http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090405-00000090-jij-int
>>> 「何も軌道に入らず」=北の打ち上げ失敗か−米防衛司令部コメント欄。
4月5日19時33分配信 時事通信
【ワシントン5日時事】北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)は5日、北朝鮮が人工衛星を軌道に乗せたとの主張について、「2段目以降は太平洋に落下し、何も軌道に乗らなかった」と否定した。北朝鮮による打ち上げは失敗した可能性が高い。
NORADの分析によると、北朝鮮はテポドン2号を打ち上げ、一段目は日本海に、弾頭の搭載物を含めた2段目以降は太平洋に落下した。
また、「テポドン2号は日本を飛び越えたが、日本への破片の落下はない」としている。さらに「ハワイと米本土への脅威はなく、米軍は迎撃しなかった」との見解も示した。「何の物体も軌道には入らなかった」としている。 <<<
>>> もともとミサイル実験だもの軌道に乗るはずがない。一行目。今回の一連の騒動でも一貫して見られ、そして本騒動最大の問題とも言うべき言説、すなわち、「人工衛星発射ロケット」ではなく、「ミサイル」と断定している言説です。
政府には、次回このようなミサイルを発射しようとしたら発射基地を事前に爆撃するぐらい言って欲しい <<<
私は軍事関係には全く疎い人間なので、余り偉そうなことは言えないのですが、以下の記事にもありますが、チュチェ87(1998)年8月の「テポドン1号」の発射がミサイルか宇宙ロケットかの最終的決定には2ヶ月を要したとあります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090405-00000075-jij-pol
>> 米衛星情報「しっかり確認」=詳細分析は時間必要−防衛省もちろん、発射するまで分からない以上は、最悪の事態を想定して準備することは当然ですし、何らかのトラブルで明後日の方向に飛んでしまえば、たとえ宇宙ロケットであったとしても危険であることは間違いありません。ゆえに私としては、今回、自衛隊が念のために迎撃ミサイルを展開したことについては、金正男同志も仰っているように、自衛のための正当な備えであると言えると思います。
4月5日18時34分配信 時事通信
防衛省は5日、北朝鮮の「ミサイル」発射の探知に関して、米軍の早期警戒衛星の情報を得ていたことを明らかにした。千葉県にある航空自衛隊の地上レーダーFPS5も発射を探知したという。一方、正確な落下地点や軌道などの詳細な分析は「時間がかかる」とした。
日本は発射探知を早期警戒情報(SEW)に頼っているが、同省は4日、これが入ったと誤って伝達し、政府が「発射」を誤発表した。5日の情報伝達について、同省幹部は「経路は昨日と同じだが、再発防止に配慮し、SEWをしっかり確認した」と述べた。
同省は発射推定時刻の約1分後の5日午前11時31分ごろ、A棟地下3階の中央指揮所でSEWを確認。その約2分後に官邸の危機管理センターなどに第一報を伝えた。幹部は「国民の生命財産に直接関与するため、情報はほぼリアルタイムで上げた」とする。
SEW、FPS5のほか、イージス艦などのレーダー情報も各部隊から指揮所に入ったという。
「ミサイル」が人工衛星かどうかや軌道、正確な落下地点などについては「総合的に分析しており、時間が必要」と説明。「テポドン2号」かどうかについても、明言できないとした。分析の期間について、幹部は「1998年には2カ月かかった。今回、どの程度かかるか分からないが、可能な限り早く結果を出したい」と話した。 <<<
しかし、今回の騒動では何故か一貫して、早々からミサイルであると断定されてきました。そのため、いつだったか日テレ系列の午後のワイドショータイプの番組では、ゲストの中年女性が半分発狂していました。
この点、すなわち、国民が(一部ではあるものの)半分発狂していた点、そして4日の「大失態」をあわせて考えると、ミサイル防衛だイージス艦展開だという以前に、日本国家には、国民への的確なアナウンスと重要な軍事情報の伝達の2点で極めて深刻な問題があると言わざるを得ません。
当初私は、今回の「ミサイル」騒動が必要以上に危機感を煽っていることについて、あるいは改憲を後押しする風土を作るという策動があるのではないかとか陰謀じみたことを考えていたりもしたのですが、こうして振り返ってみると、今回の騒動で浮き彫りになった問題点は、改憲したところで解決するような問題ではありません。そう考えると、なんでここまで騒いでいたのか不思議でなりません。
また、発射後の「世論」の展開にも問題があると言わざるを得ません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090405-00000619-san-soci
>>> 【北ミサイル発射】「もう北朝鮮に支援は必要ない」市民からも怒りの声第4段落。かつて私は、共和国は国民の意見が全く国政に反映されない国家であり、これはすなわち、国家の全ての活動は上層部の勝手な判断に基づくものであり、国民にはその責任は無いと書きました。今回の飛翔体発射も、そういえると思います。
4月5日20時20分配信 産経新聞
北朝鮮のミサイル発射強行で、市民からは「もう北朝鮮に支援は必要ない」と怒りの声が上がった。拉致問題の解決に背を向けたまま核、ミサイル開発を進める暴挙。拉致被害者の家族は「断固とした制裁措置を」と憤りの声を上げた。
地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が配備された岩手県。陸上自衛隊岩手山中演習場近くの飲食店店員、伊藤雄樹さん(29)は「PAC3が発動したら破片が落下しないかと不安だった」と話した。
ミサイル発射に対する怒りや不安は、通過ルート以外の各地でも聞かれた。
神戸市須磨区のスカイマークスタジアムで行われた関西独立リーグの試合を観戦した神戸市中央区の会社員、坂井吉明さん(58)は「(北朝鮮は)自分の国のことしか考えないから信用できない。もう日本は何の支援もする必要はない」。円山公園(京都市東山区)で花見をしていた神戸市長田区の会社員、松谷徳子さん(30)は「被害はないということだが、今後何が起こるか、北朝鮮が何をするか予測できない」と不安そうだった。
日本政府へ注文を付ける人も多く、和歌山県海南市で開かれた菓子祭を訪れた男性(65)も「国連決議違反で、経済制裁をすべき」。高速道路料金の値下げでにぎわった名神高速道路上りの大津サービスエリア(大津市)では、名古屋市の無職、須山則料さん(74)が「被害がなくてよかったが、国には毅然(きぜん)とした態度で臨んでほしい」と話した。
一方、在日コリアンらは発射による影響を心配している。
大阪市生野区のボランティア団体「コリアボランティア協会」の鄭炳熏(チヨン・ビヨンフン)さん(57)は「たとえ衛星だったとしても、世界を騒がせる事態を引き起こした北朝鮮政府は幼稚で愚かだと思う」と非難したうえで、「在日コリアンにとって迷惑な話だし、何よりも北朝鮮に住む人が気の毒だ。日本に住む北朝鮮籍の人たちが悪意を持ってみられることのないように願いたい」と話した。 <<<
この「何の支援もする必要はない」という言葉のさす「支援」がどの程度のレベルの「支援」なのか、つまり、経済支援なのか、人材支援なのかは分かりませんが、もし、最低限の人道支援すらも今回の発射で凍結すべしとするのならば、それは共和国政府と共和国公民との間の関係を見誤っている暴論であると言わざるを得ません。
なお、拉致被害者の「家族会」が何故か今回も出てきたことについては、とにかく共和国に対して圧力をかけられる話題に対して群がるその心理については、以前にも書きましたが、彼らが「人間の被害者」である以上は、仕方ない反応です。しかし、直接の被害者ではないが、家族会と歩調をあわせている「救う会」が、家族会の場違いな活動に対して何のアドバイスもしないどころか、一緒になって署名活動をしている点を見ると、「救う会」の魂胆みたいなものが透けて見えるように思います。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20090404-OYT8T00988.htm
>>> 横田めぐみさんら「救う会」、打ち上げ反対の署名活動
新潟市中央区の古町十字路では、「横田めぐみさん等被拉致日本人救出新潟の会(救う会新潟)」が、打ち上げ反対を訴える署名活動を行った=写真=。「ミサイル発射のような瀬戸際外交は間違っている。拉致被害者全員を帰すことが先決だ」と訴えると、買い物客らが次々と署名に協力した。
救う会新潟の馬場吉衛会長(87)は「一番大切なことは、大勢の拉致被害者を1日も早く救うこと。救出もなくミサイル発射を準備するなんて……本当に怒っています」と声を震わせた。
署名に協力した同区の本間ミイさん(79)は「めぐみさんたちを帰国させず、その上ミサイルで日本を脅し、侮辱するなんて許せない」と憤っていた。
(2009年4月5日 読売新聞) <<<
つまり、先の大戦の惨敗から何も学べていない、ということですね…。
>amanoiwatoさん
全くもってそのとおりです。
>mashさん
まったく同感です。
「元はといえばあっちが悪い=だから自己はすべて正しい」という論理は、ちょうどAML閉鎖の直接的原因になった「例の戦争」と全く同じ構図です。その点から考えるに、これは日本人の「持病」なんでしょうね。