しかし、果たして「教育刑主義そのものが間違っている」のでしょうか。この問いの答えを導き出すためには、実際の刑務所とはどういうところなのかについて知る必要があります。
その一つの資料として、今回は『週刊朝日』6月20日号を取り上げます。
(まだ最新号として発売中なのでアップはしません。最新号としての店頭発売が終わったら転載掲載します。)
刑務所の中は、もはや『犯罪予備校』というべきものであり、そして本来、受刑者を監視・矯正をさせて社会復帰させる任務を課せられている刑務官が、「それが刑務所なんだよ」といって開き直ったり、あるいは、刑期短縮をエサに「反省」なるものを求めているという証言であります。
本記事をはじめとして、私は昨今の安易な厳罰化志向については、極めて慎重な立場をとっておりますが、だからといって、長期懲役等の「厳罰」に絶対反対というわけではありません。しかし、実際の刑務所の実態というものを含めて考えると、更生教育施設としての刑務所は、もはや機能麻痺を起こしていると言わざるを得ず、こんな環境が放置されているようでは、「更生しろ」って言うほうが無理であります。よって、現段階において「教育刑主義そのものが間違っている」という結論を導くには時期尚早であり、むしろ、こんな劣悪な環境に「厳罰」の名の下に長期間入れておけば、いよいよ社会復帰できなくなり、逆効果となるのではないでしょうか。
もっとも、ポル・ポトのように、一度過ちを犯した人間は二度と社会に復帰させないというのならば問題ないのかもしれませんが、社会から排除するより、きっちりと再教育を施して社会に復帰させたほうが大局的には社会全体の利益となるということは、当ブログにおいて以前より再三、申し上げてきたとおりです。
司法関係関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html
刑務所内の更生プログラム改善や、受刑囚の待遇向上もそうですが、何より厳罰化を支持する世論の啓蒙も行うべきではないでしょうか?なにせ「無期懲役→法律上では仮釈放が7年から→7年で出所できる」なんて、誤ってるのを通り越して「アタマおかしいんじゃねぇの???」という暴論がまかり通ってますし。
長いこと放置してしまって申し訳ないです。
まさに悪循環です。今まで色々な「世論」を採取して分析してきましたが、多分、更生の効率性については考えていないんでしょうな、あの手の方々は。「とりあえず隔離」くらいにしか思っていないのかも。
厳罰化を支持する世論に対する工作ですか。なかなか大変な作業でしょうね。まず第一に、「集団の和」を乱すものに対する極めて強い攻撃性といった、ムラ社会的傾向というのが大きな問題でしょう。第二に、所謂「ゆとり教育」論議においてもそうですが、日本人は何かの成果を得るためには、効率性よりも先に時間を延ばして力技で押し切ろうとする傾向があるようですし。
パッと思いつく限りでは、この2つが大きな障害だと思います。
「無期懲役→法律上では仮釈放が7年から→7年で出所できる」というのは、良く聞く暴論ですね。「某」ラブレターの記述でしたっけ? あれはひどいwww