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2008年10月02日

単なる賠償命令にとどまらない重要な判決

 橋下賠償ktkr
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081002-00000014-mai-soci
>>> <橋下知事>「光母子弁護団懲戒」TV発言で賠償命令 
10月2日10時22分配信 毎日新聞

 山口県光市の母子殺害事件(99年)を巡り、橋下徹弁護士(現・大阪府知事)のテレビ番組での発言で懲戒請求が殺到し業務に支障が出たなどとして、被告の元少年の弁護士4人(広島弁護士会)が計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。橋本良成裁判長は「発言と懲戒請求との間に因果関係があることは明らか」として橋下氏に原告1人当たり200万円、計800万円の支払いを命じた。橋下氏は控訴する方針。

 視聴者の行為を促した発言が違法と認定されたことで、今後の番組制作や出演者のコメントに影響を与える可能性もある。

 判決によると、橋下氏は昨年5月放送の情報バラエティー番組「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ)で光市事件の弁護団を批判。事件の動機が「失った母への恋しさからくる母胎回帰によるもの」などとした弁護活動に対して、「許せないって思うんだったら一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと発言し、4人に計2500件以上の懲戒請求が届いた。

 原告側は「発言は名誉棄損に当たり、裏付けのない理由で不特定多数の視聴者に対して懲戒請求を煽動(せんどう)する行為は違法」などと主張。橋下氏側は「懲戒請求は(請求者の)自発的意志に基づくもの」として発言との因果関係を否定していた。

 判決は、名誉棄損について「原告の客観的評価を低下させる」などと認定。発言と損害の因果関係については「番組放送前に0件だった原告への懲戒請求が放送後に急増したのは、発言が視聴者に懲戒請求を勧めたためと認定できる」と指摘。「弁護団が元少年の主張を創作したとする証拠はなく、橋下氏の憶測に過ぎない」などと発言は違法と断じた。

 また、弁護士の役割について「被告のため最善の弁護活動をする使命がある」とし、「弁護団が非難を受ける筋合いではない。橋下氏は弁護士として当然これを知るべきだった」と批判した。

 日弁連によると、弁護団メンバーに対し07年末までに計8095件の懲戒請求があったが、各弁護士会は「適正な刑事弁護」と結論付け、懲戒しないことを議決している。【矢追健介】

 ▽橋下徹弁護士(大阪府知事)の話 大変申し訳ございません。私の法解釈が誤っていた。裁判の当事者のみなさん、被告人、ご遺族に多大な迷惑をおかけした。

 ▽ 原告弁護団の児玉浩生弁護士の話 我々の主張が全面的に認められた。裁判所に刑事弁護での弁護士の役割を理解してもらえた。

<判決骨子>

◆名誉棄損にあたるか

 懲戒請求を呼びかける発言は、原告の弁護士としての客観的評価を低下させる。

◆懲戒制度の趣旨

 弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命も有する。多数から批判されたことをもって、懲戒されることがあってはならない。

◆発言と損害の因果関係

 発言と懲戒請求の因果関係は明らか。

◆損害の有無と程度

 懲戒請求で原告は相応の事務負担を必要とし、精神的被害を被った。いずれも弁護士として相応の知識・経験を有すべき被告の行為でもたらされた。

 ◇「根拠ない請求」は違法=解説

 テレビを通じて懲戒請求を促した発言の違法性が問われた裁判で、広島地裁は橋下氏が単なるコメンテーターではなく、懲戒請求の意味を熟知した弁護士だったことで極めて厳しい判断を示した。また光母子殺害事件報道についても、弁護団が「一方的な誹謗(ひぼう)中傷の的にされた」と苦言を呈した。

 根拠がないことを知りながら懲戒請求するのは違法とした最高裁判決(07年4月)があり、個々の請求者には根拠を調査・検討する義務がある。原告側によると、今回の請求の中には署名活動感覚で出されたものが多くあった。橋下氏は視聴者に呼びかけながら自らは請求しなかったが、判決は橋下氏が弁護士である以上「根拠を欠くことを知らなかったはずはなく、違法性がある」と断じた。

 懲戒請求は弁護士の品位を保つためにあり、数を頼んで圧力をかけることは想定していない。判決は「懲戒請求を呼びかけ、弁護士に心理的、物理的負担を負わせたことは不法行為」と橋下氏を批判。さらに「弁護士は少数派の基本的人権を保護すべき使命もある」と弁護士の役割を強調し、(橋下氏の主張は)「職責を正解せず失当」とまで述べた。

 報道姿勢に関しては、問題の番組は録画にもかかわらず、発言をそのまま放送した。専門家は「弁護団の主張に違和感があっても、『気に入らないから懲らしめろ』では魔女狩りと変わらない。冷静な議論をすべきだった」と警鐘を鳴らす。橋下氏と同時に、メディアの責任も問われた。
<<<
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008100201000372.html
>>> 弁護団懲戒請求の判決要旨 光市の母子殺害事件
 山口県光市の母子殺害事件の弁護団懲戒請求をめぐる訴訟で、橋下徹大阪府知事に賠償を命じた広島地裁の2日の判決の要旨は次の通り。

 【名誉棄損】

 被害者を生き返らせるためだったなどと弁護団が許されない主張をしているという被告の発言は、正確性を欠いているものの弁護団の主張と著しく乖離しない。弁護士が主張を組み立てたという発言は、刑事事件では被告人が主張を変更することはしばしばあり、本件でも原告らが選任される前の弁護人の方針により主張しなかったことも十分考えられる。創作したかどうか弁護士なら少なくとも速断を避けるべきだ。弁護士である被告が真実と信じた相当な理由があるとは認められず、発言は名誉を棄損し、不法行為に当たる。原告らの弁護活動は懲戒に相当するものではなく、そのように信じた相当な理由もない。

 【それ以外の不法行為】

 弁護士懲戒制度は弁護士会の弁護士に対する指導監督作用の一環として設けられた。だが根拠のない懲戒請求で名誉を侵害される恐れがあり、請求する者は請求を受ける者の利益が不当に侵害されないよう、根拠を調査、検討すべき義務を負う。根拠を欠くことを知りながら請求した場合、不法行為になる。

 マスメディアを通じて特定の弁護士への懲戒請求を呼び掛け、弁護士に不必要な負担を負わせることは、懲戒制度の趣旨に照らして相当性を欠き、不法行為に該当する。原告らは極めて多くの懲戒請求を申し立てられ、精神的、経済的な損害を受けたと認められ、被告の発言は不法行為に当たる。

 被告は、多数の懲戒請求がされた事実により、原告らの行為は非行に当たると世間が考えていることが証明されたと主張するが、弁護士の使命は少数派の基本的人権の保護にあり、弁護士の活動が多数派の意向に沿わない場合もあり得る。

 また刑事弁護人の役割は刑事被告人の基本的人権の擁護であり、多数の人から批判されたことをもって懲戒されることはあり得ない。被告の主張は弁護士の使命を理解しない失当なものである。

 被告の発言は懲戒事由として根拠を欠き、そのことを被告は知っていたと判断される。被告が示した懲戒事由は「弁護団が被告人の主張として虚偽内容を創作している」「その内容は荒唐無稽(むけい)であり、許されない」ということであるが、創作と認める根拠はなく、被告の憶測にすぎない。また荒唐無稽だったとしても刑事被告人の意向に沿った主張をする以上、弁護士の品位を損なう非行とは到底言えない。

 被告は、原告らが差し戻し前に主張しなかったことを主張するようになった経緯や理由を、一般市民や被害者遺族に説明すべきだったと非難するが、訴訟手続きの場以外で事件について発言した結果を予測することは困難であり、説明しなかったことも最善の弁護活動の使命を果たすため必要だったといえ、懲戒に当たらない。

 【発言と損害の因果関係】

 発言は多数の懲戒請求を呼び掛けて全国放送され、前日までなかった請求の件数は、放送後から2008年1月21日ごろまでに原告1人当たり600件以上になった。

 またインターネットで紹介され、氏名や請求方法を教えるよう求める書き込みがあり、ネット上に請求書式が掲載され、請求の多くはこれを利用していた。掲載したホームページには発言を引用したり番組動画を閲覧できるサイトへのリンクを付けて発言を紹介、請求を勧めるものがあった。

 多数の請求がされたのは、発言で被告が視聴者に請求を勧めたことによると認定できる。被告は請求は一般市民の自由意思で発言と請求に因果関係はないと主張するが、因果関係は明らかだ。

 【損害の程度】

 原告らは請求に対応するため答弁書作成など事務負担を必要とし、相当な精神的損害を受けた。

 もっとも呼び掛けに応じたとみられる請求の多くは内容が大同小異で、広島弁護士会綱紀委員会である程度併合処理され、弁護士会は懲戒しないと決定した。経済的負担について原告の主張そのままは採用しがたい。

 弁護士として知識、経験を有すべき被告の行為でもたらされたことに照らすと、精神的、経済的損害を慰謝するには原告らそれぞれに対し200万円の支払いが相当だ。

2008/10/02 12:49 【共同通信】
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 橋下の「オレ関係無いっすよ」が徹底的に粉砕されていることが本判決の「メイン」でありますが、この判決の「意義」も含めて考えた場合、なかなか深い判決であると思います。

 さて、本判決でも認められましたが、橋下の懲戒請求扇動発言によって光市事件弁護団に対する懲戒請求殺到の端緒が切り開かれました。橋下の扇動によって懲戒請求を行った人たちの言い分は、大きく分けると2種類に分類できると考えます。

 第1類は、「1審・2審とは異なる内容の発言をし始めたのは弁護団が吹き込んだから」というものが挙げられるでしょう。管見では、これが圧倒的に多かったと記憶しております。しかしこれについては、判決要旨の記事(共同通信社配信)によると、「弁護士が主張を組み立てたという発言は、刑事事件では被告人が主張を変更することはしばしばあり、本件でも原告らが選任される前の弁護人の方針により主張しなかったことも十分考えられる。創作したかどうか弁護士なら少なくとも速断を避けるべきだ。」「被告が示した懲戒事由は「弁護団が被告人の主張として虚偽内容を創作している」「その内容は荒唐無稽(むけい)であり、許されない」ということであるが、創作と認める根拠はなく、被告の憶測にすぎない。」と断じており、懲戒請求者たちの言い分は華麗に粉砕されています。

 第2類は、「弁護士は被告人の代理人なので被告人の言うことを法廷で代弁することは当然の職務だが、光市事件被告人の言い分は内容が内容だけに、何らかの配慮が必要であるはずにもかかわらず、それを怠り被告人の主張を『タレ流し』したのは非難されるに値する」もっと簡単に言えば、「無条件で人殺しの味方をするのは弁護士の品位を汚す」であります。このパターンについても、判決の「また刑事弁護人の役割は刑事被告人の基本的人権の擁護であり、多数の人から批判されたことをもって懲戒されることはあり得ない。」「(主張が)荒唐無稽だったとしても刑事被告人の意向に沿った主張をする以上、弁護士の品位を損なう非行とは到底言えない。」において論破されています。

 このように見ると、本判決の意義は単に「橋下に対する賠償命令」という「橋下全面敗北」を示すものにとどまらず、件の懲戒請求に参加した皆様、もっと言えば、光市事件関係の報道に対して言いたい放題言っていた感情屋の皆様におかれましても、その主張には根拠がなく、もし弁護団が裁判を起こせば賠償責任が生じる可能性があるということ、すなわち、「感情屋全面敗北」を示している重要な判決といえるでしょう。さらに、毎日新聞配信記事の末尾に添えられている、「メディアの責任」という視点からも、この判決の重要性はかなり大きいと思います。

 はい、じゃあ例によって「世論」。「世論収集」が無くちゃ当ブログじゃないっすよねwwww
 今回はヤフーニュースの時事通信配信記事のコメント欄(こちら)です。

>>> あの弁護団はどこまでも腐ってる。正義の通らない国だ。橋本氏にはこれにめげず頑張ってほしい。あの異常な弁護団は荒唐無稽な弁護をすることで、被告人の利益にすら反していた。
犯人の死刑はもはや当然であるが。あの弁護団は決して許されない。
<<<
 いい加減、「橋下」と「橋本」を間違えるのはどうにかならんのですか。そういえば、安倍元首相も最後まで「阿倍」だとか「阿部」だとか書かれていたなあ。本村洋氏に至っては、「木村さん」とか書いていたっけw人気者ほど何故か名前を間違えられる(しかし「本村」と「木村」の間違いは全く分からんなあ)。
>>> 光市母子殺害事件の弁護団は、それ相応の社会的制裁が加えられるべき。
弁護士免許剥奪が最も妥当な制裁と考える。
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 裁判長の話を全然聞いていないことだけは分かった。

>>> 橋下さんは間違ってないやろう。
結局、懲戒請求したんはそれぞれの人の意志なんやから。
この弁護団おかしい。

日本の司法は崩壊したといえる。
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 上2段については、裁判長は自分の意見を提示した。「橋下さんは間違ってない」というのならば、その根拠を提示しなくてはならない。今、ボールは橋下シンパの方にある。

 「この弁護団おかしい。」については、弁護団が判決を出したわけじゃないっすよwww何を言わんとしているのか良く分からないなあ。

 「日本の司法は崩壊したといえる」と仰りますけど、崩壊しているのはあなたのコメントと、そのコメントを生成したあなたの脳味噌です。

>>> 弁護団ってろくなのがいない。
これはもう日本の常識になりましたね。
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 もし、「法曹関係者ってろくなのがいない」と言うのならば、内容的には破綻していますが、文脈的には通用します。しかし、「弁護団ってろくなのがいない」というのは、もう内容的にも文脈的にも崩壊していますね。この判決を出したのは弁護団弁護士じゃなくて裁判所裁判官ですよ。


 別の某所でも現時点で260件程度の「世論」がありますが、最近疲れているので今回の「世論収集」はここまでとさせていただきます。ここ最近は記事本数も一時期に比べて相当減っており、質の面でも、もともとアレなものが一層悲惨なことになっておりますが、どうか勘弁してやってください。

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http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html


posted by s19171107 at 21:36| Comment(4) | TrackBack(1) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
当然の判決かと思います。
むしろ管理人氏が紹介された「世論」(これとてマイノリティーだと思いますし、むしろそう思いたい)と違って日本の司法は刑事弁護について大変”真っ当な”理解をしているのだと痛感しました。
それにしても、mixiのコメントも結構凄いことになっていました(笑)。
余談ですが、このニュースはなぜか「毎日」だけが今日の夕刊トップで報じていました。こうした良識をもったジャーナリズムがまだちゃんといることにホッとしました。

(追記)
昨日の「読売」朝刊2面に載っている「顔」というコーナーで光市事件の弁護団について長期取材をして東海テレビのディレクターさんが出てました。こうした”健全な”ジャーナリストが報われる社会であって欲しいですね。
Posted by 福岡在住の名無しさん at 2008年10月02日 23:40
こんにちは。
問題は「メディアの責任も問われた」わりには、
読売テレビや当の番組は何のコメントもないこと
ですね。
これや「太田」「タックル」といった報道のふり
した偽装洗脳バラエティを見ている御仁の気が
知れません。
Posted by 坪井 at 2008年10月04日 22:08
マスメディアの腐敗はもはやここまできたか
って感じですね。

本村さんも、判決後見事にそっちで活動を続けてますしね。
Posted by 天性の庇護者 at 2008年10月09日 01:35
コメントありがとうございます。

>福岡在住の名無しさん さん
 mixiニュースはひどいですよねwなんだあれwwwwwwwwwwwwww

>坪井さん
BPOのときは何人かがガタガタ抜かしていたいましたが、今回は静かでしたね。偽装洗脳バラエティは今日も平常運転です。

>天性の庇護者
 本村さんは微妙に距離をおいているように見えながら、講演するたびに動静が報じられますよねえ。。。
Posted by s19171107@管理人 at 2009年01月09日 00:13
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Tracked: 2008-10-07 21:11
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