>>> ソフトバンク:採用基準に携帯契約取れば評価 厚労省が調査下記、朝日報道によると、27日づけで撤回したようです。
携帯電話大手「ソフトバンク」(東京都港区)グループの通信3社が、10年春の採用に応募している大学生らに、携帯電話の契約獲得実績を採用の可否の判断基準にする方針を伝えていたことが分かった。内定すら出していない就職希望者に賃金を払わないまま「営業活動」を求めていると受け取られかねない異例の選考方法で、厚生労働省は労働基準法に抵触する可能性もあるとみて事実関係を調査している。【工藤哲】
ソフトバンクによると、ソフトバンクモバイル、ソフトバンクBB、ソフトバンクテレコムの3社は、営業・企画職や販売職で10年春の採用に応募した学生を対象に「特別面接枠」を設置。筆記と面接に加え「営業力」を選考基準としている。
特別枠に応募した学生には特設ホームページのアドレスを教え、専用のIDを交付。学生の営業で新規申し込みや他社からの変更契約に応じた顧客が学生からIDを教わり、契約の事実や名前を会社側に伝える。4月12日までに契約を終え26日までに利用が開始された場合、学生の実績として評価対象になる。会社側はこの実績を判断基準の一つとし、4月下旬以降に行われる特別面接に呼ぶ学生を選考するという。
3社は応募した学生に電子メールで選考方法を伝えたが、一部の学生らから「学生にソフトバンクグループが経済的な利益を得るような活動をやらせるというのは問題なのではないか」と疑問視する声が上がっている。
厚労省には応募した学生から情報が寄せられており、担当者は「内定前からこうした条件を定める例は聞いたことがない。法的に問題があるかどうかも含め事実関係を調査している」と話している。
これに対し、ソフトバンク広報室は「必要な営業力をアピールしてもらうためのもの。多く契約が取れたからといって、すぐに採用するというものではなく、問題はないと思う」と話している。
毎日新聞 2009年3月24日 東京夕刊 <<<
http://www.asahi.com/national/update/0327/TKY200903270437.html
>>> ソフトバンク、入社希望者の紹介販売考慮を中止それにしてもここまで形振り構わず堂々とやらかすとなると、なんかある意味「感心」してしまいますねえ。
2009年3月27日20時21分
ソフトバンクグループの通信3社が、携帯電話の紹介販売の実績で入社希望者の採用を決める特別枠を設けていた問題で、3社は27日、販売実績を基準にすることはやめると応募者に通知した。入社希望者を実質的に営業に使う行為だとして学生らから批判があがり、厚生労働省が調査していた。
ソフトバンクモバイルなど3社は10年春の採用活動で、「営業力をアピールしたい学生を採用する」として、販売実績で採用を判断する「特別採用コース」を設け、17日に応募者に伝えた。希望者は知人らに同社の携帯電話を販売し、売り方の工夫などをまとめたリポートを提出。知人らには特設サイトを通じて購入してもらい、ソフトバンク側が紹介者を把握する仕組みだった。
「特別採用コース」では、販売活動はさせずに、効果的な販売方法を提案するリポートと面談で採否を決める方式に変える。ソフトバンク広報は「学生らに不安を与えたため」と理由を説明している。 <<<
まあ、企業の視点からすれば、そりゃ営業に長けている人を採用したい気持ちは分かります。しかし、それにしてもこのやり方は問題なんじゃないかと。そんなに「営業力」を測りたいのなら、代々木公園あたりで応募者全員参加のフリーマーケットでもやらせたらどうですか。もちろん収益は本人の懐へ。そうすれば「学生にソフトバンクグループが経済的な利益を得るような活動をやらせるというのは問題なのではないか」というような批判が沸き起こることも無かったのではないかと思う次第です。
というかそれ以前に、こういうのが罷り通るとなると、いくら「特別枠」すなわち、おそらく「一般枠」が別にあるであろうにしても、いよいよ大学の「就職予備校」化に拍車がかかるように思えます。本件は「労働問題」として厚生労働省が動いたようですが、文部科学省も感心を向けたほうが良いと思われます。