当ブログは移転しました。詳細はこちらに掲載してありますので、ご参照ください。

2009年10月29日

「注目の2裁判」について

 別に大して重要ではないはずなんですが、なんだか「注目の裁判」になってしまっている、酒井法子さんの裁判と押尾学氏の裁判について、簡単に触れておきたいと思います。


 まず、酒井さんの裁判について。既に報じられているように、初公判において酒井さんは、今後について「介護の仕事がしたい」と発言しましたが、これに対して、たとえば「芸能界復帰への布石だ!」とか「心象を良くするための言い逃れだ!」といったような「批判的意見」が目立ちます。しかしながら、なんかどれもこれも、よく読むとイチャモンレベルの論理の飛躍が見られるように思えてなりません。たとえば、以下。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091028-00000010-ykf-ent
>>> のりピー介護資格「心証をよくするためのポーズ」厳しい声も
10月28日16時56分配信 夕刊フジ


 覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪で懲役1年6月を求刑された元女優、酒井法子被告(38)が、介護福祉士の国家資格の取得に向けて年内にも本格的に勉強を始めることが分かった。“アラフォー女子大生”として人生を再出発する可能性も浮上しているが、クスリの誘惑に負けた酒井被告が過酷な介護の仕事ができるのか疑問視する声もある。イバラの道が続きそうだ。

 【イラスト】介護の勉強を勧められた酒井法子被告

 現在、介護福祉士の国家資格を得るには、厚生労働省が指定した養成施設(4年制大学、短大、専門学校)を卒業するか、国家試験に合格するかしなければならない。

 2011年度からは法改正で国家試験のみとなり、受験資格は、3年以上介護業務に従事しているか、福祉系高校卒業のいずれか。

 26日の初公判に情状証人として出廷した前所属事務所「サンミュージック」の相澤正久副社長は一夜明け、酒井被告について「すでに介護の学校を絞り込んでおり、なるべく早く願書を出すつもりです」と明かした。

 通学しなくても、通信教育などで勉強する方法もある。酒井被告の場合、長男(10)の面倒を見るほか、肺がん手術を受けた継母の看病も行わなくてはならないことから、相澤副社長は「在宅で介護の勉強ができ、期間限定で通える学校がいい」などと具体的なプランを挙げている。

 だが、介護福祉士の国家試験は、法律で「禁固刑以上の刑に処され、執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者」は受験資格がないと定められている。

 酒井被告は、実刑判決を受けないとの見方が強いものの、執行猶予が付いても、満了してから2年間は受験資格がないことになる。

 そもそも、介護は、お年寄りや体の不自由な人の生活全般の世話をするハードな仕事。資格を取れば済む話ではない。

 「芸能界で“お姫さま”扱いされ、裕福な家の不良息子と結婚して薬物におぼれてしまった酒井被告にできるのか。裁判官への心証をよくするためのポーズとして資格取得を急ぐのなら、とんでもない話だ」(芸能関係者)

 そんな厳しい声も飛ぶ中、更生への道のりは平坦ではなさそうだ。
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 最後から一つ前の段落の「芸能関係者」なる人物の発言。2文でできている発言ですが、1文目と2文目は、意味の上で断絶があり、直接には連続しないような気がするんですが、なぜかフォロー無しで同じ1セリフとしてまとめられています。もちろん、もしかしたら本当はちゃんとフォローされているのかもしれませんが、そうすると今度は2文をフォロー無しで直結させた夕刊フジ編集部の見識が問われますし、何よりも「裁判官への心証をよくするためのポーズとして資格取得を急ぐのなら」という文を付け加えようとするに至った根拠について何ら言及していない点についても、その見識を疑わざるを得ません。また、yahooニュースのこのほかの本件関連記事のコメ欄においても、類似の構造をもつコメントが多数寄せられており、やはり、この辺を何の疑問も感じずに直結させる人はかなり多いようです。まあコメ欄に対しては、その見識を問う気はありませんがw

 あるいは、以下の記事のように、無理矢理「芸能界復帰の布石」という「考察」を導こうとしている記事もあります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091027-00000047-spn-ent
>>> 「介護勉強したい」は…のりピー芸能界復帰への布石
10月27日7時1分配信 スポニチアネックス

 酒井法子被告(38)の芸能界復帰に向けた動きが始まっていることが26日、分かった。失跡時から酒井被告を支援してきた建設会社会長とサンミュージックの相澤正久副社長(60)が急接近。酒井被告の元担当マネジャーを再び世話役に戻している。

 酒井被告の逮捕時からは決して良好な関係でなかった建設会社会長と相澤氏。それが初公判を前に頻繁に連絡を取り合っている。相澤氏も本紙の取材に「男気のある情け深い人」と関係が深まったことを認めている。

 酒井被告の知人はこの動きを「芸能界復帰を視野に入れたもの」と指摘。酒井被告のために復帰の足固めだけはしてあげたい同会長は、自身にそのノウハウがないため、相澤氏に復帰へのシナリオの相談を始めている。

 この橋渡し役を務めたのが、酒井被告を10年近くにわたって担当した元マネジャーの女性。肺がんで療養中の継母に代わって酒井被告の個人事務所「Nコーポレーション」を管理するなど、酒井被告からも絶大な信頼を寄せられている。酒井被告が解雇された時点で2人は無関係になったはずだが、現在では生活の面倒をみる“世話役”として復帰。入院先から退院した後、同居も始めた。

 酒井被告はこの日の初公判で、今後について「介護の勉強をしたい」と明言。相澤氏に勧められたもので、継母が療養中で歩行も不自由なことから、その思いを持っているのは間違いない。だが「介護」によるイメージアップが復帰への青写真となるのも事実だ。

 今回の事件でサンミュージックが肩代わりしたCMスポンサーなどへの損害賠償額は1億円超とも言われ、それを返済しなければならない。介護の仕事による収入だけでは、その返済も今の生活を続けることも不可能。いずれ芸能界復帰するためのシナリオを、芸能界育ての親と逮捕後の最大の協力者が手を携えてサポートすることで合意した。

 くしくも今回の事件で人気の大きさを実証したことも、2人が芸能界復帰への道筋をつくる要因になった。
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 第5段落。要するに「犯人は男性、あるいは女性」レベル、すなわちまだ何も分からない状況であるにもかかわらず、出自不明の情報を前面に押し出しています。

 酒井さんの反省の一言一言を、論理的に無茶な展開をしようとも、悪いほうに悪いほうに考えようとしていると考えざるを得ない展開です。

 それにしても、酒井さんの一件を見ていると、日本人の勧善懲悪趣味は想像以上に強烈だと言うことを改めて思い知らされます。覚せい剤をはじめとした薬物犯罪は、もちろん薬物濫用が社会に蔓延することを防ぐために何らかの措置を講じなくてはならず、場合によっては刑事事件として扱わなくてはならないにしても、所謂「被害者無き犯罪」であります。にもかかわらず、まるで誰かが理不尽に殺されたかのようなこの騒ぎ。「悪いものは悪い」の一点張りでここまで熱くなれるのは、ある意味たいしたものです。


 押尾学氏の裁判について。こちらは、薬物乱用事件と同時に同室者死亡事故(事件?)が発生しており、もしかしたら「被害者のいる犯罪」になるかもしれません。

 一般に昨今のメディア報道においては、「被害者のいる犯罪」においては、被害者感情・遺族感情に「寄り添う」報道が、本当に被告人が「加害者」なのか分からない段階からされています(まあ、以前にも書きましたが、その「寄り添う」の実態は「置き換え」にすぎず、よってしばしば、本物の被害者・遺族の求めていないことを「代弁」するという現象が起きるわけですが)。

 にもかかわらず本件においては、所謂いつもの「被害者感情・遺族感情に『寄り添う』報道」とはちょっと毛並みが異なるように思います。やはりここは、死亡した女性の死因が、違法薬物の自己意志による摂取であった、すなわち、死亡女性もまた「悪いやつ」であり、「自業自得」であるとから、「寄り添う」ことに些かの躊躇いが生じるのでしょうか。


 多忙ゆえ、深く報道を検証し世論を分析できないのですが、酒井・押尾両氏裁判についての所感を以上に記します。
posted by s19171107 at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月25日

感情的指導者問題/プロセスと結果の両立

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091016-00000004-jct-soci
>>> 岡田監督「もう、二度と出ねえ」 過激インタビューの一部始終
10月16日19時45分配信 J-CASTニュース

 サッカー日本代表チームの岡田武史監督が、試合終了後のテレビインタビューを拒否するという前代未聞の事態が起きた。翌日になって、サッカー協会は、中継局のTBSの番組でのインタビューの質問に「遺憾な部分があった」ことが取材拒否の理由だと説明した。一体どんな中身だったのか。

 岡田監督がインタビューを拒否したのは、2009年10月14日に宮城スタジアムで行われた、国際親善試合の「キリンチャレンジカップ」。この試合で日本代表はトーゴ代表に5-0で圧勝し、岡田監督就任後の通算成績は20勝5敗9分けとなった。試合の中継はTBSが担当。通常ならば、試合終了直後には、監督の「喜びの声」が聞けるものだが、今回の中継では、そうではなかった。

■監督インタビューの権利あったのに拒否される

 試合終了のホイッスルが鳴ってから放送終了までは7分ほど時間があり、試合中にゴールを決めた岡崎慎司選手や本田圭佑選手など4選手が次々にインタビューに応じた。ところが、岡田監督は、試合直後に関係者と握手をしたのを最後に、中継映像で大映しになることはなかった。テレビ局はサッカー中継にあたって、多額の放映権料を支払っており、その契約の中には試合直後の選手と監督にインタビューする権利まで含まれるのが一般的だ。この点でも、インタビュー拒否はサッカー中継としては前代未聞の事態だ。

 主催者のサッカー協会でも、このことを異常事態だと認識したのか、翌10月15日には、スポーツマスコミ各社を集めて事情説明を行った、この場で、松田薫二広報部長は、TBSのサッカー番組での同監督に対する質問について

  「(監督が)遺憾に思っている部分があった」

ことがインタビュー拒否の理由だと説明。具体的には、選手選考に関連する部分が問題視されたことを明かし、

  「選手選考に関わる部分は、監督の専権事項で聖域。岡田監督は確固たる信念を持っており、それを監督に当てた(質問した)」

などと釈明。いわば、「聖域を侵したことが監督の逆鱗に触れた」ということのようだ。では、インタビューは、どのように「聖域を侵した」のか。

 このインタビューは、10月3日深夜(4日未明)TBS系で放送されたサッカー番組「S☆1スパサカ」で行われたもの。当日のラ・テ欄には「岡田監督に今まで聞けなかった話」とあり、インタビューが番組の主な内容であることが分かる。

■「おれには関係ないんだよ。人がどう言おうと」

 インタビューは、番組キャスターの小倉隆史さんが、「聞きたくても聞けなかったこと」というテーマで、視聴者の声を岡田監督にぶつける形で担当。実は監督は、終始不機嫌な様子で受け答えしていた。例えば、「W杯ベスト4に行ける?行けない?」というテーマで、ベスト4に否定的な視聴者のコメントが連続して流れ、100人中81人が「行けない」という結果が画面に映し出されると、岡田監督は

  「いや、人がどう思おうと関係ないから、おれには。おれたちはベスト4に行くし、行けると信じてやってるだけだから」

と、ムッとした様子。小倉さんが「その(視聴者の声の)中には『裏付けがあってのベスト4なのか』という…」と聞こうとすると、岡田監督は、それをさえぎって

  「裏付けって何なの?ドイツがベスト4行く裏付けって何なの?じゃぁ、ブラジルがベスト4行く裏付けって…。過去の実績だったら、それは(ベスト4は)あり得ない。しかし、新しいことにチャレンジするということは裏付けなんて何もない訳だよ。『ベスト4?そんなん無理だよ』って思った瞬間に何も起こらない」

と、一気にまくし立てた。

 さらに、視聴者アンケートで「日本代表に呼んで欲しい選手」として、石川直宏選手などが挙がっていることについては、

  「申し訳ないんだけど、おれには関係ないんだよ。人がどう言おうと。そういうことに左右されないで決めることが代表監督にとって必要な訳で…。人に何を言われようが、自分がいいと思う選手を選んでいかないといけない」

と色をなした。このあたりが、前出の「人事は監督の専権事項」だという点に関連している可能性もありそうだ。

■「三浦知良選手外した理由」に激怒

 最後の質問事項として登場したのが、1998年のフランスW杯選考で「カズ(三浦知良選手)を外した理由」。これまでのやり取りから、小倉キャスターも、これがセンシティブな話題だと察したようで、

  「まぁ、でも、サポーターの方が色々聞きたいかなー、といったところで…」

と、しどろもどろな様子。やはり、この質問は岡田監督の逆鱗に触れたようで、

  「もう二度と出ねえ、この番組」

と苦笑いしながら言い放ったのだ。それでも、小倉キャスターが

  「三浦知良、なんで外したんでしょうか」

と何とか食い下がると、

  「散々98年から、この11年間言って来てるけど、おれは日本代表が勝つためにどうするべきかを考えただけで、それ以外のことは一切考えていない。ただそれだけ。もう1000回以上言ってきた」

と、不快感をあらわにした。小倉キャスターは、

  「すいません、改めてもう…。本当に、企画上、すいません」

と、小さな声で応じるのが精一杯だった。

 いわば、火種は試合の10日以上前には明らかになっていた形で、東京スポーツも10月9日には「『TBS取材拒否』に発展するのではないかと懸念されている」と報じており、これが現実化した形だ。

 もっとも、今回の騒動については、TBS側は「火種は自社の番組にある」とする一方で、サッカー協会側は、質問内容を事前にチェックしなかったことについて「危機管理が不十分だった」だとの立場。両者は歩み寄りを見せている。
<<<
 他人のスポーツについては私はまるで興味が無い(というか他人が運動しているのを見ていても何も面白くない)ので、基本的にスポーツニュースというものは見てこなかったんですが、最近、スポーツ関係者の発言録を見ていると、まあ実に「興味深い」反応を示していてくださることが少なくありません。本件も、そのひとつです。

 長ったらしい記事なので要点を掻い摘むと、10月3日のTBSサッカー番組において、岡田監督の采配に対して批判的な視聴者の意見を同監督にぶつけたところ同監督は不機嫌になり、仕舞いには「もう二度と出ねえ、この番組」と言い、そのおよそ10日後の試合の勝利監督インタビュー(TBS)を拒否した、そしてその理由が件のTBS番組であった、と言うことになると思います。

 こうやってまとめてみると、なんか岡田監督の不満・不機嫌の矛先がどんどんズレて行っているように思うのは気のせいでしょうか。すなわち、10月3日の放送において放映されたのは「視聴者の意見」であるにもかかわらず、なぜか不満・不機嫌の矛先が「番組」に向かい、更に最後にはTBSに向かう。

 まあ、不満や不機嫌、怒りの矛先が、実は適切ではないものの、目の前の分かりやすい対象に向けられると言うのは別に特殊な話ではなく、いつものことですが、それにしてもこういう責任ある立場の人が手前の感情で行動されるというのは困ったものです。まあ、そもそもサッカーがどうなろうと如何でも良いといえばそれまでですが。

 そしてコメ欄も例によって、2種類の困ったさんが沸いています。すなわち、単なるTBS批判(批判と言いうるレベルかは微妙なのも少なくありませんが)と、「がんばっている監督にそんなこというなんて失礼だよ!!!!!」です。

 前者はスルー。こういうのは、チュチェ97年2月17日づけ「誤報のメカニズムと捏造的思考をテレ朝の捏造疑惑騒動から見た」にて取り上げた、「『朝日の捏造』捏造事件」をやった人と同じタイプの人たちですから。

 後者。日本はこういう空気、すなわち、「頑張っている人を批判するのは失礼」、そしてその類似形態である「『頑張ったから』の免罪符」が支配的であることが少なくありません。であるからこそしばしば、ありえないような条件つきの「希望」が、普通にメディアなどで報じられていたりする。たとえばサッカーにしてみれば、もうよく覚えていませんが、日本がどっかと3点差だかで勝って、ブラジルだったかなんだったか、とにかく所謂「強豪国」が、相手に2点差くらいで負ければ「可能性はある」みたいなことを平気でスポーツコーナーで言っていたような記憶があります。

 そして、こういう「頑張っている人を批判するのは失礼」「『頑張ったから』の免罪符」は、しばしば、方向違いの「努力」の事前修正や、あるいは「頑張ったのに負けた」という結構深刻な問題の原因に対する、時に手厳しい追及を弱めてしまう。

 「頑張ること」は、それは大切なことです。しかし、結果もまた同じくらい大切です。「プロセス」と「結果」、両者がそろって初めて物事は評価されるということを理解しなければなりません。
posted by s19171107 at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月24日

「ネット世論」についてのメモ

 遠からず、「ネット世論」に関する私の見解を書こうと思っているのですが、書ききる余裕が今日は無いので、以下、使用予定の材料をメモします。yahooニュースって放っておくとすぐ消えちゃうからね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091023-00000082-jij-pol
>>> 陛下のお言葉見直し「不適切」=参院議運委員長
10月23日14時42分配信 時事通信

 西岡武夫参院議院運営委員長(民主)は23日の同委理事会で、岡田克也外相が国会開会式での天皇陛下のお言葉の在り方の見直しを求めたことについて「極めて不適切な発言だ」と批判した。
 西岡氏はこの後の記者会見で「陛下のお言葉のスタイルについて、私どもが政治的にあれこれ言うことはあってはならないことだ。外相がどういう思いで言ったのか。ちょっと信じがたい」と語った。  .最終更新:10月23日14時42分
<<<
 コメ欄。
>>> 2009年10月23日 14時44分 blu*****さん

私もそう思う15,961点 私はそう思わない1,891点

不適切なんてものじゃなくて、世が世なら切腹ものの暴言。

平成の今でも、議員辞職くらいは当然でしょう。
<<<
>>> 2009年10月23日 14時46分 spi*****さん

私もそう思う14,725点 私はそう思わない1,379点

岡田が天皇陛下のお言葉の在り方の見直しを求めたこと・・・
西岡さん曰く・・・極めて不適切な発言だ・・・と批判した。

私も、全くその通りと思う。

日本を知らない、日本人ではない岡田と思ってしまった!!
<<<
>>> 2009年10月23日 14時46分 jdf*****さん

私もそう思う12,073点 私はそう思わない1,816点

即刻!
外務大臣を解任しろっ!!そして、議員を辞職させろっ!!
そうしないと日本国民が黙ってないぞっ!!
<<<
 賛同ポイントの数値については、後日、変化を反映させることがあります。
posted by s19171107 at 22:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月22日

単純勧懲の自滅

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091015-00000053-mai-pol
>>> <国会対策>やっぱり官僚頼み 質問議員への事前聴取指示
10月15日15時0分配信 毎日新聞

 今月下旬召集予定の臨時国会を前に、平野博文官房長官らが首相官邸に各府省の国会担当の官僚を集め、与野党議員への「質問取り」を指示していたことが15日分かった。【木下訓明】

 自民党政権では、国会答弁資料を作成するために、官僚が事前に与野党議員から質問内容を聞き出す「質問取り」が慣行となり、国会での質疑では多くの閣僚が官僚作成の答弁要領を読み上げる光景がみられた。

 「脱官僚依存」を掲げる民主党は国会論戦も政治主導で進める方針で、小沢一郎幹事長は官僚の国会答弁を禁止する国会法改正案の臨時国会提出を目指している。それに逆行するかのような政府側の対応に自民党からは「言行不一致だ」との声も上がっている。

 平野氏と各府省の国会連絡室担当者の会合は13日昼に行われ、松野頼久、松井孝治両官房副長官も同席した。出席者によると、平野氏は「初めての臨時国会で失敗は許されない。よろしく頼む」と述べ、質問取りを要請。この後、ある省の担当者は自民党幹部に「官邸から質問取りをするよう指示された。近くうかがいます」と電話で伝えた。

 別の担当者は「質問取りを指示された。ただ、小沢幹事長の主張との整合性を考えると、違和感を感じた」と話した。

 民主党は国会改革の一環として、質問取りを政治家である政務官が行うことを検討しているが、従来の慣例から抜けきれない背景には、各府省の政務官(25人)が閣僚、副大臣との政務三役会議などを抱えて多忙なうえ、交渉相手となる自民党との人脈に乏しいという事情もあるようだ。

 臨時国会で自民党は鳩山由紀夫首相の献金虚偽記載問題や政府内で対応が揺れる米軍普天間飛行場移設問題などで民主党を追及する方針。大島理森幹事長は13日の記者会見で「(自公政権時代に)政務官に質問取りをさせようとしたが、『行政職(官僚)が来ないとだめだ』と言ったのは民主党だ。政権を獲得したから(といって)やり切れるのか」と疑問を呈していた。
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 実力が無いくせに「脱官僚」とか「政治主導」などと大風呂敷を広げたら案の定、こんな展開に。更に、単なる「政治主導」ならば良かったのに、やめりゃいいのにいわゆる「公務員バッシング」を「脱官僚」の文脈で使用したがゆえに、なおさら言動不一致が際立つ展開となってしまいました。

 以前より私は、民主党の愛用する「善悪単純二元論に基づく勧善懲悪」は、極めて複雑な現実社会を「善」と「悪」の2つに無理矢理分けるがゆえに、論理は雑にならざるを得ず、よってしばしば、自身の設定した「悪」に自身が引っかかるという痛い展開になると書いてきましたが、まさにそのとおりになってしまいました。

 同様の思考回路を持ついわゆる感情屋の皆様は、こういう場合、ダブルスタンダードを平気でおこなうことは、当ブログを以前よりご覧になり当方と関心分野がかぶっている皆様におかれてもご存知かと思いますが、果たして民主党政権はどういう論理で今回の言動不一致を切り抜けるんでしょうか。
posted by s19171107 at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月15日

「けしからん!!! おわり。」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091015-00000077-jij-bus_all
>>> メール便2000通が未配達=宅配便も19個、社員が自宅に放置−ヤマト運輸
10月15日15時1分配信 時事通信

 ヤマト運輸(東京)は15日、道東主管支店(北海道十勝管内芽室町)管下の事業所に勤める正社員のドライバー(59)が、19個の宅急便と2119通のメール便を配達せず、自宅に放置していたと発表した。同社は8月に神戸市でメール便未配達が発覚したばかり。今回の問題を起こした社員は厳正に処分するとしている。
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091015-00000043-mai-soci
>>> <メール便未配達>ヤマト運輸社員が2119通放置 北海道
10月15日12時50分配信 毎日新聞

 ヤマト運輸(本社・東京都中央区)は15日、北海道・西帯広センターの男性社員(59)が、クロネコメール便2119通、宅急便19個を未配達のまま自宅に放置していたと発表した。

 同社によると、メール便は02年ごろから今年10月に、宅急便は07〜08年に発送された。メール便は03年にリニューアル後、利用が急激に伸びており、社員は「仕事がきつくなり、段々、残すようになった」と説明しているという。利用者から「まだ届かない」と問い合わせがあり、発覚した。

 宅急便は、あて先不明や不在のため配達できなかった分で、男性社員が配達完了の情報をコンピューター端末に入力したため、会社側は未配達に気付かなかったらしい。

 同社は、社員を処分する方針で、再発防止について「社員の適正な業務量を把握したい」としている。【平井桂月】
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 時事通信記事中にもありますが、同社の配達物放置は今年8月にも発生しています。毎日新聞配信記事には、今回の件についての男性社員(59)の言い分として「仕事がきつくなり、段々、残すようになった」というのを掲載していますが、たしか8月の件でも、関係社員は同じようなことを言っていたと思います。

 私はヤマト運輸の内部事情についての詳しい資料は持ち合わせていないのですが、伝え聞くところ、あるいは、同社のライバル事業体である郵便局に所属する配達員が、昨今の低価格競争によってだいぶ疲弊している点から推測するに、だいぶ厳しいものがあるようです。また、似たような事件が、北海道と兵庫という距離のある場所で短期間に連続して発覚したというところを見ても、もちろん断定はしませんが、個人の事情を超える「何か」があるのではないかと思われます。少なくとも、その可能性を検討する必要性はあると思います。

 しかしながら例によってコメ欄上位。いつものご様子です。中位以下になると結構まともなのもあるんだけどねえ。
>>> 2009年10月15日 15時4分kt6*****さん

私もそう思う1,031点 私はそう思わない44点

ヤマト未配達・・・信頼を損なう極めて大問題です。
社員の厳正処分では済まされません・・・損害賠償に値しますな。
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>>> 2009年10月15日 15時3分yuk*****さん

私もそう思う836点 私はそう思わない40点

ありえない。
こんなやつは即刻クビにしてください。
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>>> 2009年10月15日 15時5分mae*****さん

私もそう思う778点 私はそう思わない54点

自分が送り先だったことのことを考えられないのか!
人の立場に立って物事を考えられない哀れな人
<<<
 「けしからん!!! おわり。」。気に入らない民事はクビを切っただけで終わらせ、気に入らない刑事は首をつるしただけで終わらせる。もしかしたら、原因の一端は自分も作っているかもしれないのに。いやはや。

続編記事:チュチェ98(2009)年11月28日「「けしからん!!! おわり。」(2)
posted by s19171107 at 22:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月14日

「組織首脳批判」に対する意外な反応

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091011-00000261-sph-base
>>> 造反リンデン抹消!ノムさん「人間失格」…楽天
10月12日8時0分配信 スポーツ報知

 楽天のトッド・リンデン外野手(29)が11日、首脳陣批判を理由に登録を抹消された。再登録は21日以降で、16日からのCS第1ステージに出場できない異常事態となった。

 「会社の許可を得ずに、私の判断で解雇した。監督侮辱罪というか、人間失格。人間として、組織の中で生きる資格がないと判断した。許すわけにいかない。顔も見たくない」と野村監督は息巻いた。

 事の発端は10日の日本ハム戦(札幌D)。苦手の武田勝が先発することでスタメン落ちした。6点ビハインドの9回2死二塁、代打で登場し、一ゴロに。点差の離れた場面での起用にプライドを傷つけられ、試合後は会見中の野村監督に「アリガトウ」と日本語で叫んだ。「あの意味は皮肉。スタメンを外されたことへの嫌がらせ」とノムさん。関係者によればロッカーを蹴り飛ばすなど、起用法への不満を爆発させていたという。

 リンデンは6月下旬に来日。打率2割9分2厘、12本塁打の数字以上に、闘志むき出しのプレーで快進撃の立役者となった。橋上ヘッド、野村コーチと意見交換したリンデンは「コミュニケーション不全という部分があった。CSに出られないのは残念。すべての人に申し訳ない」と神妙。米田球団代表は「再調整して、状況によってはCS第2ステージ(への出場)もある。帰国はない」とした。
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091013-00000165-jij-spo
>>> 野村監督、リンデンは構想外=プロ野球・楽天
10月13日20時54分配信 時事通信

 楽天の野村監督は13日、出場選手登録抹消中のリンデン外野手に関し、パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)で第2ステージに進んでも戦列に戻す可能性が少ないことを明らかにした。
 リンデンは監督を侮辱する発言があったとして11日に登録を抹消された。第2ステージ開始の21日以降に再登録が可能となるが、野村監督はこの日、「(同選手に)反省の色がない」と語った。
 今季途中から加入したリンデンは、左右両打ちで主に左翼手として73試合に出場して12本塁打、37打点、打率2割9分2厘の成績を残した。
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091012-00000246-sph-base
>>> 首脳陣批判で抹消・リンデンにナインから同情の声…楽天
10月13日8時0分配信 スポーツ報知

 首脳陣批判を理由に11日、登録抹消された楽天のトッド・リンデン外野手(29)が、近日中に球団側と面談を行う。再登録は21日以降となるため、16日からのCS第1ステージには出場できないが、ナインからはリンデンの復権を後押しする声が噴出。野村監督やコーチ陣への謝罪を経て、CS第2ステージから復帰する可能性も出てきた。

 球団関係者によれば、ナインからは「首脳陣批判は許されないが、チームがここまで勝てたのもアイツのおかげ」と同情の声が広まっている。強打はもちろん、むき出しの闘志やファンサービスへの熱心さは、同僚からも称賛されていた。CS第1ステージではリンデンの背番号「3」をヘルメットに記し、「第2ステージでは一緒に戦おう」とのメッセージを贈る計画も浮上している。

 「CSに出られないのは残念。すべての人に申し訳ない」と反省する助っ人。素直に頭を下げて、一から出直すしかない。
<<<
 さて、どっかで見た展開ですねぇ。
 ところがコメ欄のご様子は、アレとは状況に差異があります。
>>> 2009年10月12日 9時3分hiy*****さん

私もそう思う266点 私はそう思わない363点

リンデン選手の言動が「監督批判」なら
ノムさんの数々の言動も「会長批判、オーナー批判」ではなかろうか・・・・

ノムさんがリンデン選手を切るんなら、
三木谷さんもノムさん切りたくなるわ・・・・
<<<
>>> 2009年10月12日 9時8分rau*****さん

私もそう思う94点 私はそう思わない74点

フロント批判を繰り返してる監督が、自分が1回批判されたら「人間失格」って。
ダブルスタンダードじゃないんでしょうか。
<<<
>>> 2009年10月13日 8時19分ero*****さん

私もそう思う253点 私はそう思わない63点

野村監督がリンデンにこういう仕打ちをしたように
楽天幹部が野村監督を退団させたわけで

結局権力者の意向には逆らえないという日本の組織の縮図である
<<<
>>> 2009年10月13日 8時22分may*****さん

私もそう思う203点 私はそう思わない97点

批判を許さないような組織はいずれ崩れます。
<<<
>>> 2009年10月13日 21時0分ric*****さん

私もそう思う288点 私はそう思わない275点

組織の責任者に対する、侮辱行為なんだから、
当然ですね。

普通の会社なら、首も同然!

反省もしていない様なので、
野村監督を支持します。
<<<
>>> 2009年10月13日 21時21分dic*****さん

私もそう思う251点 私はそう思わない322点

自分が気に入らないから球団の許可なく抹消か。
カツノリといい野村は完全に球団を私物化してるね。
<<<
 そもそもアレとニュースジャンルが異なるがゆえに、コメ欄に常駐している方々の顔ぶれが異なるということ、また、アレと比べると賛同ポイント数が2桁少ない点など、単純には比較できませんが、それにしても、ちょっと意外な展開です。ちなみに、最後から1つ前のコメントは、コメント自体はアレのコメ欄と同じ類のものですが、それに対する不賛同投票数が賛同投票数と近いためにご紹介しました。

 この意外な展開は、リンデン外野手と結び付け得る「悪人」が存在しなかったためなのか、あるいは、野村監督が一体化しうるキャラクターではなかったのか、それとも、野村監督は「(正当性の高い)優位」の人として見られていないためなのか。(アレにおける主張を踏まえていますので、なにやら良く分からない方はアレを先にご覧ください)

 あるいは、yahooニュースのコメ欄は極めて特殊な空間、何か組織的な工作があるのか。でも仮にそうだとすると、政治関係なら変なのが組織的に沸くというのは何となく分かるけど、わざわざスポーツニュースに組織的に出没する意味ってあるのかな? そう考えると組織的工作説は、可能性としてはだいぶ低いような。。。

 今日はこれ以上考える暇が無いので、後日改めて取り上げなおしたいと思います。「コメ欄の信用性」という点においても、このニュースはちょっと考える必要がありそうです。
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2009年10月13日

政権交代の思わぬ変化

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091011-00000038-jij-pol
>>> 介護、農林業で雇用創出へ=失業者住宅の拡充検討−政府
10月11日16時30分配信 時事通信

 政府は11日、雇用情勢の急激な悪化に対応するため、介護、農林業、観光などを重点分野とする新たな雇用創出の本格検討に入った。緊急雇用対策本部を今週中に開き、一層の雇用悪化が懸念される年末に向け、追加雇用対策の策定を急ぐ。
 菅直人副総理兼国家戦略担当相は同日、テレビ朝日の番組に出演し、雇用創出が最も期待される介護分野について「(政府の失業者支援事業で)半年、1年研修を受けた人が施設でそのまま正職員として働けるプログラムの準備を始めている」と述べた。また、公共事業の大幅削減のあおりを受ける建設業労働者に対しても、受け皿として「農林業への就労支援をプログラムしたい」と語った。
 さらに、政府高官は同日、観光分野でも雇用創出を図るため、増加が想定されるアジアからの観光客に対応できるように、失業者への中国語研修などを検討課題に挙げた。
 菅副総理はこのほか、派遣切りにあった失業者が住居も失い、社会問題化したことを踏まえ、住宅対策の必要性を強調。公営住宅と企業の社員寮の空き室活用も視野に入れ、検討を急ぐ考えを示した。
<<<
 昨秋の経済危機によって引き起こされた雇用危機は依然厳しいままであります。失業者に対していかに雇用を提供し、その生活をいかに安定させるかという課題は、全面的な解決に至る特効薬は発見されておらず、いまだに色々な方策が議論されています。

 その議論に対して提案された答えのひとつとして、昨年12月頃から今年3月頃まで、失業者の労働力を、介護や農林業といった「人員不足」であるとされている業種に強制的に送り込むことによって、雇用問題と人員不足問題を一挙に解決すべきだという言説が少なくない方々によって主張されました。ちなみに、その案に難色を示すと「仕事を選り好んでいる!ケシカラン!!」と批判されました。

 このような言説に対して私は、1月20日づけ「「仕事を選り好む」必要性」において、自主性のある職業選択こそ効率的生産性には必須であるというチュチェ思想をベースとした認識や、あるいは、不慣れで、情勢が変わればおそらくすぐにでも離職するであろう人間を押し付けられる被介護者や農林業経営者の身にもなれ、という2点から、雇用における緊急避難的な職業押し付けに対しては批判的な立場をとりました。しかしながら、私のような立場を表明する人は、当時の「世論」においてはそれほど多くは無く、やはり前述のように、「仕事を選り好むな!!!」という感情的なモノが多かったように記憶しています。

 それからだいぶ経った先日、前掲のような政策案が政府によって検討されるようになりました。お読みいただければ分かるように、別に目新しいことは無い、昨年12月頃から今年3月頃までによく見られた雇用における緊急避難的な職業押し付けの主張と、まあ「押し付け」は恐らくしないとは思いますが、基本的な発想としてはかなり類似したものであります。

 「世論」におかれましては、ご自分たちが半年から9ヶ月ほど前に提案した「解決策」がやっと政治の場でも議論されるようになったのですから、さぞかしお喜びのことかと思い、例によってコメ欄を拝見させていただきました。ところがびっくり、以下のような展開になっていました。
>>> なんで介護の仕事が失業者なの?。
皆さん、ご自分が介護される側になったら、
仕事がないから、取り合えず介護職についた、って人に介護されたいですか?。
介護を軽く見てる。
<<<
>>> この政府、
「失業すれば、農業でも」という部類か?
農林業を甘く見ているな。
<<<
>>> やりたい事をやれと麻生さんが言っていた。
当時は、現状を判っていないと叩かれていたが、
やっぱり、働くってそういうことなんだと思う。

心から、老人を敬えない人間が介護に来ても、
オムツすら替えられないと思う。
<<<
 うん、それ私が1月に、「世論」、特にコメ欄とは真逆であること承知で、批判コメントが送りつけられるかもしれないことを覚悟の上で書いたことと同じなんだけど。突然どうしちゃったんですかwww あなたがたと私の意見が一致するなんて、明日の沖縄は吹雪ですか?www

 恐らく、アンチ民主党政権な方々が多く集まっているyahooニュースのコメ欄の中の方々におかれましては、鳩山民主党政権が嫌いであるために常にどこかに批判材料が無いかと探しており、よって与党に関するあらゆることを、まず批判的に見る癖がついているんだと思います。で、今回のニュースも例によって批判的に見た。そしたら、かつては自分たちが肯定していた言説のイイカゲンさがやっと分かったんだと思います。私も経験ありますよ。自分が考えていたことと似たようなことを、しばしば意見が対立している人が口にしたので、いつもの癖で批判的に検討したら、その過程で自説の失当性に気づかされたってこと。やっぱり、自分の考えを自分で批判的に検証するのって難しいですからね。

 此度の政権交代については、私は大きな変化はもたらさないという立場であることは以前から繰り返し書いてきました。しかし、yahooニュースのコメ欄に常駐なさっているアンチ民主党な方々が、間接的ではありますがこのように、自身がかつて疑いもせずに肯定的に口にしていた言説を批判的に見るきっかけが、今回の民主党政権樹立によってもたらされたのであるとするならば、それはそれで「大きな変化」と言えるかもしれません。
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2009年10月11日

「民主的」な「権威」というか「優位」について

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000621-yom-soci
>>> 橋下知事、批判メールの女性職員に厳重注意
10月8日12時54分配信 読売新聞

 大阪府の橋下徹知事は8日、全職員に一斉送信した知事メールに対し、批判する返信をした保健所勤務の40歳代の女性職員と、上司の所長(管理監督責任)を厳重注意処分にすることを明らかにした。

 橋下知事は1日夜に全職員に送信したメールで、府が約380億円の損失を被った紀の川大堰(和歌山市)事業を巡り、「恐ろしいくらい、(職員の)皆さんは冷静です。民間なら、組織あげて真っ青ですよ!」などと、公金に対する意識の低さを指摘した。

 これに対し、この職員は「このメール配信の意味がわかりません」「文も論理的でなく、それなりの職についている人間の文章とも思えません」と知事に返信。「愚痴はご自身のブログ等で行ってください」「(この)メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしている」などと記した。

 橋下知事は府庁で報道陣に対し、「上司に対する物言いとして非常識。民間ならあり得ない」と怒りをぶちまけ、「府民の代表に物を言っている自覚が足りない。どこかでけじめをつけなければいけない」と、処分の理由を説明した。

最終更新:10月8日12時54分
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091008-00000051-mai-soci
>>> <橋下知事>メールで反論の大阪府職員を処分へ
10月8日12時33分配信 毎日新聞

 大阪府の橋下徹知事は8日、知事へのメールの中で「愚痴はブログ等で行って下さい」などと表現した技師級職員を、口頭で厳重注意処分する考えを示した。今後、同様の事案が発生した場合は、人事評価に反映させる意向という。

 橋下知事などによると、1日、税金に対する意識の低さを指摘するメールを全職員に送ったところ、この職員から反論があった。職員はメールの中で、「メールを読む(職員の)時間を無駄にしていることを自覚して下さい」などと書き、知事に返信した。

 橋下知事によると、これまでに100人程から知事を「おまえ」呼ばわりするようなメールを受けてきたが、受け流してきた。しかし今回は、民間出身の副知事から「組織として非常識」との意見を受け、メールに対しては初めて処分することを決めた。橋下知事は「意見交換なら分かるが、組織のトップに対するモノの言い方ではない。職員はどう発言すべきか、示すために厳しく対処した」と話した。【福田隆】
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091009-00000054-sph-soci
>>> 橋下府知事ブチ切れた!不遜メール職員に処分
10月9日8時0分配信 スポーツ報知

 大阪府の橋下徹知事(40)が、職員の批判メールが非常識だとしてブチ切れた。知事が1日夜、府幹部の議会答弁を問題視した内容のメールを全職員に送信。これに、40歳代女性職員が「愚痴はご自身のブログ等で行ってください(原文のまま)」とのメールを返信し、知事と職員の間で応酬に。知事は8日、「トップへの物言いとして逸脱している」として、府は同日付で職員を厳重注意した。メールの内容が原因で職員が厳重注意されたのは初めて。

 職員に対してメールアドレスを公開し、批判も含めて様々な意見を歓迎してきた橋下知事が、歯に衣(きぬ)着せぬ職員の批判メールに大激怒した。

 府によると、1日夜、知事が全職員にメール送信。和歌山市の紀ノ川大堰からの利水撤退で府の負担が約380億円に上ったことへの府幹部の議会答弁に、謝罪の気持ちがこもっていなかったと問題視した。「民間の普通の会社なら、組織あげて真っ青ですよ!!」などと税金投入に敏感になるべきと指摘する文面だった。

 これに対し、保健所勤務の40歳代女性職員が2日に「このメール配信の意味がわかりません。愚痴はご自身のブログ等で行ってください。メールを読む時間×全職員の時間を無駄にしていることを自覚してください」と返信。“そんなメール、読むヒマはない”といわんばかりの内容だ。

 さらに「何があっても給料が保障される組織は恐ろしいです…」とした知事の文面にも「こんな感覚を持つ人が知事であることの方が私は恐ろしい…」と反発した。

 これに、知事は敏感に反応。同日夜、同職員に「上司に対する物言いを考えること」「その非常識さを改めること」と注意し「言い分があるのであれば、知事室に来るように」と返信した。すると、5日に職員から「知事室にお呼びとあらば、公務をどけてでもお邪魔いたします」と“応戦”する再返信があった。

 怒りの火に油を注がれた知事は、処分を検討するよう人事担当者に指示。不適切メールを送ったことが府職員として自覚に欠け、服務規律に違反するとして、職員と所属長が厳重注意処分を受けた。職員は深く反省しているという。

 会見で橋下知事は、トップへの態度に問題のある職員が「100人ぐらいはいる」と指摘。知事を「お前」呼ばわりする職員がいるとして「『お前』はダメでしょ」と不満をあらわにし「組織としての体をなしていない」とダメ出しした。

 一方で「物言いが逸脱している」とする今回の措置は処分基準が明確でなく、関係者から「自由に意見ができなくなる」との声も出ており、今後、府庁にぎくしゃくムードが漂いそうだ。
<<<
 久々に「大阪文革」の偉大な領袖であらせられる橋下”主席”について。今回のお怒りは「上司に対する物言い」が「組織として非常識」であるためらしいです。

 なるほど、その言い分は、純粋に論理として考えた場合には妥当であるといえるでしょう。もちろん、スポーツ報知配信記事の末尾にもあるように、処分基準が明確でないという重大な欠陥もあるので、諸手を挙げてマンセーはできませんが。

 しかしながら、発言主体という要素を考慮すれば、これほどのブーメランはありません。橋下氏の日常的な言動は、まさに「組織として非常識」であるといわざるを得ません。

 当たり前ですが、「組織」とは人間の集合体です。それゆえ、円滑でスピードのある業務遂行のためには、「上下関係」と「友好関係」の両方、特に「円滑さ」と「スピード」を重視するのならば、「友好関係」を常に良好に保たなくてはなりません。

 しかしながら橋下氏の場合どうか。彼は、一部の府職員が自分の気に入らないことをすれば、その人物のみならず、職員全体を攻撃します。少なくともそう見えます。メディアは府知事発言を受けて、更に「公務員」という括りで、汚職から交通違反まで、キャリア国家公務員からヒラ地方公務員まで全ての公務員のあらゆる不祥事に結び付けて報じます。そんな報道に対して知事は「その報じ方はちょっと言いすぎじゃないですか。僕が今回批判したのはあくまで一部のならず者ですから」というフォローをしようともせず、むしろその風に乗って更に自身への支持につなげようとしています。府民もまた、フォローしようとしません。

 このような知事の振る舞いは、真面目に働いている多数派の職員にしてみれば面白くないのも当然でしょう。この「面白くない」という感情は、次第に知事に対する敵対感情に繋がってゆきます(まあ、知事だけに敵対しても仕方ないんですがねぇ)。もうこうなったら「友好関係」など不可能で、一触即発の情勢となります。そしてついに、あるとき誰かがぶちきれる。すると知事は、常識的には部下、いや部下に限らず自分の周りの人が自分に対して怒っているのならば、何か自分の今までの行動に悪いところは無かっただろうか、という自己点検に移るところであるにもかかわらず、「府民の代表」という権威というか優位、「上下関係」の論理を盾にして「友好関係」に対する自己点検をしようともしません。

 つまり橋下氏は、組織の一員として当然すべきである「友好関係の構築」を行おうとせず、一貫して「上下関係」のみにすがっているのです。これは、彼もまた「組織として非常識」であるといわざるを得ません。

 にもかかわらず、「世論」は、ネット世論・現実世論共に橋下擁護が多いようです。まず、ネット世論。
>>> 2009年10月9日 8時10分ear*****さん

私もそう思う27,238点 私はそう思わない2,885点

職員は何様のつもりだ!

楯付いた奴はクビにしろ!

一般企業じゃこの口のきき方は

ありえないぞ。
<<<
>>> 2009年10月9日 8時11分kan*****さん

私もそう思う26,221点 私はそう思わない1,867点

民間企業じゃ考えられないよ。公務員のこういう態度や言動が嫌い。
<<<
 現実世論。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091010-00000041-sph-soci
>>> 橋下知事に賛成56%…不適切メール処分
10月10日8時0分配信 スポーツ報知

 不適切な表現のメールが返信されてきたことを理由に、大阪府の橋下徹知事(40)が40代の女性職員に厳重注意した問題をめぐり、賛否両論の意見が府に殺到していることが9日、分かった。処分を発表した8日の時点では93件だったが、一夜明けて急増。電話やメールでの意見は、2日で計432件と膨れあがり、府職員は終日対応に追われた。

 府民課によると府民以外からの意見も多数。マレーシアに住む日本人からのメールには「今回の騒動は情けない。遠い国から憂えています」などと書かれていたという。

 432件のうち、橋下知事が下した処分に肯定的な意見は56%の242件。8日時点では93件のうち批判的な声が53件を占めていたが、9日になって賛否が逆転した。

 一方、知事に否定的な声は190件。「気に入らない人間を排除する独裁者」と、過激な言葉で非難するものもあったという。

 橋下知事は9日、「府民がボクを批判することと、上司と部下の関係を勘違いしている」とコメントした。
<<<
 現実世論のほうは、報道記事が不完全なので何とも言いがたいのですが、ネット世論のほうは職員(のみを)非難するコメント多くの賛同票が集まっています。

 なぜ彼らは「非常識さ」に関しては五十歩百歩である両者のうち、女性職員だけを批判し、橋下氏については余り言及しないのでしょうか。本件問題については9日放送の日テレ系『スッキリ!』においても、10分弱程度でしたが取り上げられていたのですが、そのなかで、元横浜市長の中田宏氏のコメントが取り上げられていたのですが、私としてはその中に答えのひとつが見られるように思いますので、以下、発言内容を文字に起こします。
>>> 大阪もそうだなって感じですよね。あのーもう率直に言って。公務員というのは、やっぱりですね、自分たちが社長に採用されたわけではないわけで、試験で入ってきたわけであって、また、クビにはされないというね、根本的な原理が働いています。そういう意味では社長に対して「お前この野郎 バカ野郎」と僕もだいぶもらいました。だからそういうメールが来るというのは良く分かりますね。

(アナウンサー:なぜこのようなことが起こるのでしょうか)

同じ方向に向いて仕事をするというそういう意識が無いということです。だから、単に言葉遣いの問題だけで片付けてはいけないと。同じ方向を向いてやっぱり「世の中のため」そういうことを考えて仕事をしていくという意識が欠落している人たちが公務員の中にはいるということであって、意識を共有できていない、そうした公務員がいることも現実ですね。 <<<
 私なんかは、中田氏としては擁護のつもりなんでしょうけど、残念ながらすげえブーメランにしか見えないわけですが、まあそれはさておき、問題の現象の原因として、昨今の「公務員バッシング」のイメージへのすり替えが起こっているがために、皆の目がそちらに一斉に集まっているためではないかというもの、あるいは、「悪たる公務員」に対立する橋下氏は「正義の味方」に一体化しているという、いつもの展開がまず考えられます。

 また、それに加えて私としましては、彼らが本件を「府民の代表」という橋下氏の立場に対する「敵対行為」という捉え方をしているために、批判が一方的なものになっているのではないかと考えます。なぜならば、普段、「権利」を盾に自己の考えを声高に主張する人に対してはアレだけお怒りになられるコメ欄の方々が、ことあるごとに「府民の代表」という立場を口にする橋下氏の「権威」というか「優位」を盾にした今回の一連の主張には、いつもの勢いが全く見られないからです。

 優位に弱い。これ自体は今に始まったことではありません。しかし、かつての「優位」というものは、その根拠が怪しいものが少なくなく、よって正当性という点に関してはいまひとつ心細いものでした。ですから、優位が権力を以って自己を優位たらしめていた、逆に言えば優位そのものの力だけでは民の統合については力不足であるという事態がしばしばありました。

 しかしながら、今回のような「府民の代表」という立場を利用した「優位」は、民主主義という、現在の日本では否定する人はまずいない価値観を応用(笑)した「優位」、かなり正当性の高い「民主的な優位」です。私としては、この「民主的な優位」を、場合によっては否定する理論が彼らにおいては持ち合わせていないがゆえに、「府民の代表」という立場を利用した「民主的な優位」を以って自己の正当性を主張している橋下氏に対する批判が、なかなか巻き起こらないのではないかと考えます。

 結局、「民主主義的決定」を如何捉えるか。単なる多数派(多数決)主義と捉え、多数派の意見は常に正しいと妄信し、少数派を圧殺するか、多数派が常に正しいとは限らないという認識の下、あらゆることを一歩引いて考えるかだと思います。その点、コメ欄は「多数派(多数決)主義」ということになるんでしょうかね。

 最後に本件のような現象が起こる原因として考えられることとして今回あげた項目をもう一度整理すると、以下のようになると思います。
1.昨今の「公務員バッシング」のイメージと直結したために、視点が固定化してしまった。
2.「悪」への嫌悪感による「正義の味方」への一体化。
3.視点が固定化しているとは言い切れないが、「民主的優位」を絶対的なものであるとする理論を持っているために、「府民の代表」に対して物申せない。

 ところで、2.であげた「「悪」への嫌悪感による「正義の味方」への一体化」というのは、仮に批判対象が「悪」であったとしても、その対立者が「善」であるとは限りません。しかし、現実には「悪」への対立者が単純に「善」になっていることがあります。たとえば橋下氏にしても、まだ何もやっていない時期から「公務員風紀粛正をする正義の味方」というイメージが先行していました。これについては、また機会があったら。
posted by s19171107 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月10日

朝鮮労働党創建64周年

(`・ω・´)
posted by s19171107 at 21:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ウリ共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

結果責任の「結果」とはどのような「結果」なのか

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090929-00000050-jij-soci
>>> 城尾被告、二審は無期=死刑破棄、「選挙妨害目的」認めず−長崎市長射殺・福岡高裁
9月29日10時44分配信 時事通信

 長崎市の伊藤一長前市長射殺事件で、殺人などの罪に問われた元暴力団幹部城尾哲弥被告(62)の控訴審判決公判が29日、福岡高裁であった。松尾昭一裁判長は「主な動機は被害者に対する恨みで、利欲的側面は認められず、選挙妨害そのものを目的としたものではない」などと述べて、求刑通り死刑とした一審長崎地裁判決を破棄、改めて無期懲役を言い渡した。
 選挙期間中に現職市長を殺害するという前例のない事件で、被害者が1人でも死刑を適用するかが焦点だった。長崎地裁は昨年5月、「暴力によって民主主義を根幹から揺るがす犯行」として死刑を言い渡し、被告側が控訴していた。
 松尾裁判長は動機や経緯、計画性など、一審の事実認定をすべて認めた上で、死刑を選んだ地裁判決について「理解できないものではない」とした。
 しかし、被害者が1人である点について「全体の犯情評価との関係で重視される事情であることは否定できない」と指摘。当選阻止が目的で「民主主義に対する挑戦との評価は当然」としながらも、金銭や選挙妨害が目的ではないことは軽視できないとした上で、「死刑選択は躊躇(ちゅうちょ)せざるを得ない」と結論付けた。
<<<
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090929-00000223-jij-soci
>>> 中大教授殺害、2日に起訴へ=山本容疑者「責任能力あり」−東京地検
9月30日2時32分配信 時事通信

 東京都文京区の中央大理工学部で高窪統教授(45)が殺害された事件で、鑑定留置されていた同大卒業生の山本竜太容疑者(28)=殺人容疑で逮捕=について、「事件当時、善悪の判断能力などがあった」とする精神鑑定の結果が出されていたことが29日、分かった。これを受け東京地検は、山本容疑者に責任能力があったと判断し、拘置期限の来月2日、殺人罪で起訴する方針を固めた。
 関係者によると、鑑定結果は、山本容疑者が当時、強度の被害妄想の影響下にあったなどと問題点を指摘。しかし、犯行当時、行為の善悪を判断する能力や、自分の行動を制御する能力はあったと結論付けたとみられる。
 東京地検は鑑定結果に加え、山本容疑者の日常の行動や、逮捕後の供述内容などを総合的に検討した結果、事件当時に責任能力があったと判断した。 
<<<
 以下、例によってコメ欄を、長崎市長射殺事件福岡高裁についての時事通信配信記事に対するコメ欄、中大教授殺害事件に関する時事通信配信記事に対するコメ欄の順に1つずつ引用。
>>> 亡くなられた人にとっては自分の命が100%。

相手が政治家だろうが、一般人だろうが、暴力団だろうが、1人でも殺したら死刑でいい。
<<<
>>> どんな状況であっても殺人は 殺人!!精神鑑定をして無罪になることには
以前から疑問を感じてます
精神鑑定なんて処置は 無くすべきです
この事件もその点で気になってましたが安心しました
遺族の方々も無罪では あまりにも納得できなかったでしょうから
しっかり裁いてください
<<<
 特に中大教授殺害事件の記事のコメ欄におけるそれに顕著にあらわれていますが、行為者に対する非難可能性を無視した言説が、まあいつものことではありますが、またも見られます。「どんな状況であっても殺人は 殺人!!」というのは、彼らのパターン化した言い分です。彼らについては、「結果責任主義者」といっても良いでしょう。

 しかしながら、そんな結果責任主義者たる彼らであっても、たとえば、現代刑法における「正当防衛」が成立すると思われる”殺人事件”の場合においては、結果責任主義を放棄し、普段は唾棄している責任主義の立場をとり始めるという不思議現象が発生します。たとえ「正当防衛」という「状況」であっても、「殺人は 殺人!!」にはならないようです。

 この、一見して矛盾した彼らの反応は、彼らの恣意性、物事を一貫した論理で貫かない習性を強く示す現象であるといつものように断じでピリオドを打つことは、それは可能です。しかしながら今回は、この矛盾した現象を敢えて一貫した論理に再構成し、彼らを、彼らなりに合理的に思考している存在として書こうと思います(この辺の研究方針転換については、機会があったら書こうと思います)。

 さて、この矛盾した現象を一貫した論理に再構成し、彼らを、彼らなりに合理的に思考している存在として書くためには、彼らの言い分を分析しなくてはなりません。彼らの、結果責任主義時節の言い分は、今回ご紹介した記事のコメ欄における反応でお分かりいただけると思います。それでは、普段は唾棄している責任主義の立場をとり始めた場合の言い分とは?

 彼らいわく、「正当防衛において殺された『被害者』は、そもそも彼が『加害者』を傷つけようとしたがゆえに殺されたのであって、悪いのは『被害者』のほうだ」と。例の「元はと言えばお前が悪い」です。

 このような言説を含めて考えると、彼らの論理における特徴が見えてくるのではないでしょうか。すなわち、彼らは「結果」を重視します。しかし、その「結果」というのは、「行為者の問題行為によって生じた『損害』」をさす「結果」ではなく、「問題行為をする『悪い人間』」をさす「結果」ではないのかと。このように考えると、彼らが、行為者の責任能力を問題としない「結果責任主義」と行為者の責任能力を問題とする「責任主義」の間を恣意的に往復しているように見える現象は、必ずしも恣意的なものではなく、彼らなりに合理的に思考した結果であると言えなくも無いと思います。

 そしてこのことは同時に、彼らが、全ての人間の行為を、行為者の「人格」に結びつけて考えようとする習性をも示していると思われます。先日、違法薬物濫用問題が一向に止む気配が無い現状について私は、日本社会が、まず最初に、すでに濫用した行為者の責任問題を硬直的な勧善懲悪趣味によって解決しようとするがゆえに、新た濫用者を生まないための社会的な取り組みが後回しになっているのが原因のひとつであるとしましたが、「まず最初に、すでに濫用した行為者の責任問題を硬直的な勧善懲悪趣味によって解決しようとする」という結果にいたる思考回路、先日の記事中においては「「善悪」を別にして考えることができず、すべてを「善悪」に帰して判断しようとする昨今の「世論」を導く典型的な思考回路」としたものは、今回申し上げた、「全ての人間の行為を、行為者の「人格」に結びつけて考えようとする習性」によるものなのかもしれません。

注:違法性の議論に属する正当防衛と行為者に対する責任判断は厳密にはちょっと土俵が違うようですが、流石にその辺の区別は彼らにおいてはしていないと思われるので、こちらもその辺は区別しませんでした。相手の矛盾をつく場合には、必ずしも正しい知識は必要なかったりします。

関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html
posted by s19171107 at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月02日

10月です

毎年恒例。歌いましょう。
http://www.big.or.jp/~jrldr/korea/s28.html
posted by s19171107 at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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