戒を求めながら
「村上ファンドに投資してた日銀総裁に比べれば小さい」と相対化してたな。
不祥事を「でも権力者の方がもっと悪いことやってるもんね」と言い訳する体質こそが、
今のメディア不信の原因だと思うんだが。

あとは再生紙はがきの偽装で、決して再生紙=エコではないことがわかったという主婦とか、
捕鯨に関して夫や周囲から問いただされて大変だ、捕鯨を続ける利益が
どこにあるのかわからないという英国在住者とか。

182 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 15:53:56 ID:Z0LvyoD70
>>181
捕鯨に関して、
鯨捕って鯨油だけ採って、肉とか捨ててたテメェ等と一緒にするなってな。

英国は野ウサギを(害獣として)棒持って追い掛け回して撲殺してるんじゃなかったっけ?
そのくせ、長崎で漁の邪魔するイルカを地元漁民が駆除する邪魔してたんだよなぁ〜

183 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 16:25:48 ID:RVCbt8Ru0
>捕鯨を続ける利益がどこにあるのかわからない

→「鯨を食べなくても牛肉を食べればいいじゃない!」かな?

だったら「牛を殺すのは残酷。魚を食べればいいじゃない」と言えるし、
「魚を殺すのは残酷。豆を食べればいいじゃない」とも言える。

日本語には「いただきます」という言葉がある。
「食事五観の文」↓を端的に表した言葉だと思ってる。
ttp://shoujin.com/shoujingokan.html
「至らぬ身ながら、天恵をもったいなくも頂戴いたします」
それが「いただきます」。

だからこそ鯨1頭取っても余すところなく使い、供養までする。
家畜は人間が食べるために与えられたものだから食して当然、
という態度で工業生産物のように扱う蛮族に捕鯨云々言われる筋合いなはい。

…という反論はおかしいのだろうか?

185 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 16:32:58 ID:Hy6VrqO60
>183
いいこと言うなあ
ただ書いてる通り、野蛮人には通用しないんだよね
英米系でも、日本が好きで滞在するような分ってる人は騒がないと思う

194 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 18:30:41 ID:cqlR99fb0
>>181
>捕鯨を続ける利益がどこにあるのかわからない

まったく漁も猟もしない国なんてないでしょ
そーゆーことじゃないの?

197 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 20:38:17 ID:Gi/Z+vcIO
世界中で有色人種を殺し捲ってきた白人どもにたかが鯨のことでガタガタ言われたかない

198 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 20:46:02 ID:FYCzl/Fn0
メルヴィル原作の映画「白鯨」(グレゴリー・ペック主演)見たけど、
鯨漁の場面はすごかったよ。鯨の群れに当った捕鯨船団が手当たり次第に鯨を捕りまくり。捕った橋から解体して甲板血まみれ、大鍋で煮込みまくり残骸は海へ廃棄。

でも映画に出てきたアメリカの鯨漁の村は、教会の装飾(というかシンボル?)が巨大な鯨骨でされていたりして、俺たちは鯨で生きてるんだ、みたいな意識が全員にあってよかった。実際に漁に携わってる人たちは、鯨に感謝したり恐れたり尊敬したりしていたと思うよ。

厄介なのは漁業をしたことも動物をさばいたこともない、お花畑な鯨崇拝者たち。
イメージだけで生きてるから始末に負えない。

199 名前: 文責・名無しさん [sage] 投稿日: 2008/01/22(火) 20:49:58 ID:/xux0Zko0
何で外国に在住している日本人て、
外国になびいた意見を平気で発するんだろうか。

むかし、オランダ在住の日本人外交官の本を読んだけど、
捕鯨に関しては、オランダ人が残酷だって言っているんだから、
捕鯨なんかやめちまえって感情論。

一番笑ったのは、第二次大戦で日本はオランダと戦ったのに、
その時の償いを日本はやっていないっていう件。

「自国」のことを何も考えず、理解も無いから、反論のしようも無いんだろうな。
 要するに、実利主義的な根拠は何一つなく、ただ単に「お前に言われたくない」でしかないということでしょうか。1月20日の日記において書いた、相反する価値観と価値観の間の不毛な闘争そのものです。

もし、あちらさんが、私のように「こんなに在庫がある上に、販路すら開発されていない現状で捕鯨する意味ってあるの?」と問うてきたら、これじゃ反論になりませんよ。

また、1月14日の日記の繰り返しになりますが、相手が批難されることやっているからといって、こちらが批難されることをしても良いというわけではなく、また、批難が相殺されるわけではありません。簡単に言えば、「お前に言われたくない」は通用しないってことです。


捕鯨関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/hogei.html
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帝銀事件の平沢元死刑囚、脳に病変 解析結果の論文発表

以下、メモ。

http://www.asahi.com/national/update/0121/TKY200801210481.html
 60年前に起きた帝銀事件の故平沢貞通・元死刑囚の脳に、狂犬病ワクチンの副作用で神経細胞が壊死(えし)した痕跡が残っていたことがわかった。平沢氏の脳を解析した池田研二・元東京都精神医学総合研究所精神疾患研究系長が、論文を発表した。死刑判決確定の決め手の一つとなった精神鑑定では、平沢氏は「平素の状態と大差のない精神状態」だったとされたが、脳には虚言などの性格変化を起こす病変があったことが確実になった。

 帝銀事件は物証が乏しく、平沢氏の取り調べ時の自白が有力な証拠となり、55年に死刑判決が確定した。しかし、死刑は執行されず、平沢氏は87年に95歳で獄死した。

 平沢氏は30代に狂犬病の予防注射により脳脊髄(せきずい)炎を起こし、その後、物忘れが激しくなったり、作り話をしたりするなどの症状があったとされる。そのため、公判でも自白の信用性が争点になった。

 池田氏は、脳脊髄炎の痕跡があるかどうかを詳しく調べた。薄く切った脳の組織を顕微鏡で見て、脳の場所ごとに病気の痕跡を探した。高齢や、他の病気に伴う脳の変化と厳密に区別するため、80〜90代の14人の脳と詳細に比べた。

 その結果、狂犬病ワクチンによる脳脊髄炎の後遺症と推定される病変が見つかった。強い病変は脳の内部の「側脳室」と呼ばれる領域の周辺にあり、神経細胞を守る「ミエリン」と呼ばれるさやがなくなり、神経細胞そのものが死んだ跡もあった。

 病変の状態から、認知症にはいたらなかったが、性格変化をもたらしたと結論付けた。他の14人の脳も含め、老化や、それに伴う血管変化が原因と考えられる脳の変化とは異なっていた。

 池田氏は「病変が見つかったのは、狂犬病ワクチンによる脳脊髄炎でおかされやすい場所。いまならMRI(磁気共鳴断層撮影)などの検査で見つかるだろう」と話す。

 解析結果は昨年末、学術論文集「精神医学の方位」(中山書店)で発表した。

 「平素の状態と大差のない精神状態」とした故内村祐之・東京大教授らの精神鑑定には、平沢氏の生前から、内村氏の弟子の故白木博次・東京大教授、故秋元波留夫・東京大教授らが異議を唱え、「脳に病変が残っているはず」としていた。

 平沢氏の遺体は87年に東京大に「献体」として運ばれ、脳は薬品処理され、保存された。98年に東京大から遺族に返還され、白木氏らが池田氏に解析を依頼していた。

●「判決見直しを」

 再審請求審弁護人の荒木伸怡弁護士(立教大教授)の話

 論文は、平沢氏の捜査段階の自白に信用性がないことを示す一つの根拠になる。事件に使われたのが無機の青酸化合物なのか旧日本軍の特殊部隊が使っていた有機の青酸化合物なのか▽「金に困ってやった」という動機が本当なのか――などのポイントと合わせて、平沢氏に死刑を言い渡した確定判決を総合的に見直す必要がある。 /span>
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2008年01月21日

最初から信用している人なんて余りいないだろうけど

http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-21X876.html
 放送界の自主チェック機関である放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は21日、7月にフジテレビ系で放送された「27時間テレビ」で放送倫理違反があったと認定する「意見」を発表した。コーナーは「スピリチュアルカウンセラー」を名乗るタレントの江原啓之氏が、東北地方在住の美容室経営の女性を「霊視」し、アドバイスなどをする内容。同委は、裏付けなく美容室を「経営難」と断定し、女性本人の了解を得ないで「カウンセリング」を受けさせたことを問題視。「『スピリチュアルカウンセリング』なるものを面白く見せるため、一方的に出演させた人の生活状況を十分な裏付けも取らずおとしめた」と指摘した。

 さらに、「面白さを求めて『スピリチュアルカウンセリング』をPRするような構成・演出は避けるべきだ」として、霊視や占いを安易に取り上げることにも警鐘を鳴らした。同局には3カ月以内に改善策などの提出を求めている。

 フジテレビは「ご迷惑をお掛けしたことを改めておわび申し上げる」とコメントした。 
『スピリチュアルカウンセリング』なるものを面白く見せるため、一方的に出演させた人の生活状況を十分な裏付けも取らずおとしめた
本当に「霊視」とかいうのができるなら、生活状況の十分な裏付けを取る必要なんてなく、即興で判定できるはずだけどなwwwwwwwwww

今週の週刊現代だったかな、江原が生きている人を「霊視」したとか書いてありました。まあ、そもそも最初から信用している人なんて余りいないだろうけど、以下のようなこともあったそうだから困ったもんです。
http://pepeneta.blog78.fc2.com/blog-entry-435.html
9日午前2時45分ごろ、埼玉県川越市通町の11階建てマンションの敷地内で、このマンションに住む同市立中2年の男子生徒(14)が倒れているのを主婦(50)が発見し通報した。
男子生徒は外傷性ショックで死亡した。
川越署は、男子生徒が10階の踊り場から飛び降りて自殺を図ったとみて動機などを調べている。

調べでは、男子生徒の部屋の机上に遺書のようなメモがあった。
霊界の話を紹介するテレビ番組を家族と見たことに触れて「絶対におれは生まれ変わる。
もっとできる人間になってくる。家族のみんな忘れないでいて。必ず会いに来る。ホントにゴメン サヨナラ」と書かれていた。生徒はバスケットボール部に所属し、レギュラーを外されたことにショックを受けていた様子だったという。
両親にいじめの相談をしたことはなく、8日も変わった様子はなかったという。
 ちょうど先日戴いたコメントで、「情報バラエティ番組」について話が及び、その中で私はこの問題の解決は個人意識における民主主義革命により、「情報で遊ぶ」ことをやめる、ないしは「この情報は事実関係を遊び心で加工したものだから、真に受けるべきではない」とメリハリをつけるか、どっちかでしょうと書きました。この場合は、江原はオカルトバラエティ番組の人ですが、テレビ番組を視聴する際において求められる視聴姿勢というのは、やはり共通するものがあるでしょうね。

 それとは別に、江原の墓穴堀を今後も楽しみにしています。
世間でも、江原のことを「スピリチュアルカウンセラー」と認識している人より、「ピエロ」と認識している人の方が多いんじゃないかと思いますが、本人は気づいているのかな?

 ちなみに、私は江原の出演する番組大好きですよ。
マジ顔で「霊が見える」と言っている姿、面白くって仕方ない。
まあ、本当に暇なときしか見ないですけど。消滅やテレビ界を追放されない程度に墓穴を掘り続けてほしいものです。
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給油貢納

http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/CO2008011901000559.html
 新テロ対策特別措置法に基づく海上自衛隊のインド洋での給油活動について、日本政府が要求した使途の検証の明文化を米政府が拒み、給油に関する取り決め文書である日米の交換公文に盛り込まれないことが19日、分かった。米側は「作戦行動に影響を及ぼし、現場の負担になる。決して受け入れられない」とはねつけた。日米関係筋が明らかにした。燃料の使途限定が有名無実になるとの批判が出そうだ。
燃料の使途限定が有名無実になるとの批判が出そうだ
そもそもアメリカは、使途を限定する気なんて無いわけで。

http://www.shikoku-np.co.jp/national/main/article.aspx?id=20080104000024
 米政府が新テロ対策特別措置法案の1月成立を前提に、海上自衛隊によるインド洋での給油対象について、テロリスト海上阻止活動に参加の艦船に限定する日本の条件の明文化を拒否していることが分かった。米側は給油に関する取り決めの交換公文をめぐる調整で「活動の制約は絶対に受け入れられない」と伝達した。複数の日米関係筋が3日、明らかにした。

 政府、与党は活動再開の根拠となる同法案を憲法規定に基づき、1月中旬に衆院で再議決し成立させる方針。米側の強硬な姿勢を受け、日本側は条件の明示を断念せざるを得ない状況だ。

 日本側は「明示しないことが米側の自由な使用にはつながらない」(政府筋)とみているが、提供燃料のイラク戦争転用疑惑が日本国内で問題化した経緯もあり、来週の再開国会で論議を呼びそうだ。
 アメリカにしてみれば、もらったもんをどう使おうと勝手だけど、日本にしてみれば、名目を定めて譲渡したものを名目外に使われるのは、よくない。
 にもかかわらず、給油を継続するとは、日本の対米追従ぶりが良く分かりますな。

 しかしまあ、日本は憲法解釈を捻じ曲げてまでアメリカへラブコールをしているのに、つれないねぇ。散々貢いで切り捨てられるのが目に見えるよ。
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2008年01月20日

実利優先主義的理論のすすめ

近頃、本来的な私の専門分野ではないものの、法律関係、とくに刑法と刑罰に関しての記事を頻繁に書いていることは、ご覧の通りだと思います。

私の刑法関連記事をご覧になればお分かりいただけるかと思いますが、殆どが、刑事被告人が本来認められるべき権利すらも否定する、ちょうど所謂「人権屋」と対照をなす、私の造語で言うところの「感情屋」の方々の言説を採集し、その論理を洗い出し、反論する記事であります(「感情屋」にとっては、私は「人権屋」にしか見えないでしょう)。

私はこれらの記事における「感情屋への反論」、つまり「刑事被告人の権利擁護」の言説は、基本的に実利優先主義、特に「被告の法的権利を擁護することは結果として被害者や社会(「第三者」)の利益にもなる」という立場で書いています。チュチェ97(2008)年1月13日づけ刑法:安易な厳罰化についてや、チュチェ96年10月8日づけ裁判:署名で罪が決まるときも、この立場で書いているつもりですし、そもそも裁判というものも「被告に裁判を受ける権利を保障し、裁判の場において持論を言わせる権利を保障することによって、なぜこういう事件がおきたのかを本人の言い分を含めて分析し、後の社会構築に役立てる」ために行うという、実利優先主義的な捉え方をしています(ときどき、近代刑事裁判における被告人の権利保障を「被告に情をかけている」と批判する感情屋が居ますが、私にしてみれば、頓珍漢な批判もいいところです)。また、今現在、意見形成中の「死刑制度」についても、この実利優先主義の立場から考えております(死刑制度についての持論については、またの機会に書きたいと思っています)。

更に言えば、司法関係のシリーズ記事についで頻繁に更新している改憲派論理研究を始めとする憲法9条関係の記事においても、「9条は自衛隊に対する歯止めであり最高の文民統制」論や「対米追従が酷い現状での改憲は自衛隊を専守防衛の戦力と法的に定義づけることにとどまらず、対米追従を深化させる。改憲するにしても対米自立してから。」という実利優先主義というか、それなりに現実路線の護憲論を軸に展開しています。


ではなぜ、私がこのように実利優先主義的な言動を取るのかと申しますと、刑法論議における「被告の権利のあり方」や、憲法論議における「9条の扱い」というのは、往々にして感情的・観念的・理想主義的な話になってしまい、結果として「キレイゴト」という一言で膠着状態になってしまうからです。


感情的・観念的・理想主義的な話というのは、突き詰めると価値観です。価値観と価値観をぶつけても何の解決にもなりません。価値観の説教というのは、その説教の根底にある思想に価値を感じない人にとっては煩いお経・念仏に過ぎません。

改憲派のなかには、「9条の理想」の価値を高く評価し、自身の護憲論の中心に据えている、所謂「社民党系の護憲派」を「念仏平和主義」と揶揄する者が居ます。曰く、「『平和は大切』と繰り返し言っていても『平和』にはならない。非現実的だ。」とのことです。私は護憲派ながら、この改憲派の方の言説には異論は無く、ある程度の軍事力は必要であるという認識は以前から憲法関係の記事で繰り返し主張してきていますが、この手の主張を繰り広げる広義の「護憲派同志」の方々に対して「あんたの言っていることは念仏平和主義だ」と罵倒したことはありません。なぜなら、私も「9条の理想」の価値は高く評価しているものの、現実的にそれで通用するかというと、ぶっちゃけ現状では無理だろ、という認識から仕方なく、ある程度の軍事力を認めているためです。

つまり、現実への認識は同じにもかかわらず、このように私と改憲派の方々の実際の言動は異なるというのは、結局、所謂「社民党系護憲派」が「9条の理想」ばかりを語るがゆえに、「9条の理想」などに価値観を感じない改憲派から、こういう揶揄がされているわけです。

「被告人の権利」に関してもそうです。「人権屋」という言葉を使う人にとって、被告人はただの処罰の対象であり、場合によっては抹殺の対象です。「被告人の権利」を保障することに価値を感じていません。だからこそ、「被告人の権利」を保障しながら進める近代裁判制度に対しての、あそこまでの無理解、中学校社会科と高校公民科、法律関係の入門書籍を数冊しか読んでいない、それこそ、生粋の「庶民」でしかない私ですら、その論理に対して反論できてしまう程度の認識がまかり通っているのです。

こういう人たちに対して、いくら「被告人の権利保障」の重要性を説いたところで、彼らにとっては価値と感じない価値観に基づく言説であるがために、「キレイゴト」にしか聞こえないわけです。


だからこそ、私は実利優先主義的立場から主張しています。特に第三者の利益や現実的な問題と利益に立脚して主張することによって、価値観vs価値観の闘争から脱却しようと画策しています。

私は、理論と観念的価値観(感情含む)は、理論のほうが強いと思ってまいます。たしかに感情は理論と違って論破されませんが、「理論」(特に実利優先主義的理論)と「対案の要求」を組み合わせて迫れば、消去法的ではありますが、結局、理論的なものを選択せざるを得ないと思っています。


とまあ、チュチェ97年1月13日づけ刑法:安易な厳罰化についてへお寄せいただいたコメントへの返信を考えたついでに、私のスタンスについてまとめてみました。今後も、この立場から考えたいと思っています。今後とも、当ブログをよろしくお願いいたします。


司法関係記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html

改憲派論理研究記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/kaikenha-ronri.html
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戴いたコメントへ返信しました

以下4記事に対して戴いたコメントへの返信を完了させました。


「大阪府知事選に橋下が出馬の意向」(「hashinoshita」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/72469047.html

「福岡3児死亡事故:判決とメディア報道」(「天性の庇護者」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/77320224.html

「光市事件:『「光市事件」 報道を検証する会』などがBPOに申し立て」(「Joker」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/78076624.html

「刑法:安易な厳罰化について」(「ニュースコープ」さん、「akikan」さん)
http://s19171107.seesaa.net/article/78224564.html
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