出会い系サイトで誘った男性から金を脅し取ったとして警視庁少年事件課は恐喝の疑いで、都内の私立高校2年の少年(16)=横浜市=を逮捕した。「何か落ち度のある人物を全否定し、そのような人物に対しては何をやっても良い」という発想は、裁判関係の「世論」の、特に所謂「凶悪犯罪」の被疑者や被告人に対するモノのなかに良く見られます。昨今の日本社会では当然視されています。そして、このような発想が「被害者による復讐(仕返し)」や「"犯罪者"を"人間地雷発見器"として使い捨てても良い」といった主張を正当化する風潮の基盤となっています。
調べによると少年は横浜市の市立中学3年の少女(14)=横浜市=とともに3月15日午後、東京都北区田端で、誘いに応じた北区の会社員の男性(29)に「おれの女に手を出すな。こいつはまだ中学生だぞ。5(万円)で許してやる」と脅迫。財布の中の1万円に加え、銀行ATMで2万円を引き出させて、計3万円を奪った疑い。男性の携帯電話を取り上げ、勤め先の電話番号を控えたうえで脅していた。
2人は1月から交際していて、少女がかつて援助交際で現金を得ていたことから、少年が犯行を思いついた。同様の手口で、他に4件の余罪があるという。少年は「援助交際をするような悪い奴なので金を取って当然だ」と反省した様子はないという。同課は、少女も同容疑で書類送検する予定。
今回の事件の被疑者少年の「援助交際をするような悪い奴なので金を取って当然」という供述は、まさにこの発想によるものです。つまり彼は、昨今の日本社会においては「普通の人」であります。
しかしどうでしょう。こういう発想をもとに本件行為を実行した彼は逮捕されました。「共犯」の少女も書類送検されました。つまり、昨今の日本社会では当然視されているこの発想は、実際の現代社会においては全く通用しないわけです。
今回の一件を通して、この発想が如何に現代社会に通用しないシロモノであるかについての認識が深まることを願っております。
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