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2008年04月06日

「連帯」という名の自己満足

 北京オリンピックの聖火リレーが始まりました。遠く欧州では、昨今のチベット情勢に絡んで、以下のような動きが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080406-00000066-mai-int
北京五輪の聖火リレーが6日、国外訪問地4番目のロンドンで行われた。約50キロのコースを約80人が交代で走った。途中、チベットの暴動をめぐり中国の対応を批判するチベット支援グループとみられる男性が聖火を奪い取ろうとする騒ぎも。リレー妨害で計15人が警察に逮捕された。沿道には約8万人の見物人が集まり、在英チベット人グループなどが中国政府非難のデモを繰り広げた。

 この日のリレーは季節はずれの雪が降りしきる中で始まった。ロンドン警視庁は警官2000人を動員し、聖火通過コース一帯に厳戒態勢を敷いた。警備費は約2億円に上ったという。国際人権団体「フリー・チベット・キャンペーン」は欧州各国の支持者に呼びかけ、集まった数百人が「中国のチベット自治区弾圧」に抗議した。

 傅瑩・駐英中国大使は大英博物館近くでリレー走者を務める予定だったが、混乱を避けるため市内チャイナ・タウンにコース変更。在英中国人学生ら約100人は北京五輪成功を訴えるデモを行った。

 ロンドンの聖火走者の一人に指名された障害者の喜劇女優はチベット問題に抗議し、参加を辞退した。聖火リレーは7日、パリで行われる。「国境なき記者団」などが抗議活動を計画している。
 一方、ガチのチベット人の代表とされるダライ・ラマの動き。
http://www.excite.co.jp/News/world/20080406214634/Kyodo_OT_CO2008040601000557.html
 チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は6日、すべてのチベット人に向けた声明を発表し、北京五輪について「開催を支持するとした最初の立場は変わっていない」と強調、五輪への妨害行為をしないよう求めた。チベット暴動については、非暴力を貫くよう強く訴えた。多数の死傷者、拘束者が出たことに悲しみと懸念を示し、命を落としたチベット人、中国人に祈りをささげるとした。
 ガチのチベット人がオリンピックへの妨害行為をしないよう求めているにもかかわらず、遠く欧州の「チベットに連帯している」方々が、妨害行為をしております。
 なんちゅうか、頼んでもいないことを自称支援者が当事者の名の下に勝手にやらかすという点では、ちょうど死刑制度に関して、存置派による「被害者のために被告を死刑に!」という言説と似たようなものを感じるのは私だけですか。

 何かに連帯することは結構ですが、少なくとも、連帯者は部外者なんですから、当事者が何を求めており、何を求めていないのかを踏まえ、当事者の主張の範囲内で活動しなくてはなりません。部外者の勝手な想像で「当事者は求めているに違いない」として、当事者の名の下に頼んでもいないことを「代行」するのは、大きなお世話ですし、そもそも、北京オリンピックを妨害したりボイコットしたところでチベットにおける諸問題は全く解決しません。精々、中共体制崩壊/チベット自主化後、「あのとき俺たちは北京オリンピックに抗議したぜ 俺たちは正しかったマンセー」という自己満足が関の山で、全くの第三者からすれば「だから何だよwwwお前の活躍で中共体制崩壊/チベット自主化したわけじゃねーだろwwwww」としか思いません。

 また、はっきり言って、こういう部外者の勝手な想像に基づくお節介は、中共の「チベットに対する政教一致体制からの解放のための進駐」と発想の根としては同一です。
posted by s19171107 at 23:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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