当ブログは移転しました。詳細はこちらに掲載してありますので、ご参照ください。

2010年07月24日

機械的単純勧善懲悪と宗教的発想

http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010071701000437.html
>>> 解雇の副操縦士を3カ月で再雇用 スカイマーク、地上職で

 巡航中の操縦室内で記念撮影をしていたとして、今年3月にスカイマークを諭旨解雇された30代の元副操縦士が、約3カ月後に同社に地上職員として再雇用されていたことが17日、分かった。

 同社は「本人から希望があり、採用試験をした上で雇った。今のところ操縦士にする予定はない」と説明。企業倫理に詳しい高巌麗沢大教授は「最初の処分が厳しかったかもしれないが、厳重に処分をしたとの姿勢を社会に示す意図があったなら、処分は演出で、社会をあざむいたと受け止められても仕方がない」と指摘している。

 元副操縦士は、昨年4月から今年2月にかけて、副操縦士として搭乗していた便の操縦室内で、機長や客室乗務員をデジタルカメラで撮影。同社は「航空法が定める操縦者の周囲の空域の見張り義務違反に当たる」として、3月9日に諭旨解雇処分とした。
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 この記事は何がご不満なんでしょうかね? 「約3カ月後」というところ? それなら、何ヶ月くらい緩衝期間があれば良いのでしょうか? 別に時間を置けば良いってもんでもありませんしねえ。それとも、「再雇用」の部分? でも、「副操縦士」として再雇用したならまだしも、「地上職員」として再雇用したのだから、それほど目くじらを立てるもんでもない気がしますし、再発さえしなければ、「副操縦士」として再雇用するもの良いと私は思いますよ。

 本件について意見を綴っている各方面をフラフラしていると、どうも、この元副操縦士氏が「見張り義務違反で論旨解雇」という「前科」を持っている人物であるという部分がご不満なようです。「前科者」云々というのは、この手の話題でよく俎上に載せられます。その点において、本件(に対する反応)は、「典型的」な事例であると言えるでしょう。

 私としましては、「前科者」問題については、以前から刑事事件関係の記事において繰り返し書いてきていますが、誰しも最初は「初犯者」なのだから、「前科者」への対策、特に「前科者排除」ばかりに心血注ぐのではなく、「初犯者」を含めた全ての「犯罪」の予防をしたほうが良いと思います。「前科者の口だけの反省は信用ならない」というのならば、「潜在的犯罪者かもしれない無犯歴者の口だけの順法誓約は信用ならない」とも言い得ます。最終的な目的は、「実際に問題が起きない」、逆に言えば、「問題が起きなければ何でも良い」という根本に立ち返らなければなりません。

 このように「初犯者」を含めた全ての「犯罪」の予防に重点を置くことは、より幅広い「予防」に資するし、また、ことさらに「前科者排除」をせずとも目標は達成されるし、更に、本当に改悛した「前科者」にもう一度機会を与えることにも繋がると思うのであります。

 私なんかは、こうやって、問題行動起こした人物をとりあえず解雇し、その後、別部門で試用的に再雇用し、そこでの働きぶりから改悛の有無を判断し、最終的には再チャンスを与えるか否かを判断するというのは、これはこれで一つの「けじめ」のつけ方だと思います。もちろん、現実には「身内の甘さ」とかそういうのもノイズとしてあり得る話ですが、あくまでそれはノイズであり、基本的な枠組みとしては正しいものと考えます。

 まあ、機械的単純勧善懲悪が趣味の方々には受け入れられないとは思いますがね。しかし、ここは異端者が思いをつらつらと綴る日記ですので、余り気にしない。

 ところで、機械的単純勧善懲悪が趣味の方々って、どうしてここまで機械的で単純なんでしょうか? 勧善懲悪にしたって、もう少し深みというか、熟慮があってもいいと思うんですけどね。

 最近、この手の方々の思考回路には「改悛」という概念がスッポリと抜け落ちている(まあ、これだけ再犯が騒がれているご時勢、分からないでもないけど)のと共に、「悪いやつは生まれつき悪いやつで、良いやつは生まれつき良いやつ」といった(いよいよ根拠のない)前提があるように感じます(無犯歴者だからって潜在的犯罪者じゃないとは限らないのに、こうやって「世論」を見ていると、なんか心配になるくらい無防備ですよね)。でもそれってなんか宗教的ですよね。「穢れた魂」とか「前世からの因縁」とか、そういうのの成れの果てみたいな感じがしないでもありません。一つの可能性として、今後の研究方針としてメモしときます。
posted by s19171107 at 18:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月23日

「国民が主人公」

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-19/2010071901_02_1.html
>>> 公共サービス 民間まかせ拡大
政府が基本方針


 菅内閣はこのほど、「市場化テスト」の名で行政サービスの競争入札・民間委託を大幅に拡大する公共サービス改革基本方針を閣議決定しました(6日)。対象を当初の6分野11事業から14分野90事業へと拡大。事業費ベースで自民党政権時代に比べて約3倍の1000億円台にのぼることになります。

 「市場化テスト」は、安倍政権下の2007年度に開始。社会保険庁による年金保険料の徴収や法務局の証明書発行業務などで民間参入が始まりました。「官から民へ」といって国の責任を投げ捨て、公共サービスを民間まかせにするものでした。

 今回の基本方針は、これまでの市場化テストの実績について「従来の質と同水準を概(おおむ)ね達成している」と評価。市場化テストに限らず、「より包括的な広義の公共サービス改革にも広げる」としているのが大きな特徴です。

 地方自治体での委託拡大、行政刷新会議との連携もすすめることを打ち出しています。

サービス低下
 しかし、市場化テストの3年間を見れば、拡大どころか中止こそ求められていることは明りょうです。

 とりわけ民間委託で浮き彫りになったのは公共サービスの水準や質の低下です。

 法務局の証明書発行業務では、参入業者による不適正な事務処理が発生。短期間で委託業者が入れ替わり、経験ある職員がいなくなって待ち時間が長くなるなどサービス低下が指摘されています。

 一方、行政と民間企業を競争させる「市場化テスト」として行われたハローワークの求人開拓事業では、圧倒的に行政の優位性が明らかとなっています。

 北海道と青森で行われた求人開拓(2008年度)では、開拓求人数でも充足数でも、1人あたり経費でも、すべてで行政が民間を大きく引き離し、すでに委託の対象業務から除外されています。

低価格競争
 基本方針は、これまで入札を実施した事業では年間347億円かけていたのが157億円と半額以下ですませることができたと自慢しています。しかし、それは低価格競争によって不安定雇用に置き換えられ、賃金低下など労働条件が低下したからにすぎません。

 法務局の証明書発行業務を担ってきた民事法務協会は、低価格競争で落札できなかったため全国的に職員の大量解雇や賃金切り下げが行われました。落札した派遣会社に雇用されても、不安定な有期雇用となるなど大幅な労働条件の低下が起きています。国土交通省の車両管理業務でも同様の事態が起きています。国が「官製ワーキングプア」をつくりだしているのです。

 「官から民へ」の名で小泉政権下からすすめられた「構造改革」路線に対し、国民はノーを突きつけ、政権交代につながりました。しかし、基本方針は、政権交代があっても公共サービス切り捨ての自民党政治を民主党が引き継いでいることを示しており、この点でも国民の期待にそむく姿を示しています。(深山直人)
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 「市場化テスト⇒サービス低下、低価格競争による官製ワーキングプア製造⇒中止こそ求められていることは明瞭」というのが、この記事の伝えるところということになるんでしょうかね。

 市場化テストって、本来は、要するところ「官・民の垣根なく、一番うまくできる人にやってもらう」「民でできるものは民へ」であります。確かに「民でできるものは民へ」が、いつの間にか、単なる「官から民へ」の原理主義に摩り替わっていたりすることは否定できないわけですが、抽象的な理念としては、別に間違っちゃいないでしょう。公務員に限らず、全ての人に国家建設に参加する機会を保障する。国民が主人公。共産党の口癖ですね。

 そういうわけで私なんかは、むしろ、「拡大か中止か」ではなく「原点回帰」こそ求められていることは明瞭だといいたいところですが、共産党は、「国家回帰」を主張しています。

 かかる「国家回帰」に対する批判・反論は色々な立場から多様な内容でなされていますが、私としては、「『国民が主人公』と言っている『共産党』として如何なのか」という角度から検討したいと思います。

 先にも書いたとおり、市場化テストは、使いようにもよりますが、「国民が主人公」を実現する条件を整備します。であるならば、今現在、市場化テストによって公共サービスを委託されている民間企業が、思うように職務を遂行できていないのだとすれば、それを理由に安易に「国家回帰」するのではなく、「志ある人全てに対してスキルアップする機会を与える」という方策もあり得ます。むしろ私はそっちのほうが筋が通っているし、筋云々は別にしても、現実的であり効果的であると思います。もちろん、その結果として、「官」が一番優れたていることが実証されたとするのならば、「官」に引き続きやってもらうということは、結構なことだと思います。「官・民の垣根なく、一番うまくできる人にやってもらう」ですから。しかし、「結果としての『国家回帰』」と、「スキルアップの機会」も与えないことによる「原理主義的な『国家回帰』」とは根本的に異なります。

 このように考えると、前掲記事のような反応は、本当に「国民が主人公」と思っているのか、懸念を表明せざるを得ない反応であります。
posted by s19171107 at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 共産党とかそっちの方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月19日

これニュースになるんだね

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100716-00000518-san-soci
>>> 「水俣病触るな!」中学生がサッカーの試合で暴言 熊本
7月16日9時42分配信 産経新聞

 熊本県芦北町で6月上旬に行われた同県の中学校サッカー部同士の練習試合で、県内の市立中学校の男子選手が水俣市の中学校の選手に再三にわたって「水俣病、触るな」などと暴言を吐いていたことがわかった。

 同市教委によると、試合中、ボールの奪い合いや接触プレーが起きたさい、相手チームの選手1人が水俣市の複数の選手に対して差別発言を繰り返した。水俣市の選手はこれを聞き「謝れ!」なとと抗議する一幕もあったが、「その場で謝罪があったかどうかは確認できなかった」(市教委)という。

 試合後、水俣市側の顧問教諭が相手校の差別的な言動に気付き、相手校の顧問に確認。この顧問が発言した選手に確認し、保護者らとともに謝罪したという。翌日には校長が同市教委を訪れ、「申し訳なかった。水俣病に関する正しい理解が教育の場でできていなかったのかもしれない」と陳謝。同市の職員らを招き、保護者集会や教員研修で、水俣病に対する正しい知識や理解を学習したという。水俣市の葦浦博行教育長は「差別発言があったのは大変残念。水俣病が正しく理解されるように県全体で取り組んでほしい」と話している。

最終更新:7月16日13時16分
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 こんなようなことってザラにあると思うんですけどねえ。子どもなんて、相手を攻撃できる口実――たとえば、「チビ」や「デブ」といった「自分たちとの差異」――があれば、何だってネタにするもんですからねえ。この暴言を吐いた男子選手だって、どうせそんなレベルでしょう。口にした単語は違えども、発想においては教科書通りの暴言プロセスです。水俣市教育長は「水俣病が正しく理解されるように」などと言っていますが、水俣病への理解不足云々のレベルではないでしょう。

 差別かどうかという点については、差別を「不当な区別」とするのであれば、本件を「差別事案」とするのは、間違ってはいないとは思うのでありますが、「チビ」や「デブ」は問題にならないのに「水俣病」は問題になってしまう点には注目したいですね。「チビ」「デブ」だって、それを理由にむやみに云々すれば十分、暴言であり差別であると思うんですが、毎日、日本のどこかの学校で言われているはずなのに、その割には大きな問題としては認識されないですよね。

 まあ今に始まった話じゃないですけど、差別問題を「面倒な話」と感じる人は少なくないので、なるべく触れたがらず、当事者からの告発が来てしまったときには「理解不足でした」とか「私が悪うございました」などと、ホイホイと定型句の即レスして済ませようとする人が少なくないです。特に日本人は、弁解なし平謝り(の姿勢を見せること)を是とする人たちであることは、当ブログでも散々、指摘してきたとおりですし。しかし、その結果がこれです。同じようなことが繰り返されているのです。
posted by s19171107 at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月18日

共産党とみんなの党

 日本共産党(以下、「共産党」)の話。

 よく共産党支持者は、党の政策が余り支持されない、というか余り広まっていない原因について、「メディアが共産党をスルーするせいだ!」とします。当ブログでは、今まで、必ずしもそうではないのではないかとして、色々と記事を書いてきました。余りに非現実的であったり、あるいは、途方もなく時間のかかる案であり、そんなものが実現されるのを待っているほど余裕はない、などなど、、、

 しかし、共産党が常に斜め上の政策を口にしているかというと、必ずしもそうではありません。たとえば、本日づけ『赤旗』の主張は、以下のような内容でした。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-18/2010071801_05_1.html
>>> アナログ放送停止 「難民」生まないため延期を

 テレビのアナログ放送を停止する「デジタル完全移行」が1年後に迫っています。政府はそれまでに、テレビの買い替えやアンテナの設置などを終えるよう、国民に求めています。

 完全移行にはさまざまな問題が残されているのに、政府は無理を承知で計画を強行しています。このままでは、テレビが見られなくなる「テレビ難民」が大量に生み出されます。政府は、視聴者を切り捨てる「2011年7月24日完全移行」へのこだわりをやめ、問題解決を優先すべきです。

(以下略) <<<
 たしかアメリカでも、普及不調を理由に地デジ移行が延期されたので、共産党の思いつき的・非現実的な主張ではないと思います。

 このように、共産党が、実現がそれほど困難ではない現実的な正論を口にすることも少なくはありません。にもかかわらず、支持されない、相手にされない。何故でしょう?

 たとえば前掲の地デジ移行についてみれば、これについては共産党とは別に、以下のような動きがありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100717-00000675-yom-bus_all
>>> TVデジタル化延期、放送専門の有識者ら提言
7月17日18時23分配信 読売新聞

 1年後に迫った地上波テレビの完全デジタル化について、放送を専門とする有識者らが17日、東京都内で記者会見を開き、デジタル放送の完全移行を2、3年延期すべきであるとの提言を発表した。

 提言をまとめた発起人はジャーナリストの坂本衛さん、清水英夫・青山学院大学名誉教授ら。

 提言では、来年7月までに見込まれる地上デジタル放送の受像機の普及台数から、テレビが見られなくなる世帯や事業所が数百万規模に上る恐れがあることなどから、アナログ放送停止を延期するのが得策としている。

最終更新:7月17日18時23分
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 つまり、ほとんど同じようなことを専門有識者が語っているのです。

 この事態が代表するように、(珍しく)共産党が現実的な主張をするとき、非共産党系人士、あるいは、共産党以外の政党も同じようなことを主張しているということが、今まで多々ありました。共産党はそのことを逆に「我が党の主張が正しいことの根拠!」とか「我が党が議論のキッカケを作った!」「〜党の主張は、もとはと言えば我が党が言い出したこと!」などとしていますが、常識的に考えて、共産党と専門家・非共産党が同じようなことを言っていた場合、専門分野に関する学問的信頼がよりある専門家、政策実現力がよりある非共産党のほうに注目が行くのは当然です。国民が求めているのは、信頼性のある主張と実現力です。学問的信頼の無い共産党(まあ、普通、政党に学問的信頼なんてないもんですけどね、共産党に限らず)が何か言っていたところで、「それって本当なのかな? 学者の意見求む」と思いますし、たとえ学問的に正しい主張であっても、実現力のない政党が言っているのと、実現力のある政党が言っているのでは、意味が全く異なり、「〜党の主張は、もとはと言えば我が党が言い出したこと!」といったところで、「でも、実現できるのは〜党のほうだよね」と言い返されるがオチです。それが競争というもんです。

 独自色を出すと「非現実的」として相手にされない、現実的なことを言うと、より実現力のあるほうに支持が行って自分たちは全く相手にされない。今回の参議院選挙の惨敗を受けて、党中央は「捲土重来を期したい」などと言っていますが、今のままの思考・政策方針では、道のりは相当、困難なのではないでしょうか。選挙のたびにくだらない言い訳ばっか考えている暇があったら、どうしたら構ってもらえるか、要するに「現実的な独自色」を考えればよかったのにね。ここまで一気に得票数・得票率を落としてから慌てても、ちょっと遅い気がします。

 とりあえず目先の党勢を維持するためには、「ルールある経済社会」ならぬ「節度ある公務員制度改革」みたいなのやってみるといいかもしれないですよ。今現在、公務員問題を前面に押し出して取り上げている政党は、例外なく「小泉文革路線」の血統を継ぐ党です。共産党の主張する「公務員削減は公共サービス低下をもたらす」というのは、大枠においては正しい主張です。しかし、ある程度においては必要なことです(あんだけ公務員叩きに反対する記事を書いておいて今更ですけど)。公共サービス低下をもたらさない程度の節度ある公務員制度改革は、今のところ誰も手をつけていない分野です。国家的必要性も高く、有権者需要も高いこの問題について参入するのが、共産党が支持を繋ぎとめる最後の「現実的独自色」かもしれません。なーに、公約集のトップの「大企業の利益と内部留保が国民のくらしと日本経済に還元される経済システムに――“ルールある経済社会”を築きます」の「大企業」を「公務員」に、「利益」を「給与」に、「内部留保」を「埋蔵金」に変えるだけで大丈夫ですよ。みんなの党の政権公約と余り変わらない印象がしますので、「節度ある」というのを特に強調しなければなりませんが(最近思うのが、共産党とみんなの党が、「絶対悪の敵との対決」という点で親和性があるなということ。あくまで印象ですが)。

 もちろん、これが共産党のアイデンティティと両立するかという大問題はあります。また、たとえ、「節度」を掲げてみんなの党との違いを際立たせたとしても、共産党には、みんなの党の(「公務員制度改革」と並ぶ)主軸である「規制緩和による民力活用を通じての成長戦略」は、逆立ちしたって出せない以上、「規制緩和信仰」がある限り(まあ無くならない、少なくとも今更「組織化信仰」が再来するとは思えないけど)、結局は、みんなの党の後塵を仰ぐのが精一杯だと思います。やっぱり厳しいかな。
posted by s19171107 at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 共産党とかそっちの方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月17日

こんなことだろうと思った

朝日新聞(東京)7月14日づけ投書
>>> 改革期待 みんなの党に1票
自営業
【男性名;当方判断で削除します】(岐阜県中津川市 67)

 参院選は予想通り、みんなの党が10議席を獲得、民主党に対する批判票を吸収する形で躍進を果たした。

(中略)
 私は元来、自民党支持者である。
 昨年の政権交代には少なからず民主党に期待をかけていたが、ここまで裏切られるとは予想しなかった。今回の参議院選で、みんなの党がこれほど注目されたのは、今の日本には改革が必要と願った国民が多くいることを証明したといっていい。

(中略)
 渡辺代表の「やるべきこと」の実行に期待したい。 <<<
 ここまで分かりやすく自分の投票行動の軌跡を語ってくれるってのも、なかなか無いことです。つまり、「改革ができそうな党」という基準の下に、投票先をコロコロ変えてきたと言えると思います。

 「昨年の政権交代には少なからず民主党に期待をかけていたが、ここまで裏切られるとは」という声はよく聞きます。しかし、そもそも件の「改革」とはそんなに簡単にできるものなのでしょうか? それ以前に、「改革」は可能なのでしょうか? その「改革」は国民の利益になるのでしょうか?

 政治は、(決して無視できない)一面においては利害調整なのですから、そんなに簡単に物事を推進できるはずがありません。まして9ヶ月やそこらでは。もちろん、今回の参院選の結果は、先の総選挙で安易に、できもしない「バラ色の政権交代」を演出してしまった民主党の自業自得という側面もあるでしょう。しかし、有権者側もその辺を差し引いて判断すべきだったのではないか。無茶な願望をかけて、当然の如く実現しなかったから「裏切られた!」と叫ぶのは、色々飛び越して笑えてきます。もし、9ヶ月程度でどうにかなる程度の問題に対して今日まで何年間も何も対策を講じられなかったと本気で言っているとしたら、日本人は相当、アレですよ。

 今回の参院選で、みんなの党が掲げた政策は、「民主党のように口先だけで唱えるのではなく、政権内にいた経験と人脈を活かし、それを実現するための具体策と覚悟を持っている。」と語っているように、小泉自民党のやり方(首相を筆頭とした与党政治家がテレビメディアに積極的に出演し自論を展開することによって公務員を攻撃する)をパクり、より文革的要素を強めた民主党のやり方(テレビカメラが回っている所で、目の前に公務員を引っ張り出して攻撃する)のパクリにすぎません。結局は、小泉カイカク・カクメイ路線でしかありません。そして、自民党も民主党も、カイカク・カクメイ路線を完遂することはできませんでした(一応、現在進行形だから断定調で言うのもアレですが)。

 既に2党が「改革」を完遂できなかったという事実を前にして、そろそろ「そもそも改革は可能なのか?」という原点に帰る反省があってもよいのではないのでしょうか? もちろん、「3度目の正直」を期待したい気持ち、「とにかく変えてもらわなきゃ困る!」という切迫した願いも分かりますが、しかし、「2度あることは3度ある」とも言います。

 たとえ、「改革」が、実は、みんなの党の手によってならば出来たとしても、「その改革が国民の利益になるか」という問題もあります。同党は「現下の緊急課題として、デフレからの脱却を最優先に進め、我が国経済の建て直し、すなわち、景気を回復させ雇用・失業対策に万全を期していく。」と語っていますが、「デフレ脱却→景気回復→雇用・失業対策」という順序を掲げているところに注目すべきです。景気が回復しないことには如何にもならないという命題は、現状においては、恐らく真でありましょうが、しかし、「景気回復」したからと言って「雇用・失業対策」が如何にかなるとは限らないことを、私たちは肌身で知っています。その辺に対する言及が無く、むしろ「民主党政権の「派遣禁止法案」は、かえって働き方の自由を損ない、雇用を奪うものであり反対」などと、どっかで聞いたことのあるような主張を耳にすると、雲行きが怪しい予感がしてなりません。

 だからと言って左翼みたいに「雇用・失業対策→景気回復」と言うつもりもありません。「どちらが先か」という問題ではなく、実現困難であることは重々承知ですが、しかし、「どちらも同時に」としか言いようのない問題ではないのでしょうか?

 「そもそも」論と、「たしかにそうだけど、それだと〜とは限らなくない?」という場合分け。単純ではありますが、要するに一息おくことも必要だと思います。こんなこと、こんな暇つぶし日記で言われているようじゃお終いですよ、皆さん。
posted by s19171107 at 22:09| Comment(1) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月13日

選挙のはなし

 選挙関連の記事を全く書いていないのに結果について書くのも何だかなあ、といったところですが、その辺は気にしない。皆様、お久しぶりです。生きています。

 生きてはいるものの、結果関係の記事を一気に書けるほど元気でもないので、気分次第でつらつらと書こうと思います。

 とりあえず一番書きやすいのが、共産党の言い訳。
 チュチェ96(2007)年参院選チュチェ98(2009)年衆院選と、得票率を下げ続けているにもかかわらず、96年参議院選に至っては議席数を減らしているにもかかわらず、「得票数にて前進!」などと言い訳を吐いてきた同党ですが、今回は意外なことに敗北を認めました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2010-07-12/2010071201_02_1.html
>>> 一、わが党の選挙結果自体については、現有議席を確保することは、かなわないという状況です。多くの方々が応援してくださり、また奮闘していただいたにもかかわらず、それを議席に結びつけられなかったことは、私たちの力不足であり、つぎの機会に必ず捲土(けんど)重来を期したいと考えています。 <<<
 まあ、『赤旗』つまり、共産党中央が自己弁護記事を飛ばすのは、選挙の翌々日あたりからなので、選挙翌日である12日づけの記事だけでは判断しがたいのですが、「私たちの力不足」とまで言っておいてその翌日には「実は前進!」などと言ったら、それこそ笑いものなので、これはこれで確定なのかも。

 しかしまあ、左翼の老舗がいよいよ崩壊へ向かっているのは、何だか時代の変化を感じるのであります。読売の世論調査を見る限り、「社会保障の充実」というニーズは決して衰えていないのに、その受け皿(まあ左翼の場合は「受け皿」というより「前衛」か)になりきれていないどころか、あの「みんなの党」に抜かれていることについて、いよいよ危機感を持ったほうが良いと思いますよ。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100623-OYT1T01084.htm
>>> 社会保障の充実望む52%…読売世論調査
世論調査

 読売新聞社の全国世論調査(面接方式、12〜13日実施)で、自分の暮らし向きに政府の政策が影響していると思う人は71%となり、「影響していない」27%を大きく上回った。

 暮らし向きや景気を良くするため、政府に期待する政策を複数回答で聞くと、「年金など社会保障の充実」52%、「医療・介護負担の軽減」51%が際だって多かった。

 自分や家族の仕事の現状や将来に不安を感じている人は83%に達した。前回2009年4月調査の78%を上回り、同じ質問をした1996年2月以降計12回の調査では、02年1月と並ぶ過去最高となった。

 暮らし向きが昨年の今ごろに比べて「楽になった」は4%に過ぎず、「苦しくなった」34%、「変わらない」62%となった。「苦しくなった」は前回から20ポイント減ったが、「変わらない」が19ポイント増え、「楽になった」は1ポイント増で横ばいだった。1年後の日本の景気は「良くなる」17%(前回19%)、「悪くなる」21%(同26%)で、「変わらない」59%(同51%)が最も多かった。

 暮らし向きや景気の先行きに対する閉塞(へいそく)感が、仕事の現状や将来への不安を強めているようだ。

 調査は全国の有権者3000人を対象に行い、1831人から回答を得た(回収率61%)。

(2010年6月23日22時48分 読売新聞)
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 「みんなの党」については次回以降、私が死ぬか同党がなくなるかまでに書きたいと思っていますが、「社会保障の充実」を求めつつも「みんなの党」支持というのが微妙に解せません。そういう党だったっけ? 「とにかく景気さえ回復すれば全てが上手くいく」という「景気回復信仰」みたいなのでもあるんですか? 最近、世論調査とかそんなに真面目に見ていないので良く分かりません。。。
posted by s19171107 at 01:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 共産党とかそっちの方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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