法務省は、3人の死刑を1日午前に執行したと発表した。鳩山法相の下では昨年12月7日の3人に次いで2回目の執行。前任の長勢法相の就任後、執行の間隔は短縮する傾向にあり、93年に、一時期止まっていた執行が再開されて以降、例がないペースで執行が進められている。昨年12月18日の国連総会で死刑執行停止を求める決議がほぼダブルスコアで採択されました(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-12-20/2007122007_02_0.html)。ちなみ反対したのは日本のほかに米中朝といった、アレな国々なんですけど。
法務省によると、執行の対象になったのは持田孝死刑囚(65)、名古圭志死刑囚(37)、松原正彦死刑囚(63)の3人。持田死刑囚は東京拘置所で、名古死刑囚は福岡拘置所で、松原死刑囚は大阪拘置所で執行された。近年の厳罰化の流れの中で、確定死刑囚の数が100人を上回る状況が続いている。今回の執行後の生存死刑囚の数は104人となった。
発表された犯罪事実やそれぞれの確定判決などによると、持田死刑囚は、89年、強姦(ごうかん)した被害者の女性が警察に届け出たことを恨み、服役後の97年に東京都江東区でこの女性(当時44)を刺殺。現金などを奪った。被害者が1人であることなどから、一審判決は無期懲役だったが、二審が破棄して死刑とした。
名古死刑囚は鹿児島県の徳之島で02年、兄の妻(当時40)と長女(同17)を包丁で殺害するなどした。松原死刑囚は、88年に徳島県で女性(当時61)の首を絞めて殺害し、現金を奪った。逃亡中にも愛知県の住宅に侵入して女性(当時44)を殺害し、現金を奪った。
鳩山法相の就任以来、約5カ月間での執行人数は計6人。前任の長勢法相の下では約4カ月ごとに3回の執行があったが、鳩山法相はこれを上回るペースで死刑執行命令書に署名している。
日本は当然、そんなのは無視し、今日も「死刑は国民に支持されている」なんて国会で言っちゃったりしています。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008020100924
鳩山邦夫法相は1日午後の参院予算委員会で、国連が昨年12月に死刑執行の停止を求める決議を採択したことに関し「それぞれの国に考え方や世論がある。わが国は凶悪犯罪に厳しく当たるべきだというのが世論の大勢だ」と述べ、死刑制度は国民に支持されているとの認識を示した。社民党の福島瑞穂党首への答弁。捕鯨についてもそうなんですが、どうも日本ってのは、何か(それも結構どうでもいいこと)を外国から反対されると意地になる習性があるようです。
死刑に関して言えば、特に昔は国会閉会中にこっそりとやってたのに、国会の真っ最中に3人も吊っちゃったりして、如何見ても意地になってますよ。
また、上記の鳩山法相の「国民が支持しているから死刑を存置している」とか、検察官による死刑求刑のときに良く聞く「被害者感情も考慮すると死刑相当」など、どうも死刑を運用している人・したがっている人たちは、自論の根拠付けに他人を利用しているように見えるんですよね。「死刑には犯罪抑止力があります」とか、そういう実利面を根拠にしたり、あるいは正直に「死刑が好きです 悪い奴は嫌いなので死んでほしい」と言えばいいのに。
私自身は、以前から死刑関係の記事で書いてきているように、死刑制度に対する明確な意見はまだ形成していないんですが、他人の感情を自論の根拠付けにしている死刑存置論には、どうも賛同しきれないところがあります。
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