山口・光市母子殺害事件の遺族、本村洋さん(31)原作の映画「天国からのラブレター」(監督・山口円)がこのほど完成し、15日に東京・渋谷のアップリンクXで封切られることになった。係争中の事件に関連する映画が公開されるのは異例のこと。本村さんは「もう一度、妻と娘に会うことができました。この映画が生まれたことに心から感謝したい」と語っている。さてさて、遺族側もがんばりますね。
映画「天国からのラブレター」は、本村さんがいまは亡き妻・弥生さんと交わした71通の往復書簡を中心に構成された同名著書(新潮文庫)が原作になっている。本村夫妻を須賀貴匡(29)、中村ゆり(25)が演じた。2人の出会いに始まり、交際、結婚、娘の誕生…幸福に満ちあふれていたころ、そして99年に起きた悲惨な事件。映画では裁判は描かれていない。
2000年の原作出版直後から映画化に動き、本村さんと交流を続けてきた今作企画の奥山和由プロデューサーは「はかなくも懸命に生きた様を残したい」と、構想から約7年かけて公開にこぎつけた。
先ごろ、完成した映画を見た本村さんは驚いたという。「中村さん演じる弥生のしぐさが本当にそっくりで。中村さんは実際、役づくりのために1人で妻の故郷の福岡の門司港まで行かれたと聞きました。再び妻や子供に会えた気持ちになれ、本当に感謝しています」
15日からレイトショーでの公開となるが、初日には本村さんも「見にきていただいた方には少しでもお礼が言いたい」と劇場に駆けつける予定。「この作品は決して裁判を動かすようなものではないし、その部分は出てきません。過激な暴力が描かれる映画が多い昨今、こんな若者のラブストーリーもあったんだ、という気持ちで見てもらえれば幸せです」
事件の控訴審は18日から広島高裁で再び集中審理が予定されている。本村さんは裁判の度に記者会見に応じ、その心情を努めて冷静に丁寧な言葉で伝えてきた。その判決には大きな注目が集まる。裁判は描かれていないものの、この事件がどれだけ尊いものを奪い去ってしまったのかを再考させるものになっている。
こうやって感情に訴える遺族側の主張ばかりが流され、一方で昨日の記事でもご紹介した、前回審理で明らかになった検察側主張による殺害方法が科学的には立証されなかったという弁護側主張に合致することはほとんど流されないわけですね。
(クリックで拡大します)
この事件に関しての世論については当ブログでは「刑事裁判を客観的に見る上で必須の観点」が欠如したものが多いと再三、主張してまいり、また昨日の記事では「正義・良心・世論というものの基準になっている情報源は偏っていないか」と述べましたが、どうやら今後もその傾向は治りそうにありませんね。
関連記事一覧
http://www.geocities.jp/s19171107/DIARY/BLOGINDEX/saiban.html