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2009年07月17日

「人様に”モンスター”のレッテルを貼るモンスター」にならないために

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090712-00000507-san-soci
>>> “モンスター患者”を退治! 大阪府が府警OB斡旋へ
7月12日1時33分配信 産経新聞

 救急病院で迷惑行為を繰り返す患者への対策として、大阪府が今秋にも、府警OBを府内の救急医療機関に斡旋(あっせん)する制度を創設することが11日、分かった。これまで培ってきた能力を新天地で生かしたいOB側と、近年急増する“モンスターペイシェント”対策に悩む医療機関側の思惑が一致。府は今後、府内の救急医療機関に雇用の希望調査を実施する。

 府によると、医療機関は、モンスターペイシェントへの対処法だけでなく、医療機関内の窃盗対策や不審者侵入防止など、必要とする分野に応じて専門の府警OBを希望することができる。

 府はモンスターペイシェントの実態を把握するため、昨年10月、府内の322救急医療機関(回答247件)を対象に初のアンケートを実施。その結果、約75%の医療機関が過去1年間に数回以上、「医療機関の関係者に因縁をつける。暴言を吐く」「診断や処置について不満を訴えたり、不当な要求をする」といった迷惑行為を受けていたことが判明した。

 一方、「警察との協力」「警察OBの雇用」などを要望する意見が多かったため、府は府警側にOB雇用への協力を要請した。

 府警では団塊の世代の退職期がピークを迎えており、今年3月には677人が退職した。府警はOBが能力を発揮できる新たな就職先として快諾した。府は今秋にも救急医療機関に雇用の希望調査を実施したうえで、府警と医療機関と協議し、再就職希望者を紹介する。

 府によると、これまでも、府警OBが個別に医療機関の顧問などとして再就職する例はあったが、大手医療機関など一部に限られていた。今回のように府が両者の橋渡し役となることで、小規模な医療機関なども府警OBの斡旋が受けやすくなるという。

 府医療対策課は「府が間に入り、医療機関側の希望を一括して府警に紹介することで斡旋の機会も広がり、透明性も高まる」と話している。
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 患者(ペイシェント)に限らず、昨今は色々な「モンスター」があちこちに出現しているようで、各方面の方々は大変なご苦労をなさっているようです。しかしながら、ここ数年の「モンスター」の「出現報告」を聞いていると、「モンスター」と命名しているほうがむしろよっぽど「モンスター」的なのではないかと思えることも少なくありません。

 その典型例が、「モンスターペイシェント」に関する一連の議論だと思われます。本件は、「医療危機」「医療崩壊」が話題になっている昨今で、その「医療危機を深刻にする戦犯」としての扱いを受けている関係で、名称の浸透度基準で見れば「モンスターペアレント」のほうが上ですが、「世論」による非難の度合い基準で見ると、ダントツで話題になっています。そして、「モンスターペイシェント」問題のうち、「深夜コンビニ診療」と「救急車のタクシー的利用」、そして本記事にもある「不当要求」と「暴言」の4点が主要な論点、というか(一方的な)批判対象となっているように感じます。

 これら4点は、確かに深刻な問題であり、およそ常識というものが欠落していることを自他共に認めている私としましても、「モンスターペイシェント」の方々の「輝かしい功績」には、驚くことが少なくない次第です。これらの4大問題行為を批判するのは実に容易い仕事です。しかしながら私としては、(いつものクセで)ここであえてボコボコに批判されている「モンスターペイシェント」側の視点、思考回路にしたがって、これらの4点について見て考えてみると、先にも申し上げたように、「モンスター」と命名しているほうがむしろよっぽど「モンスター」的なのではないかと思えることも少なくありません。

 たとえばまず、「深夜コンビニ診療」について。これについては2とおりの場合わけが最低でも必要だと考えます。すなわち、1つに「昼間も来られるのに、昼間の診療時間帯は混んでいるからわざわざ夜に来る」と「昼間に来る時間がないからしぶしぶ夜に来ざるを得ない」です。

 さて、前者については私は何も申し上げることはございません。大多数の皆様の仰るとおり、とんでもない輩です。しかしながら、後者については、わざわざ、電車もバスもない夜間、仕事帰りで疲れた体に鞭を打って病院までやってくる患者たちに対して、私たちは単純に「モラル」だとか「常識」だとか、それっぽい御託を並べて「良識的市民」を気取っているのではなく、その事情を汲み取らなければなりません。すなわち、昼間に病院に来られないような労働環境について、もっと関心を寄せなくてはなりません。それをせずに、自分の視点だけを以って相手を「モンスター」扱いするのならば、あなたこそが「モンスター」であるといわざるを得ません。

 「救急車のタクシー的利用」については、第一段階として2系統の場合わけ、そして、各系統ごとにそれぞれ2つの場合わけが必要です。すなわち、「”交通機関”としての救急車利用」系統と、「優先的に診療を受けるための”チケット”としての救急車利用」の系統です。

 まず、前者系統について。これは更に以下、2つに場合わけができます。すなわち、「ほかに交通機関はいくらでもあるのに、車を出したりするのが面倒くさいから救急車を呼ぶ」場合と、「諸般の理由で自力では病院に行けないから救急車を呼ぶ」場合です。前者については、これもまた私としましては、批判者の隊列に加わらせていただきますが、後者については、もちろんこれは救急車の正常な利用とは言い得ないものなので積極的に支持はしませんが、しかしながら、これについても先ほどと同じように、その事情を汲み取らなくてはなりません。以前にも書いたような気がしますが、何らかの代替方策が現れない限り、こういう理由での出動要請は、「許容範囲」とせざるを得ないのではないかと考えます。

 この論点に関しても、やはり、「モラル」だとか「常識」だとか、それっぽい御託を並べ、自分の視点のみで話を完結させるのは、それこそ「モンスター」の思考回路です。

 「優先的に診療を受けるための”チケット”としての救急車利用」系統についても検討してみましょう。これについては、私としましては、本当の意味での良識的で、実は自覚はないのだけれども重症である患者が出動要請を出すことに対して萎縮してしまうのではないか、という懸念を以前から申し上げてきました。こういう「モラル」とか「常識」ということばは、他人を批判する際には実に効果的でありますが、その効果が思わぬ副作用をもたらしうるという危険性についても認識しなくてはなりません。

 「不当要求」と「暴言」については、似たようなものなので同時に処理しますが、これはまた実に曖昧で、如何にでも化けうる今まで以上に胡散臭い論点です。

 もちろん、クレーマーも真っ青な「ホンマモン」だって相当数いることは想像に難くありません。そういう論外な輩については、例によって私も批判者の隊列に並ぶ所存ですが、しかしながら、明らかに医療技術が未熟な医師に対する注文や、あるいは医師側の説明不足(自分の体に施されている措置が何であるかについて患者に知る権利はあってしかるべきでしょう。それこそ「常識的に」考えて。医者の世界では違うのかも知れないけど。)、コミュニケーション能力不足とかそういうのも同じくらいありそうなんですけど。

 まあ、この記事には実際の事例とかが載っていないのでなんともいえないですけど、もしそうであるならば、自分の側の問題を棚に挙げて、相手を「モンスター」呼ばわりしているのならば、それこそ完全に「モンスター」です。

 まあ結局、何が言いたいのかといいますと、確かに問題外の、まさに「モンスター」という言葉がふさわしい、とんでもない輩が相当数いることは確かだが、しかしながら、本来は汲むべき事情のある人や、こちらの側が反省すべきことを指摘している本物の「良識的市民」をも、「モンスター」のレッテルを貼り付け、その正当な理由・言説を圧殺していることはないのだろうか、もしそういう事態があるのならば、それは批判者の側が「モンスター」なのである、というわけです。そして、本来は汲むべき事情のある人かどうか、こちらの側が反省すべきことを指摘している本物の「良識的市民」かどうかを見極めるためには、自分の視点の固執するのではなく、相手の視点に立ち、相手の思考回路で物事を考える必要がある、ということです。

 ところで、相手の視点に立たず、ただ自分の視点からのみ物事を判断しようとする「人様に”モンスター”のレッテルを貼るモンスター」というのは、思考回路の特徴において所謂「感情屋」と共通するところがあるように思います。こんなところでまたお会いしましたな。

 このような思想で、やっと本記事の本題について考えると、まさに「モンスター」というべき輩への対抗の面でも、正当な理由をもつ人や全うな批判言説で理論武装している本物の「良識的市民」を見極める面でも、まあそれなりに(一般人比)人を見る目のあり、仲裁の腕もそれなりにある警察OBが出てくるのは、良いのではないかと思います。この試みの続報にも注目したいと思います。


posted by s19171107 at 01:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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