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2009年11月06日

犯罪に対する日本社会の関心の程度と公訴時効存廃問題

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009110500037
>>> 容疑者目撃「なぜ誰も言わない」=リンゼイさん両親が怒り

 英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさんの殺人死体遺棄事件で、指名手配中の市橋達也容疑者(30)とみられる男が整形手術を受けていたと報道されたことについて、リンゼイさんの両親は「うちひしがれている。若い男が病院に行き、医師に容姿を変えるよう求めたのに、なぜ誰も何も言わなかったのか」と社会の無関心さに憤りをあらわにした。英紙デーリー・テレグラフ(電子版)が4日、報じた。

 母親のジュリアさんは同紙に「どこに住んでいるのか、整形手術の費用はどうやって手に入れたのか、多くの疑問がわく」と指摘した上で、「最も腹立たしいのは容疑者が目撃されているのに誰も何もしてくれなかったこと。メディアで報じられ、警察はいつも後手に回っているようだ」と批判した。(2009/11/05-01:24)
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 犯罪に対する日本社会の無関心さに対してお怒りの遺族。「なぜ誰も何も言わなかったのか」というのはもっともな疑問ですが、私としては、これがこそが日本社会の現実であると言わざるを得ないと思います。

 本件に限らずそうですが、基本的に日本社会においては、あらゆる物事が、何か動きがあるときだけ報じられ、報じられたときだけ社会的な関心が高まり、それ以外の時には、まるで無かったかのように扱われます。たとえば刑事事件では、本件のように動きがあったり、あるいは時効寸前になるといったふうに、報じるキッカケが無い限り報じられることはないし、であるからこそ社会的な関心は高まらず、情報提供は殆ど無いに等しい状態が続きます(本件の場合は整形手術という、情報提供が下火になる致し方ない事情はあるものの、手術時節を含めて考えると、やはり「社会的関心」を問題視せざるを得ません。ネカフェとか使っていたんでしょ? あるいは、整形術師にしても、プライバシーの関係から身元を余り確認できないのはそのとおりだろうけど、職業柄、もう少し意識的であるべきじゃないの?)。あるいは、拉致事件にしても、その問題は停滞したままですが、報じるべき新しい情報が無いので、よって報じられることはなく、それゆえ社会的な関心も下火になっています。これが現実です。

 このような日本社会の現実をかんがみると、引用記事から話はちょっと反れますが、公訴時効存廃問題について考えざるを得なくなります。すなわち、今年は数カ月おきに、公訴時効存廃問題が数日間にわたって取りざたされるということが何度かありました。私見では、懲悪vs冤罪の蓋然性の問題、というのが主要な論点であるのではないかと認識しておりますが、私としては、(この対立構図についてももちろん見解はあるのですが、敢えてここでは別の視点に立つと)たとえ公訴時効を廃止したとしても、日本人のこの無関心さというか、新しい情報がなければ報じないし、報じられなければ誰も何もしないという習性がある限り、それほど意味のあることなのだろうか、むしろ、公訴時効が成立したからこそ自ら名乗り出るという、稀有ではあるものの時折ある「真相判明」が、いよいよ無くなってしまうのではないかという懸念があります。もちろん、「だから公訴時効は存続すべきだ!」とは短絡的にはいいませんけど。(←短絡的で感情的な人対策)

 さて、ここ数日、四六時中報じられている本件は、1日あるかないかくらいで211件の情報提供があったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091106-00000226-jij-soci
>>> 市橋容疑者の情報提供211件=整形後の写真公開後で−英女性死体遺棄・千葉県警
11月6日20時49分配信 時事通信

 千葉県で起きた英国籍の英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=の殺人死体遺棄事件で、死体遺棄容疑で指名手配されている市橋達也容疑者(30)の整形後の写真を公開してから6日正午までに、県警行徳署捜査本部に情報提供の電話が211件寄せられたことが分かった。ただ同容疑者逮捕につながるような情報はないといい、県警は引き続き情報提供を呼び掛けている。

 捜査本部によると、情報提供は全国各地から寄せられており、特に同容疑者が10月下旬に鼻の整形手術を受けた愛知県と、東京都が多いという。10月31日に寄せられた情報はわずか3件で、同容疑者について報じられた後は件数が急増しているという。

最終更新:11月6日21時48分
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 もし数日以内につかまらず、よって報じるネタが尽きてしまった場合、果たして本件は、今後どのように報じられるのか。そして、日本社会は本件に対して関心を持ち続けられるのか。本件は、公訴時効存廃問題を考える上でも注目すべき未解決事件です。

 「犯罪者」を「のうのうと生活させている」のは、警察が怠慢であるというよりは、社会が無関心であるからです。(しかしそれにしても整形、すなわち他人に、全国に指名手配されている自分の顔をじーっと見させるということを良くやったもんだなぁ)

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http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html


posted by s19171107 at 22:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
警察に通報があだ、取引停止も 市橋容疑者勤務の建設会社
http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111301000026.html

>建設会社関係者によると「社員の身元もきちんと調べない会社とは取引できない」と契約解除を通告される例が続いた。この関係者は「通報すれば、取引停止もあるだろうと事前に話し合った。だが社会人の義務として通報した」と打ち明ける。

こういう社会の「空気」も、犯罪や犯罪者に対して無関心に成らざるを得ない一端では…。
Posted by amanoiwato at 2009年11月14日 10:26
コメントありがとうございます。

11月15日付の記事にも書きましたが、取引先の言い分も分かるのですが、確かに、そういう措置が通報への誘因にもたらす影響は多大だと思います。
Posted by s19171107☆管理人 at 2010年01月24日 00:12
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