>>> 宮城3人殺傷、逃走18歳少年の身柄を確保本件については、10日午後放送の読売テレビ(首都圏では日本テレビ)系『情報ライブ ミヤネ屋』で、番組開始直後のトップニュースとして、合計10分程度の時間枠で取り上げられたのですが、その内容が。。。
2月10日8時38分配信 読売新聞
10日午前6時50分頃、宮城県石巻市清水町、南部かつみさん(46)宅で、同市、職業不詳の少年(18)が、南部さんの長女・美沙さん(20)ら男女3人を包丁のようなもので次々に刺した。
3人は病院に搬送されたが、美沙さんと石巻市日和が丘、高校生大森実可子さん(18)の2人が死亡、男性(21)も肩を刺されて軽傷を負った。
少年は、南部さんの次女・沙耶さん(18)を連れて乗用車で逃げていたが、県警は同日午後1時過ぎ、少年の身柄を確保した。石巻署は殺人容疑で少年を調べる。
(中略)
最終更新:2月10日13時34分 <<<
「宮城県石巻市の民家で女性二人を殺害し少女を連れ去って逃走していた少年ですが、先ほど身柄が確保されました」というスタジオでの一通りの状況説明まではまあ良いとして、すぐに「現場からの中継」に移ったのものの、この中継がひどい。のっけから「被疑者が逮捕されたとの(地元の宮城県警察からの)情報は現在のところ入っておりません」と口走ったかと思いきや、「被疑者2名逮捕という情報が入ってきた」「しかし誰なのかは分かりません」「複数犯という可能性も出てきたということです」と言ったりするなど、結局、誰が捕まったどころか、捕まったのか捕まっていないのかも混乱させるような内容でした。
そして再びスタジオに映像が戻って来、昨今の事件報道ではおなじみの「事件の相関図」がモニターに映し出されるも、人物間の関係が判明しておらず、一番大切な、身柄を確保された少年と次女(連れ去られた少女)との関係性に「過去に交際?」すなわち「?」をつけたり、あるいは「次女に娘がいるという情報が入ってきているが、容疑者の少年との間の子供なのかは分からない」などと、結局何なのかサッパリな報道に終始する始末でした。
で、こんなわけのわからない「まとめ」であるにもかかわらず、「考えたくは無い」と前置きしつつも「次女も何らかの形で関わっている可能性もありうる」(加藤譲 読売新聞編集委員)と言ってのけるコメンテーターたち。犯人を「減らす」方向のコメントならまだしも、「増やす」方向のコメントは、日本人視聴者の習性を考慮に入れる限りにおいてはやめておいた方が良いと思うんですけどねえ、、、新聞の編集委員やってんのに読者(視聴者)がどういう習性を持っているのかも知らないんですか?
さて、昨今のメディア報道が、まだほとんど分かっていない状態から、断片的な情報をつぎはぎして勝手なストーリーを作り上げるのみならず、それを前提として「スタジオ法廷」のごとくあれやこれやと言い立て、不十分な事実認定に基づく「スタジオ判決」を出しているというのは、皆様も良くご存知のことかと思います。あるいは、その「スタジオ判決」が、ホンモノの裁判にも影響を与えているのではないかというのも一部では囁かれているのもご存知かと思います。
おそらく上記10日づけ「ミヤネ屋」も、いつものパターンでやっていたつもりなんでしょうけど、今回ばかりは事件からまだ数時間しかたっていない段階で無理に「スタジオ法廷」を設置しようとしたためでしょうか、視聴者にしてみれば結局、何が起きたのかもいまいち分からない出来になってしまいました。
このような拙速に過ぎる「法廷」設置を見ていると、よく「スタジオ判事」たちは、自分たちが頼まれてもいないのに「法廷」を設置するときに、「被害者の無念さを、、、」とか「事件の真相を、、、」などと大義名分を立てますが、それがタテマエでしかないことが良く分かると思います。だってこの報道、真相究明にまったく資さないような混乱っぷりだし、それどころか、前置きは確かにあるものの、被害者を加害者グループとして扱っているし。
なんか、事件報道の目的が失われているような気がします。真相究明には資さないし、視聴率主義だとしても、報じている側も混乱しているようじゃ「ミヤネ屋は何を報じているのか自分でも分かっていない番組」と思われ、以後の視聴率に悪影響を及ぼすでしょうし。とにかく「速報すること」が目的になっているような。。。
「考慮」に入れたからこそやってるんじゃないですかねえ……(苦笑)。
日本人ってそういう下衆の勘繰りで「深読みできる俺様サイコー」と悦に入るのが好きですから。
ああなるほど、そういえば、現実になされている報道の手法というのは、受け手の欲求にかなり振り回されているってのは、光市事件に関する綿井氏と河井弁護士のトークショーでも指摘されていましたっけ。うっかり失念していました。いやはや、、、