野党第一党の党首の突然の醜聞でメディアはメシのタネが見つかって大喜び、例によってテレビでは公安関係者を「有識者」扱いでゲストとして招いて色々と聞き出しているわけですが、4日夜の日テレ系『ZERO』における元地検特捜部の河上氏の発言には少し違和感を感じました。
曰く、「地検特捜部はかなりの自信がなければ行動しない」として、本件は被疑者は容疑を否認しているがクロであろうとした上で、今後、この手の「政治とカネ」の問題を解決するには、「議員本人が知っていたか否かの立証責任は議員本人に与えた上で、本人了解の不正ならば議員身分剥脱とすべし」というようなことを言っていたと思います。
まあ、氏は半生を検察関係者として捧げてきた方ですから、検察視点で語ってしまうのは仕方ありませんけど、逮捕は逮捕であって有罪確定ではないんですから、テレビのコメンテーターとしてはその辺を配慮した発言じゃないとまずいんじゃないかと。これじゃコメンテーターじゃなくて地検のスポークスマンじゃん。
また、「自身の無関係の立証責任は議員側」ってあんた、、、まあ、脳味噌がおやすみモードに入り始めた時間帯の放送だったので、あるいは聞き間違いor脳内情報混線していたかもしれませんし、そうであってほしいのですが、私の記憶によるとそんなことを言っていたみたいです。。。
しかしまあ、容疑者段階や被告人段階、つまり有罪確定では無い段階で検察関係者を「司法有識者」として呼ぶ昨今のテレビの編集って、どうにかならんのですかね。大学とかで純粋に法律や判例を研究している学者を呼ぶほうが中立的だし、見ている側としても、双方の視点を同時に捉えられるから、よっぽと有益じゃないかと思いますよ。繰り返しになりますが、長く検察で仕事をしてきた人じゃ、検察視点で語ってしまうのは仕方ありません。だからこそ。
ちなみに、いつのまにやらレギュラーコメンテーターみたいな顔している星野仙一氏が、「"政治とカネ"の問題は世界に対して恥ずかしい」としながら、本件について「まあ、まだ(クロかどうかは)分かりませんけど」と付け加えたのには感心した。いつもどっかピントがズレていたり、そもそも何で星野氏が政治・経済・社会・法律を語っているのかが良く分からないけど、今回ばかりは良く言った。
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ユーチューブで河上氏のコメントを見ました。
上に書かれているようなことをやはり言ってました。
一歩譲ってたとえ河上氏の単なる願望であったとしても刑事裁判を根底から覆すようなことを元検察官が言ったらまずいよなと。ユーチューブのコメント欄にはこの立証責任の転換が現行の制度だと勘違いしているような書き込みがあって正直げんなりでしたが…