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2012年12月31日

個人消費

そしてまた更新が途絶えていました。お久しぶりです。
気ままに更新。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-30/2012123001_01_0.html
>>> 働くルールの確立や賃上げで
736万人の雇用生まれる
労働総研が春闘提言

 労働運動総合研究所(労働総研)は29日までに、2013年春闘提言「賃上げと雇用の改善で『デフレ』不況の打開を―外需依存型から内需充実型に転換し経済基盤を再構築」を発表しました。賃上げと働くルールの確立でこそ「デフレ不況」から脱却できる、と強調しています。
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 提言は、▽サービス残業の根絶▽有給休暇の完全取得▽週休2日制の完全実施―など働くルールの確立で新たに420・6万人の雇用が創出されると試算。これとあわせて、賃金水準を1997年のピーク時まで回復し、非正規雇用労働者を正社員化した場合、国内需要が34・6兆円増加し、これによってGDP(国内総生産)が30・4兆円拡大します。(表参照)

 2011年の名目GDPが470兆円であるため、経済成長率が6・47ポイント上昇するとしています。

 経済成長により誘発される雇用創出は316万人で、働くルールの確立による420・6万人とあわせて736・6万人の雇用創出につながるとしています。

 これに必要な原資は56兆円。全企業が抱える内部留保460兆円の12・2%を活用すればすむとしています。

 巨額に膨れ上がった内部留保の源泉は、賃金削減と企業税(法人税、法人住民税など)減税によるものだと指摘しています。

 賃金水準は97年度をピークに低下。この97年水準を維持した場合、98〜2011年度の間に労働者に対して144・3兆円の賃金が支払われるはずでした。一方、企業税を89年の40%(現在30%)に維持したと試算すると、企業は90〜11年度の間に173・8兆円も減税されたことになります。この賃金減額と企業減税額をあわせると、318・1兆円の利益を得たことになると指摘しています。

 日本経済のマイナス成長の直接・最大の原因は、賃金低下を主因とする内需の縮小にあると指摘。「デフレ不況」を打開するには、(1)外需依存から内需充実型に転換する(2)そのカギは、企業経営を国民生活重視の方向に転換する(3)そのためには内部留保を社会的に還元・活用することが有効だ―と提言しています。
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 GDPを30兆円アップさせるための費用が56兆円って大赤字じゃんというツッコミ以前に、消費って所得が増えたからと言って、ストレートに増えるもんじゃないのになあ、とコメントを付けざるを得ません。

提言書を詳しく見ると、産業連関分析を算定の根拠にしているそうです。産業連関分析を使うこと自体は普通のことなんですが、産業連関分析は、あくまで「最終需要が1単位増えたとしたら、どれくらいの波及効果があるか」をシミュレートをするだけであり、既に最終需要が増えていることがスタートラインであります。すなわち、「どうやって最終需要を増やすのか」ということは明らかにはしません。

で、提言書を更に詳しく見ると、例によって内部留保を切り崩すんだそうです。内部留保を個人消費に転化させる、いつものパターンですね。はたしてそれで上手くいくのでしょうか? それは、個人消費は何によって規定されているのかを解き明かすことによって見えてくると思われます。

個人消費は何によって規定されているのでしょうか? いろいろと学説はありますが、通常、個人消費額はフローによって(基本的に)規定され、ストックには(あまり)規定されないと考えられます。また、フローのなかでも恒常的な所得によって規定され、変動(一時的)所得には規定されません。さらに、人々は一生涯を通じて一定水準の消費スタイルを維持しようとするので、将来にわたる期待収入額にも規定されます。

要するに、個人消費の額は、一生涯を通した平均的な収入(恒常的なフロー)の額に応じて決定され、臨時収入(変動フロー)や貯蓄(ストック)は、あまり影響しないのであります。もちろん、変動フローやストックが個人消費に全く影響しないわけじゃありませんよ、臨時収入や貯蓄を切り崩して生活することだってあることは、私もよく存じ上げています(泣) でも、それは一時的な出来事にすぎません。

内部留保は、ストックの切り崩しによる変動フローにすぎません。果たしてそれでマクロ経済を復活させ得るほど個人消費が増えるのか。麻生内閣の「定額給付金」みたいな末路になりそうな気がします。

もっとも、「個人消費を復活させる」という視点はとても良いと思います。私が問題にしているのは、あくまで「方法」にすぎません。では、どういう方法をとるべきなのか。

恒常所得は企業の生産活動が順調に行われて初めて実現します。ケインズによると、企業家は、将来の期待収益率と利子率を比較して意思決定をします。となれば、今のご時勢でも必要とされる新しい商品・産業を興したり、あるいは輸出を起爆剤とするのが一番手っ取り早いでしょう(利子率はこれ以上、下げてもねえ…)。経済政策的には、イノベーションをサポートする体制づくり(たとえば、斜陽産業から新興産業への労働力の移転をスムーズにする)ことが必要かと。

かつて、経済危機に直面したスウェーデンが、日本左翼が泡を吹いて卒倒するような経済構造改革に取り組んだ結果、見事に強い産業をよみがえらせ、豊かな国民生活水準を復活させた歴史的経験は、多くのアイディアを提供してくれると思います。

もし、内部留保をどうしても革命的に収奪…じゃなくて活用したいのならば、そのままバラ撒くのではなく(それじゃ変動フローでしかない)、それを原資にして殖産興業に励み、恒常フローに転化させるべきでしょう。もっとも、その場合は、どのくらいなら切り崩しても大丈夫なのかを綿密に計算しなければなりません。しかし、提言書では「内部留保のわずかxx%で足りる」というものの、それは妥当なのかどうかの根拠が殆ど掲載されていません。かつて、何かの媒体(新日本出版社の『経済』だったかな?)で「妥当な内部留保」が算定されていましたが、「2000年代前半」という「牧歌的資本主義」の時代を基準にしていて閉口した覚えがあります。

新ブログに掲載した続編記事;チュチェ102年2月18日づけ「いやいや全然違うから共産党さんw
posted by s19171107 at 02:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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