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2008年09月20日

「農水省に対する監督責任」はどうなるのか

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-136354-storytopic-3.html
>>> 太田農相:辞任 次官に続き汚染米転売の責任取り
2008年9月19日

 太田誠一農相は19日午前、汚染米の不正転売問題に関する農林水産省の検査体制の不備や自らの発言の責任を取って辞任する意向を固め、福田康夫首相に伝えた。事実上の更迭人事とみられ、首相は辞任を了承した。白須敏朗農水事務次官の退任も同日の閣議で了解されており、閣僚と事務方トップの二人がそろって辞任する異例の事態となった。
 太田氏は首相に辞意を伝えた後の記者会見で「本日、農水省で取り組む当面の再発防止策を決定した。一つの節目だと思う」と説明。「解決は今の内閣ではできない。この際、農水省全体としての結果責任を明確にした方がいいと思い、辞意を固めるに至った」と語った。
 業者に対する農政事務所の立ち入り調査が不徹底で不正転売が見抜けなかったことを受け、農水省の対応への批判が高まった中、太田氏は12日、衛星放送「BS11デジタル」の番組で「人体への影響はないと自信を持って言える。だから、あまりじたばた騒いでいない」と発言していた。 太田氏は自ら辞することで、国民の間に広がった農水行政に対する不信感を払しょくしたい考えだ。一方で、自民党総裁選を受けて24日には新首相が誕生する予定。福田内閣が残り5日になったタイミングでの辞任には、新政権発足前に不祥事を片づける思惑も働いているとみられるが、政府・与党に深い痛手ともなりそうだ。
 太田氏は8月1日の内閣改造で農相に就任。同月10日に中国製冷凍ギョーザによる中毒事件などを受けた食の安全対策をめぐり、「消費者がやかましいから徹底する」と発言して批判を浴びた。
 さらに、同月下旬には政治団体「太田誠一代議士を育てる会」が東京都目黒区の農相秘書官宅を事務所として届け出て、多額の経費を計上していた問題が毎日新聞の調べで発覚。政府・与党内に早期辞任を求める声が上がっていたが、首相が今月1日に退陣を表明したことで、かき消される形になった。
 太田氏は衆院福岡3区選出、当選8回で、自民党古賀派。【白戸圭一】

 ◇相次ぐ交代
 昨年以降、農相の交代が相次いできた。昨年5月、資金管理団体の不透明な光熱水費問題の渦中にあった松岡利勝農相が自殺。同年8月には事務所を実家に置いた政治団体の不正経理疑惑で赤城徳彦農相が辞任し、翌9月には遠藤武彦農相が農業共済組合の補助金不正受給問題で辞任している。

 ◇農相会見
 太田誠一農相の閣議後会見の主なやり取りは以下の通り。
 農相 閣議後に福田首相と会い農相を辞職する決意を固めたとお伝えした。(首相に)預かって頂いている。

 −−なぜこのタイミングで決めたのか。
 今週になって流通ルートの骨格は判明してきた。これだけ大きな社会的な問題になっているので、解決は今の内閣の任期を超えないとできない。(自分の任期は)あと4日だが、農水省全体としての結果責任を明確にした方がいいと思い、辞意を固めた。

 −−首相からは。
 農相 預かっておくと。

 −−いつ決断したのか。
 農相 ずっと考えていた。この出来事が広がった先週末あたりから。

 −−白須次官が辞めることが影響したのか。
 農相 私自身も進退を明らかにしなければと思っていた。同時にということ。

 −−汚染米の転売問題自体が理由か。発覚後の対応の問題か。
 農相 対応ではない。社会問題になって、いずれは政治的な責任も決めないといけないと。

 −−衛星放送の番組収録で「じたばた騒いでいない」と発言したが。
 農相 臨時異例の事態の時に、沈着冷静に行動しないといけない。私自身のことを言った。
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 さて、いよいよ中国のことを笑っていられなくなってきた今日この頃でございます。

 テレビ報道などを見ていると、本件に対するコメンテーター(笑)のコメントは大きく2つ、「再発防止のための流通監視強化」と「農水省の業者に対する監督責任」に分けられるように思われます。

 まず、「再発防止のための流通監視強化」についてですが、以前から刑事事件関係の記事にて申し上げているように、「悪い奴」を全て事前に検挙できるわけない以上は、そういう輩が「悪だくみ」を思いついたとしても、それを実行させない「隙の無い社会」をつくるしかなく、それゆえ私としては、これは妥当な意見だと思います。
 テレビのコメンテーター(笑)というと、特に刑事事件・刑事裁判の報道などでは、こういった「隙の無い社会」については殆ど触れず、「死刑」「厳罰」と繰り返すだけでしたが、やればできるじゃんwww

 「農水省の業者に対する監督責任」について。農水省は食料の流通を監督する役所ですので、今回の問題について責任問題が生じるのは必至です。ゆえに、「農水省の業者に対する監督責任」を指摘すること自体は何の問題もありません。しかし、「監督」という観点から見ると、「農水省に対する監督責任」はどうなるのか。
 昨今の特にメディアが主導する公務員批判の前提として良く使われる言説として、「日本国の"主人"あるいは"使用者"は日本国民であり、役所・公務員は"召使"あるいは"従業員"である」があります。それならば、国民は「主人」として「使用者」として、「召使」「従業員」の行動を監督する責任が当然生じます。にもかかわらず、「主人・使用者の監督責任」、すなわち、「国民の農水省に対する監督責任」を問う声が少ない。昨今の公務員批判で使われるもう一つの主要な言説には「民間企業なら、、、」というものがありますが、民間企業なら、それこそ仕事を従業員に丸投げして、あとは知らぬ存ぜぬなんてしませんよ。
 ほんと、都合の良いときだけ「監督責任」だとか「民間の感覚」とか引っ張りだしてきていますが、ご自分たちの「監督責任」はどうなっているんですか。ご自分たちこそ「民間の感覚」が欠如しているんじゃないんですか。
 私は別に「国民の農水省に対する監督責任」という問題を以って「農水省の業者に対する監督責任」をごまかそうとしているわけではありませんよ。「農水省の業者に対する監督責任」は、それはそれで適切に処理してもらわなければなりません。その点、私は感情屋とは違うんです(←福田風に)。
posted by s19171107 at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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