1月6日づけ「公的扶助を減らすためには」のコメント欄にて、太郎さんよりご質問を戴きました。ご質問ありがとうございます。
ご質問の内容は、武蔵野市議会議員の安江清治氏が、自身のブログに掲載した「派遣村」関係の記事について「自分の死んだ父親を引いて「派遣村の連中は甘えている!けしからん!」と言っていますが、これについてどう思われますか」でした。元の記事は現在は削除されていますが、googleキャッシュに残っています。以下。
>>> うちの親父は事業で失敗した。いろんな人に迷惑をかけた。削除後の言い訳は以下。
無念に思いながらも最後は死んでいった。悔しかったよ。
でも、親父は失敗の原因を政府や政治や世の中のせいにしたことはない。
それは俺の誇りだ。
自分がどこまでやったか、なにが悪かったのか。どうやったらうまくいくのか。
そこを最後まで悩んでいた。
派遣村・・・・・政治のせいにするのはいいよ、でもおまえら何をやろうとしてるのさ。
自分で死ぬ気でやってんのかよ。
政治は魔法じゃねぇんだよ!
世の中のせいにする前に死ぬ気でやってみろよ!
傷をなめあってんじゃんぁねえよ!
甘えるなよ!人のせいにするなよ!
世の中を変えていくのは若者だ。
みんなで頑張ろうぜ!変えていこうぜ!
本気でがんばってるやつを俺は本気で死ぬ気で応援する。
志を同じくするよ。命をかけるよ。
なんか文句あるか!
いい世の中に「俺達の力で」していこうぜ!
投稿者 seiji 日時 2009/01/05 23:41 <<<
>>> <追記> 1月9日 お詫び安江氏の一連の言説をまずまとめて見たいと思います。
やすえ清治です。
大変大勢の方からご意見をいただきました。あらためましてこの場でお詫び申し上げます。
私の発言に対し、言葉足らずかつ誤解を招いた部分もあったかと思います。また、認識不足だった点もございました。あらためて関係者各位にお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。
発言の趣旨は、決して今回の派遣村を運営された方やそこの集う皆様に非難ありきの発言を意図的にするつもりはございませんでした。メッセージは「がんばっていこう」という意味を強調したいと思って、発信したつもりでした。
私自身も一年半ほど、派遣社員であったことがあります。もちろん雇用について不安もありました。この経験から、なんとなく派遣で働く側の気持ちがわかった気でいたのだと思います。
多くの皆様からご批判も頂き、また応援のコメントも頂きました。心から感謝を申し上げます。また、ご批判に関しては真摯に受け止めます。
「一生懸命頑張っている人たちが報われる社会を作っていきたい」という気持ちを持っています。そして応援していきたいと思っております。
皆様からお寄せいただいたメールはすべて読ませていただき、また返事も書かせていただきます。(量が多く、一件一件読んでおりますので、多少お時間をください)
不快な思いをされた方もいたと思います。ここにあらためて先の発言について反省し、撤回することを表明し、ただ本当に自分が言いたかった「みんなでがんばっていこう」という気持ちはこれからも持ち続けていきたいと思いますし、議員としてその気持ちを原点とした、政策を述べていきたいと思っております。
未熟な点も多いと思いますが、今後ともご指導よろしくお願いいたします。
やすえ清治 拝
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やすえ清治です。
この日に書きましたタイトル「派遣村」に関して多くのご意見をいただきました。
自分としては率直な思いを示したつもりですが、理解していただけなかった部分もあるかと思います。
コメントの中には明らかな誹謗中傷もございましたので、これ以上公表しておくのも、さらなる混乱を招くと判断し、甚だ自分としては不本意ですが、いったん記事を削除させていただきます。
この件に関してはまたあらためてまた見解を記したいと思います。
また、賛同の意を示していただいた方、否定的な意見をいただいた方、大勢いらっしゃいましたが、反響が多かった点についてはありがたく思っております。決して偽りの気持ちを述べたわけではありません。
コメントにつきましては、できる限り残したいと思っておりますが、コメントをいただいた方にも、混乱の影響が及んでしまうのは私の本意ではありませんので、とりあえずいったん制限させていただきます。
コメントしきれなかった方へは、できる範囲で個別にメッセージを送らせていただきます。
今後も率直な意見は申し上げていくつもりですし、また忌憚のないご意見も頂ければと思います。ありがとうございます。
やすえ清治 拝 <<<
「派遣村・・・・・政治のせいにするのはいいよ、でもおまえら何をやろうとしてるのさ」という記述と、「本気でがんばってるやつを俺は本気で死ぬ気で応援する」という記述をあわせて考えるに、私としましては、安江氏としては、本当に困っている非正規労働者に対する支援は拒まないが、「派遣村」に今いる人たちは「本当に困っている人」なのか?という問いかけをし、まだ自助の余地のある人には「もうちょい頑張れ」と訴えたいのではないかと読みます。自分の父親の話を引っ張ってきた意味は良く分かりませんが、「メッセージは「がんばっていこう」という意味を強調したいと思って、発信したつもりでした。」の部分をみるに、「自分の父親は自力更生したからお前らもやれ」ってことでしょうかねえ。わざわざ書かなくても良かったような気がします。
以上の読みを前提としますと、私としては「安江氏はもうちょっと頭を使えばよかったのに」思わざるを得ません。なぜならば、「派遣村」は企業やハローワークなどが年末年始の休業に入る時期に屋外に放り出された人たちの緊急避難のための「テント村」です。いくらテントがあるにしたって、年末年始のクソ寒い時期に好き好んで公園にテントを張って過ごそうという人がいるでしょうか。また、本人に「努力」をしいたって、先にも書いたように、企業もハロワも休業しているときに何をしろと言うのでしょうか。さらに、昨今は「貯金しなかった自己責任」という言説も出回りつつありますが、いくら「自己責任自己責任」と喚いても、事ここまで至ったら、責任問題などを追究している場合ではありません。「アリとキリギリス」が現実世界に当てはまらないことは、チュチェ97(2008)年12月25日づけ「「アリとキリギリス」主義の破綻」において書いたとおりです。つまり、「派遣村」に今いる人たちは「本当に困っている人」なのか?という問いかけは、既に現実が答えを示しているのです。
よって、太郎さんからのご質問に対しては、「甘いのは非正規労働者じゃなくて安江氏の見識」とお答えしたいと思います。私としましては、昨今の情勢においては非正規労働者に対して支援をすることは「甘やかす」ことにはあたらないと思います。
ところで、朝日新聞本日付には、昨今の情勢がもとで、日本共産党に対する支持が広まり、同党の党員が増加傾向にあることが1面の3分の1くらいと2面の半分を使って大々的に特集されています(全6ページの大型記事になりますが、ネット上でも読めます。1ページ目はこちら。)。
そのなかから本件に関連して、以下の2箇所を引用します。
http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_02.html
>>> 生きるしかない、でもそのすべがわからない。ふと「困ったことがあったら共産党に行け」という叔父の言葉を思い出し、地区委員会を訪ねた。 <<<http://www.asahi.com/politics/update/0110/TKY200901100213_03.html
>>> ■悲鳴拾えぬ二大政党このような現実に対して、自民党(&民主党)は一体どうこたえるつもりなのでしょうか。
「共産党をよく思っていなかった人も、『助けてくれるのはもうここしかない』と勇気を振り絞って接触してくるようになった」。ある地区委員会の幹部は言う。
自民党に電話したら「一般市民の相談には応じない」と言われたという失業中の40代の女性。派遣切りで役所に相談に行ったら「そういうことなら共産党に」と勧められたという32歳の男性。「退職を強要されたが、役所も労組も閉まっていて、土日も相談に乗ってくれるのは共産党だけだった」という25歳の男性……。まるで現代の「駆け込み寺」だ。
小選挙区制導入後、自民、民主の二大政党制が進んだ。しかし、「働く貧困層」のような新たな課題、地域固有の切実な問題に、政治はこたえきれていない。生活がそれなりに回っている時、不当に扱われて不満があっても、多くの人は抗議の声をあげなかった。だが、がけっぷちに立たされ、声を上げるしかない状況に追い込まれた時の足がかりとして、全国に約2万2千の支部を置く共産党やNPOのドアがノックされている。
「仕事の悩み、一緒に解決しましょう」。共産党も2年ほど前から、街頭でまくビラを雇用問題に焦点を当てたものにするなど工夫をこらしている。実際、インターネットの検索エンジンに、「雇用」「派遣切り」「リストラ」といったキーワードを入れると、共産党のページが上位に並ぶ。それを読んで電話してくる人も多い。 <<<



安江氏は考え足らずというか、批判されてはじめて冷静になれたんでしょうね。
派遣村のニュースを聞いて、おそらく頭にカーッと血が昇ったんだと思いますが、
この種の短絡、と言うか直情は、ネット上(特にニュース系)でよく散見される気がします。
現実的なコンテクストを見落としやすい時には往々にして人間の負の感情が
(一方的に)増幅されてしまうものですが、今回はその典型例なのかもしれません。
ただ引き金がニュースであったにしても、受け手(例えば安江氏)に何らかの
「火薬」が詰め込まれていなければ「暴発」はしないはずで、この火薬の存在が問題の本質なんだろうと思います。
共産党の台頭という記事は私も読みました。
党員数も伸びているようですし、こと労働問題に関しては、
非党員にもシンパシーは広がっているように思えます。
個人的には、政権与党になり一般からの支持を失っている(つまり
支持しているのは事実上学会員のみの)公明党との対比が興味深いです。
与党から転落したとき、公明党はどうなるんでしょうね。
「死ぬ気になればなんでもできる」で問題が解決するなら、政治も行政もいらないってことだから。
誇りにするのは勝手ですが、わが子にだけは
政府や政治や世の中のせいにしなかった、という
可能性もありますよね。
大人同士の話では、グチっていたかもしれません。
派遣社員から市議になった自分と自分の父親を
持ち上げるために、派遣村を叩いている感も
ありますね。
>>太郎さん
「火薬の存在」に対する問題意識は、私も同じものを持っていると思います(私の場合は「思考の根底」と称することが多いですが、おそらく同一のものを指していると思います)。
この手の言説は、おっしゃるとおり、頭にカーッと血が昇って書いたと思われるものが大多数である関係上、文章が支離滅裂であることがかなりあり、なかなか「火薬(=「思考の根底」とさせていただきます)」を探り出すのが難しいのですが、今後ともこの手の言説を採取してまいりますので、何か感じることがありましたら、ご遠慮なくコメント欄にてご教授ください。どうぞ、当ブログを使い倒してください。
公明党の行く末についても同じく興味があります。たしか「福祉重視の中道政党」みたいなのがウリだったと思うんですが、もはや某国に対する「地上の楽園」という呼称と同レベルの信頼度であると言わざるを得ません。
>>mashさん
ピントのズレた根性論ほど痛々しいものはありません。
>>けらさん
同感です。「政治は魔法じゃねぇ」というのは一般論としては正論なんですが、政治家がそれをいっちゃあお終いですよね。結果的に患者が死亡してしまった医者が、患者死亡直後に「医療は魔法じゃありません」といえば「えーっ、確かにそうだけど、ここでそのセリフですかぁ」と思うのと同じです。
その上、安江さんの場合は現状認識も甘い。ここまでアレだと弁護したくても弁護できない。。。