当ブログは移転しました。詳細はこちらに掲載してありますので、ご参照ください。

2008年08月02日

朝日は尚も「被害者」「被害者遺族」のことを考えてはいない

http://www.j-cast.com/2008/08/01024520.html
朝日新聞の夕刊1面コラム「素粒子」が鳩山邦夫法相を「死に神」と表現し、全国犯罪被害者の会(あすの会)が同社に抗議していた問題で、朝日新聞社が同会に事実上「謝罪」となる回答をしたことがわかった。同会はこれを受け入れ、「死に神」問題は1か月あまりを経て一応の決着を迎えた。

この問題は、2008年6月18日付朝日新聞(夕刊)1面のコラム「素粒子」で、死刑囚13人の死刑執行を命じた鳩山法相について、「永世死刑執行人 鳩山法相。『自信と責任』に胸を張り、2カ月間隔でゴーサイン出して新記録達成。またの名、死に神」と書かれたことに端を発した。

「適切さを欠いた表現だったといわざるを得ない」
全国犯罪被害者の会(あすの会)は6月25日に「犯罪被害者遺族の感情を逆撫でされる苦痛を受けた」などとして同社に抗議し、朝日新聞社は6月30日付で同会に「鳩山法相を中傷する意図はありませんでした。法相が『侮辱』『中傷』とお受け取りになったとしたら残念です」「ご批判を厳粛に受け止め、教訓として今後の報道に生かしていきます」などと回答した。

これに対し、同会は回答を不服として7月7日に再度朝日新聞社に質問状を再び送付。同社からは7月14日にこの質問状に対し回答した。7月23日に同会は「真正面から質問に応えることを避けている」「犯罪被害者の質問に真摯に説明するか、謝罪すべき」などと同社に再々抗議していた。

08年8月1日の回答で、朝日新聞社は「13人の死刑が多いといっているのではない」「件数が適正でないと言っているわけではない」と釈明。「犯罪被害者遺族をはじめ多くの方々からのご批判を踏まえたとき、適切さを欠いた表現だったといわざるを得ない」などとしたうえ、論説副主幹の「自らの不明を恥じるしかありません」というコメントを挙げ、「弊社としても同様に受け止めています」と事実上謝罪する内容になっている。

全国犯罪被害者の会はホームページで「これで、一連の素粒子『死に神』問題の決着をつけることになりました」とこれを受け入れるコメントを掲載している。
 本件における朝日の回答書には、「犯罪被害者遺族の皆様が凶悪な犯罪を引き起こした被告たちに死刑判決を求め、確定死刑囚の死刑執行を望んでおられるお気持ち」(7月14日づけ回答書)とか「犯罪被害者遺族の方々が凶悪事件の被告に死刑判決を求めたり、確定死刑囚の執行を望んだりするお気持ち」(8月1日づけ回答書)といったように、「犯罪被害者遺族=死刑を求めている」という図式に立って話を進め、「あすの会」側に受け入れられました。

 しかしながら、犯罪被害者やその遺族が一律に被告に死刑を求めているわけではないことについては、こんな辺境の地に来てまで、その手の問題について情報収集なさっている方々におかれましては、良くご存知だと思います。その一例として、「Ocean」(代表 原田正治氏)という組織があります。その「Ocean」が、本件について以下のような文書を朝日に送付したそうです。
97.8.2.jpg
(クリックで拡大)
 さて、朝日としては「戦艦ミズーリでの調印式」を終わらせ、「やっと一段落ついた」と思っている頃かもしれません。「あすの会」としては、満足しているかはさておき、「決着をつけても良い頃だ」くらいの納得はしているものと思います。それはそれでいいでしょう。しかしながら、先にもご紹介した「犯罪被害者遺族の方々凶悪事件の被告に死刑判決を求めたり、確定死刑囚の執行を望んだりするお気持ち」といった表現によって、「Ocean」のメンバーの「お気持ち」を消し去ったことについては、どのように考えているのでしょうか。

 朝日は6月30日づけ回答書において、「朝日新聞社はこれまで犯罪被害者の皆様が置かれている状況を重視し、その報道に力を注いできました」と書いていますが、今回の一連の回答書によって、結果的に「Ocean」のメンバーの「お気持ち」を消し去ったことを含めて考えると、「死刑を求める遺族」のことも、「死刑を求めない遺族」のことも、どちらのことも全然考えていないと言わざるを得ません。朝日は尚も「被害者」「被害者遺族」のことを考えてはいないのです。

 「死刑を求める遺族」と「死刑を求めない遺族」、どちらが正しくてどちらが正しくないとか、そういうことを言うつもりはありません。(私自身は前者に近いほうかな、、、そのときになってみないと分からないけど)しかし、どちらの意見もある以上は、どちらの意見にも平等に配慮するべきじゃないでしょうか。たとえ「死刑を求めない遺族」が世界に一人しかいなかったとしても、「犯罪被害者の皆様が置かれている状況を重視」するならば、その声を無視してはいけません。

関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html
posted by s19171107 at 14:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うーん、これはOceanが朝日新聞に抗議という形をとって、あすの会に「あなたたちだけが
被害者遺族じゃない」と言ってるんですかね?
Posted by けら at 2008年08月07日 20:00
コメントありがとうございます。

うーん、それは良く分かりませんが、そのように取られても文句は言えませんよね、この文面・このタイミングでは。
Posted by s19171107@管理人 at 2008年12月17日 00:41
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。