>>> 被害者遺族に警官威圧「検事と刑事の違いもわからないのか」http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200901250255.html
1月26日1時28分配信 読売新聞
山梨県北杜市須玉町大蔵のアパートで2008年12月、近くの飯田教典さん(61)が死亡した事件について、飯田さんの長女が北杜署に問い合わせた際、署員から威圧的な対応をされたとして、遺族が山梨県警に抗議していたことが分かった。
県警監察課は25日、遺族感情を傷つけたとして遺族に謝罪した。
県警によると、長女は、08年12月に始まった被害者参加制度を利用して、公判へ参加したい意向を示しており、事件の容疑者が殺人罪でなく傷害致死罪で起訴された理由などについて問い合わせるため、17日に同署を訪れた。その際に対応した署員が「検事と刑事の違いもわからないのか」などと威圧的に発言し、長女はショックを受けたという。
泣きながら帰ってきた長女から事情を聞いた長男が18日、「もう少し優しく対応できないのか」などとメールで県警に苦情を申し立てた。これを受け、県警監察課は事実関係を確認し、長女と長男に謝罪したという。
北杜署の古屋正人次長は、「遺族がショックを受けているのなら、申し訳ない。誤解のないよう遺族感情に配慮していきたい」と話している。
最終更新:1月26日1時28分 <<<
>>> 警官、被害者遺族ののしる 山梨県警が抗議受け謝罪 '09/1/25http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/01/26/3.html
昨年十二月、山梨県北杜市の飯田教典いいだ・のりすけさん=当時(61)=が暴行され死亡、男女五人が傷害致死罪で起訴された事件をめぐり、傷害致死罪の適用に納得のいかない飯田さんの長女(31)が北杜署に事件の説明を求めた際、署員から「何が納得できないんだ」などとののしられていたことが二十五日、分かった。
長女は昨年十二月に始まった「被害者参加制度」を利用して刑事裁判に出廷し意見陳述する意向を持っており、公判前に事件の説明を受けようとした。長女の兄(34)が県警に抗議。県警は発言の事実を認め、遺族に謝罪した。
長女によると、今月十七日に北杜署を訪れ、刑事課の署員に「殺人罪が適用されないことは納得できない」と伝えると、署員は「何が納得できないんだ。殺意がないから殺人じゃない。警察は検事の言う通りに動いているんだ」と強い口調でののしった。
また署員は「刑事と検事の違いが分かっているのか」と尋ね、長女が「分からない」と答えると「話にならない」と威圧的に話したという。
兄は「被害者なのにこんな対応をされるとは思っておらず、警察に裏切られた気分だ」と話した。北杜署の古屋正人ふるや・まさひと次長は「言葉遣いなどに配慮が足りなかったかもしれない。反省している」としている。
飯田さんは昨年十二月、知り合いの男女五人から暴行を受け死亡。甲府地検は傷害致死罪で五人を起訴した。 <<<
>>> 2009年01月26日(月)まず本件を「まとめて」みたいと思います。私としましては、本件は、31にもなって検察管轄事務と警察管轄事務の区別、起訴独占主義(「専門用語だ!」という批判もあるかもしれませんが、高校公民科の資料集にはちゃんと載っています)も知らないような非常識な人間が、本来は検察に対して要求すべきもの(「事件の容疑者が殺人罪でなく傷害致死罪で起訴された理由」の説明:読売配信記事)を警察に対して要求したため、当然、相手にされなかったが、しつこくお門違いの要求をした結果、ついに警官が語気を強くした(「刑事と検事の違いが分かっているのか」:中国新聞配信記事)ところ、今度は兄が出てきて「被害者に対してその口の聞き方はなんだ!」と世のクレーマーも真っ青な逆ギレをした事案であることを明らかにしておかなくてはならないと思います。
「遺族侮辱」で県警謝罪 北杜・集団暴行死
事実関係調査へ聞き取り
北杜市須玉町の集合住宅で集団暴行され死亡した男性の遺族が、北杜署員からののしられたとして県警に抗議した問題で、県警は25日、事件で亡くなった飯田教典さん=当時(61)=の長女(31)に「嫌な思いをさせて申し訳ない」と謝罪し、再発防止に取り組む考えを示した。また、遺族を侮辱する発言があったとされる当日の状況について聞き取りを行った。一方、北杜署の古屋正人次長は「謝罪は県警本部の判断で行ったこと。ショックを与えるような発言はなかったと思う」と話していて、対応に食い違いを見せている。
遺族の話や県警関係者によると、25日は県警本部の監察官と監察課の職員が県内の長女の自宅を訪問。2人は「今回のことは大変申し訳ない。傷つけてしまったことは取り返しがつかないが、再発防止のため全職員への指導を徹底する」と頭を下げた。
発言した署員については「本人も不快感を与えたならば直接謝罪したいと話している。希望があれば、本人からも謝罪させる」などと説明。18日に抗議してから23日まで遺族への対応がなかったことについて「調査に時間がかかってしまった」とした。
同課は発言の有無を含め、事実関係を調べていて、この日の訪問では署員の対応について長女から聞き取りを行ったほか、事件に至るまでの経緯の一部を説明した。長女は「発言の事実を認めた上での謝罪ではなく、引き続き誠実な対応を期待したい」と話している。 <<<
このような視点から本件を見ると、本件から重大且つ深刻な問題が見えて来ます。すなわち、「被害者」という肩書きが、自分が「無知」であることを棚に上げて真っ当な批判を押しつぶし、更に全く失当な言説を押し通すための武器として利用され、そして、このような殆どクレーマーのような人物の圧力に負けて警察がホイホイ謝罪してしまった、つまり、「被害者」という肩書きを利用したメチャクチャな要求が通用するという前例を作ってしまったということです。
「被害者」という肩書きさえあれば、たとえ「無知」であっても逆にそれが「力」となる「被害者」万能の世界。このような情勢が、昨今の日本社会に蔓延している「少しでも被害者の言い分に疑問を挟んだり、加害者の言い分に理解を示したら、そいつは犯罪者の味方/死刑廃止論者」というメチャクチャなレッテル貼りの風潮と重なれば、いよいよ誰も被害者に意見できなるでしょう。
本件は、いよいよ恐ろしい時代が始まったことを示す決して見逃せない一件であると言えると思います。果たしてどれ程の人が「遺族感情を傷つけた」「犯罪者の味方」と罵声を浴びせられてもなお、冷静な視点を貫きとおせるでしょうか。
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