自民党税制調査会の津島雄二会長は14日、日本記者クラブで会見し、消費税について「社会保障の財源にすることに賛成だ」と明言した。税制の決定に深く関与する党税調幹部のこの発言は、今秋以降予定されている抜本的改革にも影響を及ぼしそうだ。>「消費税は所得税と違ってみな同じように(かかって)くる。負担と受益を合わせて考えやすいタイプの税」と、社会保障の財源に適する理由を説明した。 大企業増税してから言え
津島氏は、税制論議では社会保障の水準と税・社会保険料の関係を示し、国民合意を得る必要性を強調。そのうえで、「消費税は所得税と違ってみな同じように(かかって)くる。負担と受益を合わせて考えやすいタイプの税」と、社会保障の財源に適する理由を説明した。
政府・与党は消費税論議を参院選後の今秋以降に先送りする姿勢だ。津島氏も「どうするかを政党の側から決めつけるのは適当ではない。へたをすると、国民合意を妨げることになる」と述べ、参院選での争点化に警戒感を示した。
与党の一部から出ている消費税引き上げ不要論に対しては「4%成長になれば新しい増税は要らないということはあり得ない」と批判。また、安倍政権の「上げ潮路線」にも、「うまくいけばいいと思うが、実態を把握していない議論になっていないかと感じる。成長にあまり大きな期待を持つと、後悔すると心配している」と懐疑的な見方を示した。
http://www.asahi.com/international/update/0214/013.html
旧ソ連からの独立以来、独裁政治を続けたニヤゾフ前大統領が急死し、大統領選が行われた中央アジアのトルクメニスタンの中央選挙管理委員会は14日、ベルドイムハメドフ大統領代行(49)が9割近い得票で圧勝したと発表した。同氏は直ちに、就任式に臨み、第2代大統領に就任した。
前大統領の死から55日。権力の空白による混乱は回避されたが、新政権が徹底的な個人崇拝に支えられた前大統領下の体制を維持させようとするのかは不透明だ。
中央選管の発表によると、ベルドイムハメドフ氏の得票率は89.23%。ほかに5人の候補がいたが、いずれも得票は、1.3〜3.2%だった。他の多くの候補は、地方を代表する形で擁立されており、同氏の当選は既定路線だった。
就任式の演説では、ニヤゾフ前大統領の基本政策を踏襲すると表明した。新大統領は元歯科医師。97年に保健大臣になったが、目立つ存在ではなかった。ニヤゾフ前大統領下で、閣僚の失脚が相次ぐ中、01年には前大統領が副首相に任命した。若年期の経歴が公にされないなど、なぞの部分が多い。容姿が似ていることから「ニヤゾフ氏の隠し子」説や親族説もささやかれている。
目を引いたのは、副首相だった同氏が、大統領に擁立されるまでの手続きの異例さだ。憲法で大統領代行になると定められていたのは、議会議長のアタエフ氏だったが、昨年12月21日の前大統領の死とほぼ同時に不正蓄財などの疑いで失脚し、ベルドイムハメドフ氏が代行に就任。同月26日の国民評議会は同氏を含む6人の候補を承認するにあたって、大統領代行が次期大統領に就任することを禁じた憲法を修正した。
いずれにしても、ニヤゾフ体制を支えた治安機関と軍の支持を得ていることは疑いない。
14日の就任演説では、▽水道やガスなどの光熱費、塩を無料で提供する政策を維持▽地方への住宅建設拡大▽官公庁、企業に限られるインターネットの利用を市民にも開放――などを次々に約束した。国民の間に芽生える不満は早くにつみ取ろうとの姿勢とも見える。
しかし、この国の政治の中心が前大統領への個人崇拝であることに変わりはない。14日の就任式でも舞台には巨大な前大統領の肖像が掲げられ、新大統領は、前大統領の著書で同国で「聖典」とされる「ルフナマ(魂の書)」に敬意をあらわした。当面、国民の前大統領への忠誠を利用し、政治の安定維持をはかるとみられる。
大統領選では、透明性に欠けるとして欧米の人権団体から批判を受けたが、14日の就任式には豊富な天然ガスに注目する各国から要人が姿を見せた。周辺のカザフスタン、タジキスタン、アフガニスタン、グルジア、ウクライナの各大統領やトルコのエルドアン首相が出席。ロシアはフラトコフ首相、米国はバウチャー国務次官補を派遣した。